chpv コマンド

目的

ボリューム・グループ内の物理ボリュームの特性を変更します。

構文

chpv [ -h hotspare ] [  -a allocation ] [ -v availability [-f]][ -c ] [ -p mirrorpool ] [ -P ] [ -m mirrorpool ] physicalvolume ... [ -C hdiskname ]

説明

chpv コマンドは、 割り当て許可を「割り当て可能」または「割り当て禁止」のどちらかに設定し、 アベイラビリティー状態を「使用可能」か「使用不可」のどちらかに設定することにより、 ボリューム・グループの物理ボリュームの状態を変更します。 またこのコマンドは、指定の物理ボリュームのブート・レコードを消去するのに使用することもできます。 物理ボリュームの特性は、該当のフラグを使って明示的に変更しない限り、有効な状態のままになっています。
注: このコマンドを使用するには、root 権限を持つか、system グループのメンバーでなければなりません。

このコマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) smit chpv 高速パスを使用しても実行できます。

フラグ

項目 説明
-a allocation physicalvolume パラメーターで指定された物理ボリュームに追加物理区画の割り当て許可を設定します。これは、物理ボリュームに、追加物理区画の割り当てを許可 (yes) するか、禁止 (no) するかのいずれかを設定します。allocation 変数は、以下のいずれかです。
y
物理ボリュームに対する追加物理区画の割り当てを許可します。
n
物理ボリュームに対する追加物理区画の割り当てを禁止します。物理ボリューム上の論理ボリュームにはアクセスできます。
-c 指定の物理ボリュームのブート・レコードを消去します。
-C hdiskname 所有するボリューム・マネージャーをディスクから消去します。このフラグは root ユーザーとして実行中の場合にのみ有効です。ディスクがインポートされた LVM ボリューム・グループの一部である場合、このコマンドは、所有するボリューム・マネージャーとしての LVM の消去に失敗します。
-f オープン論理ボリュームのある物理ボリュームにアクティブなページングまたはダンプ・デバイスがなければ、その物理ボリュームを強制的に使用不可に (除去) します。
-h hotspare 物理ボリュームのスペアリング特性を設定して、 物理ボリュームをホット・スペアとして使用できるようにします。 さらに、physicalvolume パラメーターで指定された物理ボリュームに物理区画の割り当て許可を設定します。 このフラグは、ミラーリングされていない論理ボリュームには何ら影響しません。 hotspare 変数は、以下のいずれかです。
y
ディスクを、所属するボリューム・グループ内のホット・スペア・ディスクとしてマーク付けして、 物理ボリュームへの物理区画の割り当てを禁止します。 ディスクは、ホット・スペア・ディスクとして正常にマークされる、 論理グループに割り当てられている区画を持つことを禁止されます。
n
ディスクが常駐しているボリューム・グループのホット・スペア・プールからディスクを除去し、 物理ボリュームに対して物理区画が割り当てられるようにします。
-m mirrorpool 指定されたディスクに割り当てられたミラー・プールの名前を、mirrorpool パラメーターの値に変更します。
-p mirrorpool 物理ボリュームをミラー・プールに割り当てます。 15 文字までの長さのミラー・プール名を指定できます。 ミラー・プールがボリューム・グループで有効になると、ミラー・プールを サポートしない AIX® のバージョン (AIX バージョン 6.1 より前) に、そのボリューム・グループをインポートすることはできなくなります。
-P 現在割り当てられているミラー・プールから物理ボリュームを除去します。 ミラー・プールから物理ボリュームを除去できるのは、ミラー・プールが有効になっている論理ボリュームに 割り当てられた区画が、物理ボリュームに存在する場合のみです。
-v availability 物理ボリュームのアベイラビリティーを設定します。アベイラビリティーをクローズに設定すると、物理ボリュームに対する論理入出力が停止されます。ファイルシステムや仮想メモリー・マネージャーによる物理ボリューム・データへのアクセスは停止されますが、システム管理コマンドは引き続き使用できます。 availability 変数は、以下のいずれかです。
a
物理ボリュームを論理入出力に使用できるようにします。
r
物理ボリュームを論理入出力に使用できないように (除去) します。ボリューム・グループの定足数を維持するために物理ボリュームが必要な場合は、エラーが発生して物理ボリュームがオープンされたままの状態になります。

  1. 物理ボリューム hdisk3 をクローズするには、以下のように入力します。
    chpv  -v r hdisk3
    この物理ボリュームは、-v a フラグが使用されるまでクローズされ、 論理入出力を受け入れなくなります。
  2. 物理ボリューム hdisk3 をオープンするには、以下のように入力します。
    chpv  -v a hdisk3
    これで、論理入出力に対して物理ボリュームがオープンされます。
  3. 物理ボリューム hdisk3 に対する物理区画の割り当てを停止するには、以下のように入力します。
    chpv  -a n hdisk3
    -a y フラグが使用されるまで、 物理区画を割り当てることはできません。
  4. 物理ボリューム hdisk3 のブート・レコードを消去するには、次のように入力します。
    chpv -c hdisk3

ファイル

項目 説明
/usr/sbin chpv コマンドがあるディレクトリー。
/tmp コマンド実行時に一時ファイルを格納するディレクトリー。