OLTP(オンライン・トランザクション処理)は、高速かつ正確なデータ処理を実現するもので、ATM、オンライン・バンキング、レジ、e-コマースなど、日々利用されるさまざまなサービスの背後で実行されています。
OLTP(オンライン・トランザクション処理)は通常、インターネット経由で多数の人により実行される膨大なデータベース・ トランザクションを、リアルタイムで処理できるようにするものです。
データベース・トランザクションとは、データベース上のデータの変更、挿入、削除、照会を意味します。 OLTPシステム(およびOLTPシステムが処理するデータベース・トランザクション)は、日々実行される金融トランザクションの多くを担っています。例えば、オンライン・バンキングやATMでのトランザクション、e-コマースや実店舗での購入処理、ホテルや航空券の予約処理もこれにあたります。 いずれの例においても、データベース・トランザクションの記録は同時に、金融トランザクションの履歴として残ります。 OLTPはまた、パスワードの変更やSMSメッセージの送信など、金銭のやり取りではないデータ処理においても活躍しています。
OLTPでは基本的に他のデータベース・トランザクションと同様、各トランザクション(分割できない最小単位 のもの)の結果は、成功、失敗、キャンセルのいずれかとなります。 保留中にする、あるいは処理の途中で止めるということができません。
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OLTPシステムでは一般的に、以下を実現できます。
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OLTPは、OLAP (オンライン分析処理)とよく混同されます。 しかし、似ているのは略語と、またいずれもオンラインの データ処理システムであるという点のみです。
OLTPは、データベースのオンライン・トランザクション処理向けに最適化されたものです。 OLTPシステムは、フロントラインのスタッフ(レジ係、銀行の窓口係、パートタイムのホテル・フロント係など)や、カスタマー・セルフサービス・アプリケーション(オンライン・バンキング、e-コマース、旅行の予約など)向けに設計されています。
一方、OLAPは複雑なデータ分析向けに最適化されています。 OLAPシステムはデータ・サイエンティストやビジネス・アナリスト、ナレッジ・ワーカー向けに設計されたもので、ビジネス・インテリジェンス(BI)、データ・マイニングなどの意思決定支援アプリケーションをサポートします。
当然、技術的にもOLTPシステムとOLAPシステムには違いが多々あります。相違点は次のとおりです。
OLTPシステムはOLAPシステムの情報ソースとしてよく使用される、というのも大切なポイントです。 そして多くの場合、OLAPを使用した分析の目的は、ビジネス戦略の改善や、ビジネス・プロセスの最適化です。これらの成果は、OLTPシステムの改善につながるものです。
この2つのシステムの違いについて詳しくは、「OLAPとOLTPの相違点(英語)」を参照してください。
Db2 Database
Informix
OLTPシステムは、インターネットおよびe-コマースの草創期に誕生しましたが、今ではどこにでも見られる存在となりました。 現在は、ほぼどの業種や垂直市場においても、一般消費者向けのシステムの多くで活用されています。 日常的に使用されるOLTPシステムの例としては、次が挙げられます。
データベース・マネジメント
リレーショナル・データベース
IBMの先進的かつトランザクション指向のアプリケーション管理ソフトウェアは、メインフレーム時代、またたく間に業界標準となりました。 今日、IBMはエンタープライズ・クラスのデータ管理ソリューションを提供しています。このソリューションは、AI駆動で、クラウドネイティブ・アーキテクチャー向けに設計され、トランザクション・ワークロード用に最適化されたものです。
IBM Db2は、リレーショナル型のマルチモーダル・データベースで、構造化データと非構造化データの両方に対する高度な管理機能および分析機能を提供します。また、OLTPなど多様なワークロードの処理を実現します。 つまり、Db2を活用するとOLAPクエリをトランザクション型データベースで直接実行することが可能となります。これは、本番システムでの使用に合わせて最適化されたもので、OLTPデータベースとOLAPデータベースの長所を一つにまとめた、高性能かつ効率に優れたデータストアです。
IBM Informixは、自己管理機能搭載のスケーラブルで組み込み可能なデータベースで、OLTPやモノのインターネット(IoT)のデータ用に最適化されたものです。 その多様性と使いやすさにより、エンタープライズ・データウェアハウスから個々のアプリケーション開発まで、幅広い環境に適したソリューションとなっています。
また、IBM Cloud Pak for Dataは、ハイブリッド環境とマルチクラウド環境にまたがって存在するデータの統合を包括的でインテリジェントなプラットフォームで実現し、データ分析の活用方法を全社的にモダナイズします。 このオープンで拡張性の高いAIデータプラットフォームは、どこでも稼働可能で、データに基づくインサイトを提供し、意思決定の強化やイノベーションの加速に貢献します。
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