chlv コマンド

目的

論理ボリュームの特性だけを変更します。

構文

論理ボリュームの特性を変更する

chlv [ -a position ] [ -b badblocks ] [ -d schedule ] [ -R PreferredRead] [ -e Range ] [ -L label ] [ -o y | n ] [ -p permission ] [ -r relocate ] [ -s strict ] [ -t type ] [ -u upperbound ] [ -v verify ] [ -w mirrorwriteconsistency ] [ -x maximum ] [ -T O | F ] [ -U userid ] [ -G groupid ] [ -P modes ] [ -m copyN=mirrorpool ] [ -M copyn ] [ -O { y | n }] 変更の始め[ -k y | n ]変更の終わり logicalvolume ...

論理ボリュームの名前を変更する

chlv -n newlogicalvolume logicalvolume
注:
  1. ログ論理ボリュームの名前を変更するには、 そのログを使用する各ファイルシステム上で chfs -a log=LVName を実行する必要があります。
  2. 論理ボリュームにファイルシステムがマウントされている場合、そのファイルシステムは、JFS2 ファイルシステムである場合にのみ、新しい論理ボリューム名を用いて自動的に更新されます。 その他のすべてのファイルシステム・タイプの場合は、新しい論理ボリューム名を用いてファイルシステムを更新するために、chlv コマンドの完了後に unmount および mount オプションを実行する必要があります。
  3. 論理ボリュームの正しくないブロック再配置ポリシーは、4 KB ブロックの物理ボリュームで作成されたボリューム・グループではサポートされません。

説明

-a-e-s、および -u フラグを使用して行った変更が有効になるのは、新しい区画を割り当てるか、区画を削除したときだけです。その他のフラグは、ただちに有効になります。

論理ボリュームの名前を変更するには、-n フラグを使用し、newlogicalvolume パラメーターを使って新しい論理ボリューム名を表します。この構文では、他のフラグを使用しないでください。

変更される論理ボリュームが入っている ボリューム・グループ が大きな vg フォーマットになっている場合、UG、および P フラグを使用して、それぞれ特殊デバイス・ファイルの所有権、グループおよび許可を設定することができます。 root ユーザーのみがこれらの値を設定することができます。 ボリューム・グループ をエクスポートする場合、importvg コマンドに R フラグが指定されていれば、これらの値はインポートのときに復元することができます。
注:
  1. 論理ボリュームに対して行った変更は、 ファイルシステムに反映されません。ファイルシステムの特性を変更するには、 chfs コマンドを使用します。
  2. このコマンドを使用するには、root 権限を持つか、system グループのメンバーでなければなりません。
  3. あるディスクに同時アクセスする複数のアクティブ・ノードを使用した並行 セットアップでは、Mirror Write Consistency (MWC) と Bad Block Relocation (BBR) はサポートされません。 この 2 つのオプションは、このタイプの並行セットアップでは使用不可にしなくてはなりません。

このコマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) smit chlv 高速パスを使用しても実行できます。

PowerHA® クラスターでのこのコマンドの動作については、 「PowerHA SystemMirror® Administration Guide」7.1 以降の 『Administering a PowerHA cluster』を参照してください。

フラグ

注:
  1. ストライピングされた論理ボリュームの特性を 変更するときは、-d フラグおよび -e フラグは 無効です。
  2. スナップショット・ボリューム・グループ内、またはスナップショット・ボリューム・グループを持つボリューム・グループ内の論理ボリュームの特性を変更する場合、フラグ -a-b-d-e-G-k-o-P-r-t-U-u-v-w-x、および -s は無効です。
  3. フラグ -b-o-p-v-w-T、および -M を指定して chlv コマンドを実行するには、論理ボリュームを閉じる必要があります。
項目 説明
-a position 物理ボリューム内割り当てポリシー (物理ボリューム上の論理区画の位置) を設定します。position 変数は、 以下のいずれかによって表されます。
m
各物理ボリュームの外側の中央部分に論理区画を割り当てます。これがデフォルトの位置です。
c
各物理ボリュームの中央部分に論理区画を割り当てます。
e
各物理ボリュームの外側の端の部分に論理区画を割り当てます。
ie
各物理ボリュームの内側の端の部分に論理区画を割り当てます。
im
各物理ボリュームの内側の中央部分に論理区画を割り当てます。
-b badblocks 不良ブロックの再配置ポリシーを設定します。badblocks 変数は、以下のいずれかによって表されます。
y
不良ブロックの再配置を実行します。
n
不良ブロックの再配置の実行を禁止します。
-d schedule 2 つ以上の論理区画が書き込まれるときに、スケジューリング・ポリシーを設定します。 ストライピングされた lv をミラーリングするには、並列または順次を使用しなければなりません。 schedule 変数は、以下のいずれかによって表されます。
p
並列スケジューリング・ポリシーを設定します。
ps
順次読み取りポリシーによる並列書き込み。 ミラーは、すべて並列で書き込まれますが、 最初のミラーが使用可能であれば、常に最初のミラーから読み取られます。
pr
ラウンドロビン読み取りによる並列書き込み。 このポリシーは、論理ボリュームへの読み取りのスプレッドを、すべてのミラー間でより平均的に行う 点を除き、並列ポリシーと同じです。
s
順次スケジューリング・ポリシーを設定します。

並列厳密性または順次厳密性のポリシーを指定する場合は、 超厳密性には s を設定してください。

注: -R フラグは、-d フラグの読み取りポリシーを上書きします。優先コピーが使用可能でない場合、読み取りはスケジューリング・ポリシーに従います。
-R PreferredRead 論理ボリュームの優先読み取りコピーを変更します。優先コピーが使用可能な場合、常に優先コピーから読み取りを行います。 優先コピーが使用可能でない場合、読み取りは論理ボリュームのスケジューリング・ポリシーに従います。 PreferredRead 変数の値は 0 から 3 の範囲に指定できます。PreferredRead 変数を 0 に設定すると、論理ボリュームの優先読み取りコピーが使用不可になります。
-e range 物理ボリューム内割り当てポリシー (最適割り当てとなるような複数のボリュームを使用して、 拡張する物理ボリューム数) を設定します。 range 変数の値は、 -u フラグで設定される upperbound 変数により制限され、 以下のいずれかによって表されます。
x
論理区画を最大数の物理ボリューム間で割り当てます。
m
論理区画を最小数の物理ボリューム間で割り当てます。
-G groupid 論理ボリューム・スペシャル・ファイルのグループ ID を指定します。
変更の始め-k y|n変更の終わり 変更の始め論理ボリュームのデータ暗号化オプションを変更します。 ベスト・プラクティスとしては、hdcryptmgr コマンドを使用して論理ボリュームの暗号化オプションを変更してください。 このフラグに指定できる値は以下のとおりです。
y
論理ボリュームのデータ暗号化オプションは有効です。 論理ボリュームにアクセスするには、論理ボリュームの 1 次鍵が初期化されていなければなりません。 論理ボリュームの 1 次鍵を初期化し、論理ボリュームのデータを暗号化するには、hdcryptmgr plain2crypt コマンドを使用してください。
n
論理ボリュームのデータ暗号化オプションは無効です。 論理ボリュームの暗号化データを復号するには、hdcryptmgr crypt2plain を使用してください。
注:
  • 論理ボリュームのデータ暗号化オプションを有効にするには、その前にボリューム・グループ・レベルでデータ暗号化オプションが有効になっていなければなりません。
  • 並行モードでボリューム・グループがオンに変更された場合、-k フラグは使用できません。
  • -k フラグは、論理ボリューム・タイプ bootdumppaging、および aio_cache ではサポートされていません。
変更の終わり
-L label 論理ボリューム・ラベルを設定します。label 変数の最大サイズは 127 文字です。
-m copyN=mirrorpool 論理ボリュームのコピーに対してミラー・プールを有効にします。 N はコピー番号 (1、2、または 3) です。ミラー・プールは、copyN=mirrorpool パラメーターを使用して コピーに割り当てられます。 論理ボリュームの各コピーに対してミラー・プールを指定してください。 複数の copyN=mirrorpool ペアを指定するには、 複数の -m copyN=mirrorpool フラグを指定してください。
-M copyn この論理ボリューム用に指定されたコピー上でミラー・プールを無効にします。copyn 変数は、コピー番号 (1、2、または 3) です。この変数は、ミラー・プールを使用不可にするコピーを指定します。 複数のコピー上でミラー・プールを使用不可にするには、 複数の -M copyn フラグを指定してください。
-n newlogicalvolume 論理ボリューム名を newlogicalvolume 変数で指定されたものに変更します。論理ボリューム名はシステム全体で固有の名前でなくてはならず、1 文字から 15 文字まで使用できます。
-o y | n 重複入出力のシリアライゼーションをオン/オフにします。シリアライズをオンにした場合、1 ブロック範囲での入出力の重複は許されず、任意の 1 時点にブロック範囲内の入出力が 1 つだけ処理されます。ファイルシステムやデータベースのようなほとんどのアプリケーションがシリアライゼーションを行うので、シリアライゼーションは off にする必要があります。 新規論理ボリュームのデフォルトは off です。
-O y | n 論理ボリュームの無限再試行オプションを変更します。
n
論理ボリュームの無限再試行オプションを使用不可にします。 論理ボリューム上で失敗した入出力は再試行されません。
y
論理ボリュームの無限再試行オプションを使用可能にします。 失敗した入出力要求は、成功するまで再試行されます。
注:
  1. アクティブ・ミラーリング書き込みの整合性が設定されている場合、LV に対する無限再試行オプションは無視されます。アクティブ・ミラーリング書き込みの整合性をオンにした状態で論理ボリュームのために働くようにするには、無限再試行オプションをボリューム・グループ・レベルで使用可能にする必要があります。
  2. 無限再試行オプションは GLVM 環境ではサポートされません。
-p permission アクセス権を読み取り/書き込み、または読み取り専用に設定します。 permission 変数は、以下のいずれかによって表されます。
w
アクセス権を読み取り/書き込みに設定します。
r
アクセス権を読み取り専用に設定します。
注: 読み取り専用論理ボリュームへの JFS ファイルシステムのマウントは、サポートされません。
-P modes 論理ボリューム・スペシャル・ファイルのアクセス権 (ファイル・モード) を指定します。
-r relocate 再編成フラグを設定して、再編成中の論理ボリュームの再配置を許可または禁止します。relocate 変数は、 以下のいずれかによって表されます。
y
再編成時の論理ボリュームの再配置を許可します。論理ボリュームがストライプ化されると、chlv コマンドを実行しても再配置フラグを y に変更できません。
n
再編成時の論理ボリュームの再配置を禁止します。
-s strict 厳密な割り当てポリシーを決定します。 論理区画のコピーの割り当てでは、同じ物理ボリュームの共用を許可または禁止することができます。 strict 変数は、以下のいずれかによって表されます。
y
厳密な割り当てポリシーを設定します。したがって、論理区画のコピーは、同一物理ボリュームを共有することはできません。
n
厳密な割り当てポリシーを設定しません。したがって、論理区画のコピーは、同一物理ボリュームを共用できます。
s
超厳密割り当てポリシーを設定して、 1 つのミラー用に割り当てられた区画が、 別のミラーからの区画を持つ物理ボリュームと共用できないようにします。
注: 非超厳密論理ボリュームを超厳密論理ボリュームに変更する場合は、-u フラグを使用する必要があります。
-t type 論理ボリューム・タイプを設定します。最大サイズは、31 文字です。 論理ボリュームがストライプ化されると、type を boot に変更できません。
-T O | F -T O オプションは、論理ボリューム・コントロール・ブロックは論理ボリュームの最初のブロックを占有しないことを示します。したがって、そのスペースはアプリケーション・データに使用できます。アプリケーションは、このタイプの論理ボリュームを IOCINFO ioctl 操作と同一と見なすことができます。論理ボリュームのデバイス・サブタイプは DS_LVZ です。

このオプションを指定せずに作成した論理ボリュームのデバイス・サブタイプは DS_LV です。

ヒント: -T フラグが、報告されたサブタイプ以外の論理ボリュームの動作を変更することはありません。
-U userid 論理ボリューム・スペシャル・ファイルのユーザー ID を指定します。
-u upperbound 新たに割り当てるために物理ボリュームの最大数を設定します。 upperbound 変数の値は、1 から物理ボリュームの総数の間で指定してください。 超厳密性を使用するときは、上限は、各ミラー・コピーごとにそれぞれ許される 物理ボリュームの最大数を示します。ストライプ済みの論理ボリュームを使用する場合、上限は stripewidth の倍数でなければなりません。
-v verify 論理ボリュームに対する書き込み検査状態を設定します。これにより、論理ボリュームに対するすべての書き込みは、書き込み後の読み取りによる検査を受けるか、受けないかのどちらかになります。 verify 変数は、以下のいずれかによって表されます。
y
論理ボリュームに対するすべての書き込みは、書き込み後に読み取り検査されます。
n
論理ボリュームに対するすべての書き込みは、書き込み後に読み取り検査されません。
-w mirrorwriteconsistency
y または a
アクティブ・ミラー書き込み整合をオンにし、 通常の入出力処理をする際に、論理ボリュームのミラー・コピーにおけるデータの整合性を保証します。
p
パッシブ・ミラー書き込み整合をオンにし、 システム割り込み後にボリューム・グループを同期化する際に、 ミラー・コピーにおけるデータの整合性を保証します。
注: この機能はビッグ・タイプおよびスケーラブル・タイプのボリューム・グループでのみ使用可能です。
n
ミラー書き込み整合を行いません。syncvg コマンドの -f フラグを参照してください。
-x maximum 論理ボリュームに割り当てることのできる論理区画の最大数を設定します。

セキュリティー

RBAC ユーザーと Trusted AIX® ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権の詳細情報については、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドを参照してください。

  1. 論理ボリューム lv01 の物理間ボリューム割り当てポリシーを変更するには、以下のように入力します。
    chlv   -e m 
    lv01
    物理間ボリューム割り当てポリシーは最小に設定されます。
  2. 論理ボリューム lv03 のタイプを変更するには、以下のように入力します。
    chlv   -t copy  lv03
  3. 論理ボリューム lv03 の許可を読み取り専用に変更するには、以下のように入力します。
    chlv   -p r  lv03
    これで論理ボリューム lv03 は読み取り専用許可を得ます。
  4. 論理ボリューム lv03 用の物理ボリュームのタイプを paging に変更し、最大物理ボリューム数を変更するには、以下のように入力します。
    chlv  -t paging  -u 10 lv03
    論理ボリュームのタイプの変更はすぐに有効になりますが、 最大物理ボリュームの変更は、新規割り当てを行うまで有効になりません。
  5. 論理ボリューム lv07 の割り当て特性を変更するには、以下のように入力します。
    chlv  -a e  -e x  -r y  -s n  -u 5 lv07 
  6. 論理ボリューム testlvPreferredRead コピーを 3 に変更するには、次のように指定します。
    chlv -R 3 testlv

ファイル

項目 説明
/usr/sbin chlv コマンドが置かれているディレクトリー。