Qiskit Advocateの応募期間が始まっています

量子コンピューター

Qiskit advocateプログラムへの応募期間が始まっています

量子コンピューティングの未来を作るコミュニティーにぜひご参加ください。

IBM®は、Qiskit advocateプログラムを刷新していますこの新しいプログラムは、量子コンピューティングの未来を一緒に作ることにご興味がある個人の皆様に新しい機会をご提供します。ぜひ多くの皆様のご参加をお待ちしています。

Qiskit advocate (アドボケイト)プログラム・バージョン2.0の詳細について、Qiskit YouTube チャンネルの新しいビデオをご覧ください。

2019年から始まったQiskit advocateプログラムは、世界中から量子コンピューティングの専門家や愛好家を集めて行う、コミュニティー活動が中心のグローバルな取り組みです。これまで長年にわたり、advocateたちは量子コミュニティーのリーダーとして認められてきました。しかし、量子コンピューティングは急速に進化していますので、私たちの取り組みはそれに歩調を合わせて変化・成長しなければなりません。そのために量子コミュニティーの新世代リーダーに新しいリソースと新しい道を提供する、それが私たちがバージョン2.0へとQiskit advocateプログラムを刷新する理由です。

量子研究の推進や、量子ソフトウェアの構築、量子情報科学の指導などに携わっていらっしゃる方に対しても、あるいは量子キャリアをいま始めているという方に対しても、このプログラムはその量子の旅を支援し、量子コンピューティング世界全体に向かってその声を響かせるサポートをします。

Qiskit advocateプログラムとは?

Qiskit advocateプログラムは、Qiskitエコシステムに積極的に意義ある貢献をした個人を認定し、支援するグローバル・コミュニティーの取り組みです。

バージョン2.0ではこれまでのプログラムをさらに推し進めるために新しいリソースが追加されています。たとえば、メンターシップ、教育、仲間や業界の専門家とのネットワーキング、このプログラムならではのユニークな機会、カスタマイズされたサポート、そして戦略的で階層的な構造を通じて昇格と認定を行うという明確な道筋などです。こういった、Qiskitオープンソース・コミュニティーの意欲的なリーダーの力になるように設計されているリソースは、advocateの量子業界での成長をサポートします。

Qiskit Youtubeチャンネルの新しいビデオで、更新されたQiskit advocateプログラムの詳細をご覧ください。

Advocateの旅をサポートする仕組み

新しい Qiskit advocate プログラムでは、すべてのadvocateは、基本レベル (ティア 0) のコア・オンボーディングとトレーニングから始めます。このレベルでは、Qiskit advocateセミナー・シリーズや Qiskit advocateライブラリーなどの専用リソースで、スキルアップの機会を得ることができます。

Advocateは、講演を行ったり、Qiskitに貢献したり、そのほか特定の活動に参加したりして、技術を向上したりコミュニティーに貢献すると、ポイントを獲得することができます。そして指定されたポイントを超えて、さらにQiskit v2.xの資格を取得することで、advocateは次のティアにレベルアップします。

注:Qiskit SDK v2.x開発者認定は、 advocateプログラムのティア0を超えて進むための必須要件です。近日公開予定の新しい Qiskit SDK v2.x開発者認定の詳細については、IBM QuantumブログIBM Quantum LinkedInページでの情報掲載をお待ちください。

Advocateには全部で4つのティアがあります。(ティア間の関係を表す図を原文ブログでご覧ください)。ここでは、各ティアに進むことで得られる特典の一部をご紹介します。以下に列挙した特典はすべてを網羅しているわけではないことにご注意ください。

  • ティア0 advocate:専用Discordコミュニティーで、志を同じくする仲間とコミュニケーションすることができます。また、IBM Quantumのフラッグシップ・イベントでメンターを務めることができます。
  • ティア 1 advocate:IBM Quantumコミュニティーのウェブ・ページに公式 advocateとして掲載します。公式のグッズを受け取り、有名な Qiskit Advocate Mentorship Program (QAMP) に参加することができます。
  • ティア 2 advocate:その年の Credlyアカンプリッシュメント・バッジを獲得し、Qiskit の新機能と教育コースのベータ・テストの資格を得ます。
  • ティア 3 advocate:IBM QPUへのアクセスを毎月30分追加で獲得します。

すべてのティア特典の詳細な内訳は、認定後にご案内します。

資格基準と申請方法

Qiskit advocateプログラムに申し込むには、次のうち少なくとも一つを取得する必要があります。

  1. Basics of Quantum Informationバッジ
  2. Fundamentals of Quantum Algorithmsバッジ
  3. Qiskit Global Summer School 2025 Quantum Excellenceバッジ

Qiskit advocateプログラムに申し込む前に Qiskit v2.x認定を取得済みの場合は、ティア 0要件であるこれらのバッジの取得は不要です。しかし、ティア0からティア1に進むには、ポイントを獲得し、基本的なQiskit advocateトレーニングを完了する必要があります

上述のバッジのいずれかがあれば、Qiskit advocateフォームに記入して提出できます。もしすでにお持ちであれば、 すぐにご応募いただけます!

応募の際には、Qiskitエコシステム/コミュニティーへのこれまでの貢献と応募の動機についてご記入いただくことをお勧めします。

Qiskit advocateプログラムへの申請は一年を通して可能で、審査は毎月あります。

応募していただきたい対象者

IBMと協力して量子コンピューティングの進歩を加速し、Qiskit エコシステムを拡大することに情熱を注いでいる方に、Qiskit advocateプログラムは最適です。

以下のいずれかに該当する場合は、このプログラムへの参加をぜひご検討ください。

  •  量子コンピューティングを学び、業界でのキャリアを模索している自発的な学習者/学生
  • 量子ソフトウェアとハードウェアを使用して特定のユースケースの問題を解決したり、量子コンピューティングをさらに進める量子アルゴリズムを開発たりしている研究者
  • 量子を自分の仕事や組織に統合するソフトウェア開発者
  • ハンズオン用の学習ツールを使って、理論的あるいは実践的なアプリケーションについて量子コンピューティングを教える教育者

Qiskit advocateは、プログラムの設立以来、量子コンピューティングの世界と Qiskit エコシステムに不可欠な役割を果たしてきました。Advocateはオープンソースに貢献し、IBM Quantumの主力イベントで参加者のメンターを務め、ワークショップを主導し、地元のイベントを主催しています。そしてそれによってadvocateは特典を得てきました。特典のほんの一部を挙げるならば、Qiskit advocateプログラムの仲間とのグローバルなコラボレーションや、一部のIBM Quantumツール/リソースへの早期アクセスやプレミアム・アクセスです。

現在、50か国で540人以上のQiskit advocateが、世界の量子技術者に刺激を与え、教え、育成し、成長させるために活動しています。そして多くの方が、論文の発表や、主要な機関や新興企業への就職といった目覚ましい成功を収めています。Qiskit advocateの中には IBMに入社するという形で、その情熱やスキル、コミュニティーへの貢献がキャリア機会につながることを身をもって証明している人もいます。

ご興味を持たれましたでしょうか?今こそ、応募の準備を始める絶好の機会です!こちらをクリックして詳細を確認し、今すぐ Qiskit advocateになるためにお申し込みください。

この記事は英語版IBM Researchブログ「Applications are open for the Qiskit advocate program」(2025年7月28日公開、Radha Pyari Sandhir、Astri Cornish、Robert Davis著)を翻訳し一部更新したものです。

協力者

沼田 祈史

IBM Quantum, 量子人材開発, Qiskit Advocate 大学での授業、量子コミュニティー、量子プログラミングコンテストなどを中心に量子人材の育成を行う。

立花 隆輝

東京基礎研究所 シニア・テクニカル・スタッフ・メンバー