lsvg コマンド

目的

ボリューム・グループに関する情報を表示します。

構文

lsvg [ -L ] [ -o ] | [ -n descriptorphysicalvolume ] | [ -i ] [ -l | -M | -p ] [ -m ] [ -P ] volumegroup ...

説明

lsvg コマンドはボリューム・グループに関する情報を表示します。volumegroup パラメーターを使うと、そのボリューム・グループに関する情報だけが表示されます。volumegroup パラメーターを使用しない場合は、定義済みボリューム・グループすべての名前のリストが表示されます。

デバイス構成データベースからの情報を使用できない場合は、欠落しているデータの代わりに疑問符 (?) がフィールド内に表示されます。 論理ボリューム ID が指定されると、 lsvg コマンドは、記述域からできるだけ多くの情報を取り出そうとします。

注: ボリューム・グループのメジャー番号を決定するには、ls -al /dev/VGName コマンドを使用します。このコマンドは、ボリューム・グループを表すスペシャル・デバイス・ファイルをリストします。ボリューム・グループのメジャー番号は、スペシャル・デバイス・ファイルのメジャー・デバイス番号と同じです。例えば、ha1vg というボリューム・グループの名前の場合は、次のコマンドを入力します。
ls -al /dev/ha1vg

上記のコマンドにより次のような表示が戻ります。

crw-rw---- 1 root system 52, 0 Aug 27 19:57 /dev/ha1vg

この例では、ボリューム・グループのメジャー番号は 52 です。

このコマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) smit lsvg 高速パスを使用して実行することができます。

フラグ

項目 説明
-i 標準入力からボリューム・グループ名を読み取ります。
-l volumegroup パラメーターにより指定されたグループ内の論理ボリュームごとに、次の情報をリストします。
LV
ボリューム・グループ内の論理ボリューム
Type
論理ボリュームのタイプ。
LPs
論理ボリューム内の論理区画の数
PPs
論理ボリュームにより使用される物理区画の数
PVs
論理ボリュームが使用する物理ボリュームの数。
Logical volume state
論理ボリュームの状態。Opened/stale は、論理ボリュームはオープンされているが、現行ではない物理区画が入っていることを示します。 Opened/syncd は、論理ボリュームがオープンされ、同期化されていることを示します。 Closed は、論理ボリュームがオープンされていないことを示します。
Mount point
論理ボリューム用のファイルシステム・マウント・ポイント (適用できる場合)
-L ボリューム・グループ上のロックを取得する際に待機しないことを指定します。

: ボリューム・グループを変更する場合、-L フラグを使用すると日付の信頼性がなくなります。

-m ボリューム・グループ内の各論理ボリューム・コピーが所属するミラー・プールをリストします。
-M 物理ボリューム上で論理区画ごとに、次のフィールドをリストします。
PVname:PPnum [LVname: LPnum [:Copynum] [PPstate]]
PVname
システムが指定した物理ボリューム名。
PPnum
物理区画番号。 1 から 1016 までの物理区画番号が使えます。
LVname
物理区画が割り当てられた論理ボリュームの名前。 論理ボリューム名は、システム全体で固有でなければならず、1 から 64 文字の範囲にすることができます。
LPnum
論理区画番号。 論理区画番号は、1 から 64,000 の範囲になります。
Copynum
ミラー番号。
PPstate
現行でない物理ボリューム上の物理区画だけが失効として表示されます。
-n descriptorphysicalvolume descriptorphysicalvolume 変数により指定されるディスクリプター域からの情報にアクセスします。-n フラグでアクセスされる情報は、論理ボリュームの妥当性が検査されていないので、 現行でない場合があります。 -n フラグを使わなければ、最も有効な情報を保持する物理ボリュームのディスクリプター域がアクセスされるので、表示される情報は最新のものです。 このフラグを使うときにボリューム・グループをアクティブにする必要はありません。
-o アクティブ・ボリューム・グループ (オンに構成変更されているグループ) のみをリストします。 そのうち 1 つのアクティブ・ボリューム・グループを使用可能です。
-p volumegroup パラメーターにより指定されたグループ内の物理ボリュームごとに、次の情報をリストします。
Physical volume
グループ内の物理ボリューム。
PVstate
物理ボリュームの状態。
Total PPs
物理ボリューム上の物理区画の合計数。
Free PPs
物理ボリューム上の空き物理区画の数。
Distribution
物理ボリュームの各セクション内、つまり物理ボリュームの内縁、裏中央、中心、表中央、および外縁で、割り当てられた物理区画の数。
-P ボリューム・グループ内の各物理ボリュームが属するミラー・プールをリストします。

フラグを指定しない場合に表示される情報は次のとおりです。

項目 説明
VOLUME GROUP ボリューム・グループ名。 ボリューム・グループ名は 1 文字から 15 文字までで、システム全体で固有でなければなりません。
VOLUME GROUP STATE ボリューム・グループの状態。varyonvg コマンドでボリューム・グループをアクティブにすると、状態は active/complete (すべての物理ボリュームがアクティブ) または active/partial (一部のボリューム・グループが非アクティブ) になります。
PERMISSION アクセス権。read-only または read-write
MAX LVs ボリューム・グループ内で許可される最大論理ボリューム数。
LVs 現在ボリューム・グループ内にある論理ボリューム数。
OPEN LVs 現在オープンされているボリューム・グループ内の論理ボリューム数。
TOTAL PVs ボリューム・グループ内の物理ボリュームの総数。
ACTIVE PVs 現在アクティブな物理ボリューム数。
VG IDENTIFIER ボリューム・グループ ID。
PP size 各物理区画のサイズ。
TOTAL PPs ボリューム・グループ内の物理区画の総数。
FREE PPs 割り当てられていない物理区画の数。
ALLOC PPs 論理ボリュームに対して現在割り当てられている物理区画の数。
QUORUM ほとんどの場合に必要な物理ボリューム数。
VGDS ボリューム・グループ内のボリューム・グループ・ディスクリプター域の数。
AUTO-ON IPL での自動始動 (yes または no)。
CONCURRENT ボリューム・グループがコンカレント対応か、コンカレント対応でないかを示します。
AUTO-CONCURRENT 同時モードまたは非同時モードでコンカレント対応ボリューム・グループを自動変更するかどうかを示します。 コンカレント対応ではないボリューム・グループでは、この値はデフォルトとして使用不可に設定されます。
VG MODE ボリューム・グループをオンに構成変更するモード (つまり、コンカレントまたは非コンカレント)。
NODE ID ボリューム・グループがコンカレント・ノードでオンに構成変更される場合、このノードのノード ID。
ACTIVE NODES このボリューム・グループをオンに構成変更させる他のコンカレント・ノードのノード ID。
MAX PPs Per PV このボリューム・グループに指定できる物理ボリュームごとの物理区画の最大数。
MAX PVs このボリューム・グループに指定できる物理ボリュームの最大数。 この情報が表示されるのは、32 PV ボリューム・グループおよび 128 PV ボリューム・グループの場合だけです。
LTG size ボリューム・グループの論理トラック・グループ・サイズ。 1 回の入出力要求でボリューム・グループのディスクに転送できるデータの最大量。 LTG サイズが 1 MB より大きくない場合は、キロバイトで表示されます。 1 MB より大きい場合は、メガバイトが使用されます。ボリューム・グループが AIX® 5.3 で作成されている場合は、 ディスク・トポロジーに基づいて LTG サイズを動的に決定することができ、 ボリューム・グループは Dynamic としてリストされます。 この機能が、varyonvg -M オプションを使用してユーザーによって使用不可になっている場合は、 Static としてリストされます。 ボリューム・グループが AIX 5.3 より前に作成されているためにこの機能がない場合は、VG が Static または Dynamic としてリストされることはありません。
BB POLICY ボリューム・グループの不良ブロックの再配置ポリシー。
SNAPSHOT VG スナップショット・ボリューム・グループがアクティブである場合は、 スナップショット・ボリューム・グループ名。アクティブでない場合は、スナップショット・ボリューム・グループ ID。
PRIMARY VG オリジナル・ボリューム・グループがアクティブである場合はスナップショット・ボリューム・グループの オリジナル・ボリューム・グループ名。アクティブでない場合は、オリジナル・ボリューム・グループ ID。
PV RESTRICTION ボリューム・グループを構成する物理ボリュームに関する既存の PV タイプ制限を表示します。値 none は、ボリューム・グループの PV 制限が存在しないことを示します。値 SSD は、すべての PV が SSD タイプの PV であることを必要とする PV 制限がボリューム・グループにあることを示します。それ以外の値はサポートされません。
INFINITE RETRY ボリューム・グループの無限再試行オプションをリストします。
CRITICAL VG ボリューム・グループに対して Critical VG オプションがオンまたはオフのどちらになっているかをリストします。
FS SYNC OPTION 拡張ジャーナル・ファイルシステム (JFS2) がマウントされている場合に、論理ボリューム・マネージャーが、JFS2 のみによって割り振られたブロックを再同期するかどうかをリストします。
CRITICAL PVs ボリューム・グループのクリティカル PV オプションをリストします。この情報は IBM® AIX 7.2 with Technology Level 1 以降で使用可能です。
変更の始めENCRYPTION変更の終わり 変更の始めボリューム・グループのデータ暗号化オプションをリストします。 この情報は AIX 7 (7200-05 適用) 以降で使用可能です。変更の終わり

  1. すべてのアクティブ・ボリューム・グループの名前を表示するには、次のコマンドを入力します。
    lsvg  -o
  2. システム内のすべてのボリューム・グループの名前を表示するには、次のコマンドを入力します。
    lsvg
  3. ボリューム・グループ vg02 に関する情報を表示するには、次のコマンドを入力します。
    lsvg vg02
    ボリューム・グループ vg02 の論理区画と物理区画について、特性と状況が表示されます。
  4. ボリューム・グループ vg02 内のすべての論理ボリュームの名前、特性、および状況を表示するには、次のコマンドを入力します。
    lsvg  -l vg02

ファイル

項目 説明
/usr/sbin lsvg コマンドが入っているディレクトリーが入っています。