概説

IBM Z Development and Test Environment (ZD&T) は、z/OS® ディストリビューションをパーソナル・コンピューターまたはワークステーションの Linux 環境で実行します。Z メインフレーム・ハードウェアなしで、メインフレーム・アプリケーションのデモンストレーション、開発、テスト、および従業員教育のための環境を提供します。 z/OS、ミドルウェア、その他の z/OS ソフトウェアを Intel および他の Intel 互換のコンピューターで実行できるようにし、仮想入出力およびデバイスによって z/Architecture をエミュレートします。

重要: いかなる種類の実動ワークロードにも、ZD&T を使用することはできません。また、負荷の高い開発ワークロード、実動モジュールのビルド、実動前テスト、ストレス・テスト、およびパフォーマンス・テストに使用することもできません。
ZD&T は、以下の 3 種類のエディションで提供されています。
ZD&T Personal Edition
ZD&T Personal Edition を使用すると、単一のユーザーがパーソナル・コンピューター上で IBM® Z ディストリビューションを実行できます。 ZD&T Personal Edition について詳しくは、Personal Editionを参照してください。
ZD&T Enterprise Edition
ZD&T Enterprise Edition を使用すると、企業は安価な Intel ベースの x86 マシンで IBM Z ディストリビューションをホストできます。 Enterprise Edition では Web ベースのインターフェースを使用できます。既存の Z パッケージまたは ADCD パッケージからアプリケーション・イメージを抽出、デプロイ、および管理できます。ZD&T Enterprise Edition について詳しくは、Enterprise Editionを参照してください。
ZD&T Parallel Sysplex®
ZD&T Parallel Sysplex を利用すると、z/VM® 内で稼働する Sysplex 環境を使用可能にすることができます。 ZD&T Parallel Sysplex について詳しくは、Parallel Sysplexを参照してください。

以下の表で、3 つの ZD&T エディションの相違点を示します。

表 1. 3 つの ZD&T エディションの相違点
機能 Personal Edition Enterprise Edition Parallel Sysplex
ライセンス・タイプ USB
  • USB1
  • ソフトウェア・ベースのライセンス
  • 許可ユーザー単一セッション (AUSS)
  • Rational® トークン
  • USB1
  • ソフトウェア・ベースのライセンス
  • Rational トークン
シングル・ユーザー あり あり あり
複数のユーザー いいえ あり あり
スケーラブル2 いいえ あり あり
クラウド/VM のサポート3 いいえ あり あり
Web ベースのインターフェース いいえ あり いいえ
ネイティブ Linux インターフェース あり あり (上級 Linux ユーザーの場合) あり
データ・セット転送サポート いいえ あり いいえ
ボリューム転送サポート いいえ あり いいえ
IBM AD との統合 いいえ あり いいえ
OpenStack クラウド・サポート いいえ あり いいえ
注:
  1. ZD&T Enterprise Edition および Parallel Sysplex の USB ライセンス交付の販売は終了しています。 Enterprise Edition および Parallel Sysplex の USB ライセンスを過去に購入していない場合、このタイプのライセンスを現在購入することはできません。 USB ライセンスを過去に購入した場合は、サポートが終了するまでそのライセンスを引き続き使用できます。
  2. ZD&T 環境を拡張するには、それ専用に使用できる十分なリソース・バリュー・ユニット (RVU) または中央処理装置 (CP) を用意する必要があります。 また、ご使用の Linux ハードウェアでサポートしている必要もあります。
  3. ZD&T Enterprise Edition および Parallel Sysplex は、クラウドと VM で機能させることができます。 ベースとなるハードウェアが、クラウド・サービス・プロバイダーによって変更されないようにする必要があります。 すべての ZD&T エディションを確実に機能させるために、CPU またはハード・ディスクを静的エンティティーとする必要があります。