データ戦略の実現

データ戦略が整ったら、リスクの軽減、運用効率と組織の収益成長率の向上に役立つデータ・アーキテクチャーを実装するときです。 その秘訣は、従業員が自分でデータを見つけて探索できる環境を作り、革新的でデータ駆動型の意思決定を形作る洞察を明らかにできるように従業員を支援することです。

では、複雑なハイブリッド・マルチクラウドのデータ環境全体でデータ戦略をどのように実践しますか。

構想を実行に移すということは、データを最大限活用できるように、すべてのデータがどこにあるか確認できる、適切なテクノロジー・アーキテクチャーを導入することを意味します。 存在する場所に関わらずデータにアクセスする方法を作ることで、ビジネスを前進させる洞察を獲得すると同時に、コンプライアンス、セキュリティーとガバナンスのリスク、規制要件の要求を管理することができます。

IBMのデータおよびAI製品ポートフォリオ担当のVP兼Distinguished EngineerであるJay Limburnは、「これまで、個別のポイント・ソリューションでこうした懸念の一部に対応することができましたが、より堅固なソリューションの必要性が急速に明らかになってきました。つまり、さらなる課題を容易に解決するための方法を提供しながら、企業で最も差し迫ったデータとAIの課題に対応できるソリューションです。そうしたソリューションは、統合されたデータ・ファブリック・アーキテクチャーに基づきます」と述べています。

68%

使用されないエンタープライズ・データの割合¹

80%

データのクリーニング、統合、準備に費やされる時間の割合²

データ・ファブリックが選ばれる理由

データ・ファブリックは、組織内のデータ・アクセスを簡素化するためのアーキテクチャー・アプローチです。 これにより、インテリジェントで自動化された複数のシステムを通じ、さまざまなデータ・パイプラインとクラウド環境をエンドツーエンドで統合する方法を実現します。

最近まで、ほとんどの組織は特定の事業部門に合わせてデータを個別に保存していました。 HRのデータ、顧客サービスのデータ、経理のデータはそれぞれ別の場所に保管されてきました。 当然重複が発生する可能性があるにもかかわらず、データは別々の環境に存在していました。

データ・ファブリックは複数のデータ・ソースをまとめ、既存のテクノロジーを置き換えるのではなく拡張し、データ環境のすべてのポイントにわたって一元的なアクセスを提供します。 データ・ファブリックでは、エンドツーエンドの管理機能を使用して、ビジネス・ユーザーがデータを活用できるように、さまざまな種類のデータの結合、アクセス、管理を確実に行えるようにします。

このデータとAIに対する包括的なアプローチにより、エンタープライズの資産としてのデータ利用が向上します。 データ・ファブリック・アーキテクチャーを使用すると、所有しているデータを検出し、それをさまざまな場所で処理し、収集、保存、分析し、AIを大規模に運用することができます。

「データ・ファブリックは、データの利用者をデータのソースに結び付けます。 しかし、ここでユニークなのは、その接続レイヤーが常に管理され、常に保護され、プライバシーとコンプライアンスのルールに従っていることです」と、IBMのデータおよびAIの製品リーダーである、Priya Krishnanは述べています。

データ・ファブリックの説明

データ・ファブリックの説明(13:33)

データ・ファブリックがデータ・ストア、データウェアハウス、データレイクにどのように適合するかをご覧ください。

エンド・ユーザーがデータの利用とコラボレーションを簡単に行えるように、セルフサービスのデータ・アクセスを有効にすることで、新しい洞察を得ることができます。

アクティブなメタデータでデータ・ガバナンス、保護、セキュリティー・タスクを自動化することにより、効率を高めます。

ハイブリッド環境とマルチクラウド環境にわたってデータを統合して1つにまとめることで、全体像を把握します。

データ・ファブリックかデータ・メッシュか

ここまでデータ・ファブリックについて述べてきました。 しかし、データ・メッシュについてはどうでしょうか。これは、エンタープライズ全体でのデータの利用を合理化するもう1つのアプローチです。 データ・メッシュは分散型データ・アーキテクチャーであり、特定のデータ・セットの作成者の所有権を拡大することで、特定のビジネス・ドメイン(マーケティング、販売、サプライ・チェーンなど)ごとにデータを整理します。

データ・ファブリックとデータ・メッシュはどちらも、ハイブリッド・マルチクラウドのエコシステムにおいてビッグデータとそれに関連したデータ・プラットフォームを使用する際の複雑さに対応する、新しいデータ管理の概念です。 幸いなことに、両方のデータ・アーキテクチャーの概念は、不足する部分を互いに補います。 それぞれが、統一されたセマンティック・システムでデータをまとめて分析するという問題を解決するように設計されています。 データ・メッシュの多くのコンポーネントもデータ・ファブリック内にあるため、データ・ファブリックはアプローチを採用する際のより柔軟な選択肢になります。

アーキテクチャーを探索する

データ・ファブリックを構築する際の重要な最初のステップは、組織に価値をもたらす特定のユースケースを特定することです。 マルチクラウド・データ統合、データ・ガバナンスとプライバシー、MLOpsと信頼できるAI、あるいは包括的な顧客の360度ビューなどのユースケースから始めて、アジャイル開発のMVPにより、短期間で成果を得られるよう段階的な構築を行うことができます。 これは、長期的なデータ戦略を実行しながら、進行中の成果を実証するために役立ちます。

データ・ファブリックの図をダウンロードする(PDF、102 KB)

データ戦略の設計

発想から実行まで、6つのステップでデータ駆動型の組織を構築します。

脚注

¹ 「Rethink Data: Put More of Your Business Data to Work – From Edge to Cloud」、Seagate Technology社、2020年7月
²「Data Integrity Trends: Chief Data Officer Perspectives in 2021」、Corinium社、2021年7月