従業員はデータに基づいた意思決定を行う必要がありますが、データがサイロ化されていることが非常に多くあります。組織のニーズやユースケースを深く理解することで、チームを強化し、エコシステム全体で機能するデータ・アーキテクチャーを設計できます。
最も一般的なデータのユースケースと課題は、データ統合、データ・ガバナンス、データ・オブザーバビリティー(可観測性)、データ・カタログ、データ・オーケストレーション、Master Data Managementなどです。それぞれの詳細と、最新のデータ・アーキテクチャー(データ・ファブリックなど)がデータ駆動型企業の形成にどのように役立つかを説明します。
IBM、全社的なデータ共有を可能にするData Product Hubを発表
データ共有、データ統合、およびガバナンスを最適化する新機能を備えたIBM Cloud Pak for Data 5.0が登場
インテリジェントなデータ・ファブリックとは
エンタープライズAIには、適切なデータ基盤の上に構築された信頼できるデータが必要です。IBMのデータ・ファブリックを使用すれば、データ統合機能やデータ・ガバナンス機能を利用してAIに適したデータ基盤を構築し、AI開発者がwatsonx.aiとwatsonx.dataを使用して容易にデータにアクセスできるようにする前に、データを取得、準備、整理できます。IBM DataStageをプレミア取り込みソリューションとして活用して、watsonx.dataレイクハウスにデータを取り込むことができます。
データ・ファブリックは、組織独自のワークフローにおいて、データ・アクセスを簡素化し、セルフサービスのデータ消費を促進するためのアーキテクチャー・アプローチです。エンドツーエンドのデータ・ファブリック機能には、データ・マッチング、オブザーバビリティー、Master Data Management、データ品質、リアルタイムのデータ統合などが含まれ、これらはすべて現在の技術スタックを入れ替えることなく実装できます。データ製作者が日常業務を簡素化する場合も、データ・エンジニア、データ・サイエンティスト、ビジネス・ユーザーがセルフサービスでデータを利用する場合も、データ・ファブリックは洞察や優れた意思決定に必要なデータを準備して提供します。
IBMのデータ・ファブリックは、信頼できるデータ基盤を組織に提供し、さまざまなデータ統合スタイルを採用して、AIワークフローに信頼性の高いデータを提供することで、お客様がデータ・ガバナンス機能と品質機能を活用し、データ検出、改善、保護を自動化できるようにします。このアーキテクチャーは構成可能であるため、IBMはお客様がデータに関する取り組みのどの段階にいても対応することができます。
IBM Global Chief Data Officeは、データとAIの統合プラットフォームを活用して、ビジネス・パイプラインを3年間で50億米ドル増加させました。
Luxembourg Institute of Science and Technologyは、企業や研究者を支援するため、データ配信を高速化した先進のプラットフォームを構築しました。
State Bank of Indiaは、高速で安全なデータ統合機能を備えたインテリジェントなプラットフォームを設計することで、顧客体験を変革しました。
抽象化層で、データ処理に対するビジネス上の共通理解を可能にし、洞察に基づいて行動するための自動化を実現します。
データ・ポリシーに基づいてデータの抽出、取り込み、ストリーミング、仮想化、非構造化データの変換を行うための多様な統合手法により、ストレージとコストを最小限に抑えながらパフォーマンスを最大化します。
セルフサービスのデータ使用に対応するマーケットプレイスで、高品質なデータを検索、連携、アクセスできます。
データ・ファブリック・アーキテクチャーのさまざまな機能を構成、構築、テスト、展開する、エンドツーエンドのライフサイクル管理を実現します。
ビジネスですぐに役立つデータ・パイプラインにするために、データ・ポリシー、データ・ガバナンス、データ・セキュリティー、データ・スチュワードシップを統一して定義し、施行します。
ハイブリッドクラウド環境向けに構築された、AIを組み込んだコンポーザブル・アーキテクチャーを採用しています。
IBMが2024年Gartner Magic Quadrant for Augmented Data Quality Solutionsのリーダーとして選出された理由をご覧ください。
IBMは、2023年Gartner Magic Quadrant for Data Integration Toolsで、18年連続でリーダーに選出されました。
データ・ファブリック・アーキテクチャーは、ハイブリッド環境とマルチクラウド環境全体で管理されたデータを提供し、イノベーションと成長を促進します。
データ・ファブリックとデータ・メッシュは共存できます。データ・ファブリックは、データ・プロダクトの作成とそのライフサイクル管理に必要な多くのタスクを自動化することで、データ・メッシュの実装と活用に必要な機能を提供します。データ・ファブリックの基盤の柔軟性を利用することで、データがオンプレミスにあるかクラウドにあるかに関係なく、ユースケース中心のデータ・アーキテクチャーを活用しながら、データ・メッシュを実装できます。
詳細はこちら: Three ways a data fabric enables the implementation of a data mesh
データ仮想化は、データ・ファブリックのアプローチを可能にするテクノロジーのひとつです。標準的な抽出、変換、ロード(ETL)プロセスを使用して、さまざまなオンプレミスやクラウドのソースからデータを物理的に移動するのではなく、データ仮想化ツールがさまざまなデータ・ソースに接続し、必要なメタデータのみを統合して、仮想データ層を作成します。これにより、ユーザーはソース・データをリアルタイムで活用できます。
データは複雑化し続け、組織が情報にアクセスすることが困難な場合も多々あります。このようなデータにはまだ見ぬ洞察が含まれており、結果としてナレッジ・ギャップが発生します。
データ・ファブリック・アーキテクチャーのデータ仮想化機能は、このナレッジ・ギャップの解消に役立ちます。企業はソースにあるデータを移動することなくアクセスでき、高速で精度の高いクエリー機能によって価値実現までの時間を短縮できます。
データ管理ツールはデータベースから始まり、ビジネス上の問題が複雑化するにつれて、データウェアハウスやデータレイクへと進化してきました。データ・ファブリックは、これらのツールの進化における次のステップです。このアーキテクチャーにより、データ管理を簡素化しながら、これまで投資してきたさまざまなデータ・ストレージ・リポジトリーを引き続き使用できます。データ・ファブリックは、ストレージ・リポジトリーではできない方法で、データ統合を自動化し、ガバナンスを組み込み、セルフサービスのデータ利用を促進することにより、データの可能性を最適化し、データ共有を促進し、データ・イニシアチブを加速するのに役立ちます。
詳細はこちら:エンタープライズ・データ・アーキテクチャーの進化