多くの中国の自動車企業は、一般的な研究開発ツールと高度な情報化を特徴とする包括的な研究開発システムを構築しています。しかし、依然として研究開発プロセスの長期化や、新しい自動車ライフサイクルへの適応の難しさといった問題に直面しています。研究開発プロセスを最適化し、研究開発の効率を向上させるためには、共同研究開発が欠かせません。顧客のニーズと業界のトレンドが変化する中、イノベーションの反復とプロジェクトの納品が並行して速いペースで行われています。また、品質管理の難易度が増し、自動車メーカーはサプライヤーの品質トレーサビリティーに対してより高い基準を設定するという現状が見られています。
これは、世界有数の自動車サプライヤーであるYanfeng Autoの子会社、Yanfeng Electronic Technologyにとって課題でした。最近のプロジェクトでは、大手自動車の顧客がYanfeng Electronic Technologyに対し、AutomotiveSPICE認定(ヨーロッパの主要自動車メーカーが共同開発した自動車産業向けのプロセス評価モデル)を取得し、システム、ソフトウェア、アーキテクチャー設計、テストなどの顧客の要求に対応する詳細なトレーサビリティーを提供することを求めました。Yanfeng Electronic Technologyは、以前はスプレッドシートを使用していましたが、その程度の細かさでは顧客の需要を満たしておらず、コンテンツのメンテナンスも非効率的でした。このような観点から、Yanfeng Electronic Technologyは自社の研究開発能力と事業運営の改善を目指し、顧客ニーズの対応範囲とテスト・カバレッジが適切に満たされているかどうかを、可視化によって迅速に把握することに努めました。
IBM® Engineering Lifecycle Management(ELM)プラットフォームは、効率的な研究開発管理を実現するための市場をリードするソリューションであり、初期設計から最終的な車両検査および認証までのライフサイクル全体の開発管理を提供するシステムおよびソフトウェア・エンジニアリング管理ツールで構成されています。また、自動車のコンプライアンスおよびAutomotive SPICE(ASPICE)、ISO-26262、SOTIF、ISO/SAE 21434、WP.29などの規格で概説されている規制要件への準拠の管理にも役立ちます。
IBM ELMのトレーサビリティーに感銘を受けたYanfeng Electronic Technologyは、IBMと協力してより効率的なELMプラットフォームを構築することを選択しました。そして、現在は、次の3つのモジュールを使用してアプリケーション開発を調整し、その品質と機能を監視しています。
Yanfeng Electronic Technologyの主な目標は、IBM ELMを導入することにより、会社の製品の品質を包括的に向上させることです。IBM ELMは、要件管理、設計、テスト・ケースの品質を定量的に評価し、プロセス全体のデータ相関を実現することで、ソフトウェア製品の品質状況をリアルタイムで可視化することができます。
IBM Greater China Groupのセキュリティーおよびサステナビリティー・ソフトウェア・リーダーであるDeng Xiaohuiは次のように述べています。「伝統的な自動車メーカーにとっても新興の自動車メーカーにとっても、研究開発の効率化は付加価値を高めるための戦いの場です。IBM Rationalソフトウェアの派生製品および最適化製品として、IBM ELMは多くの大手自動車メーカーに採用され、成功を収めています。RationalからELMに至るまで、IBMは自動車研究開発に関する専門知識とその技術力を組み合わせ、効率的で高品質、かつ高度にコラボレーティブな研究開発管理プラットフォームの構築を支援しています。Yanfeng Autoとの共創において、私たちはエンジニアリング・ライフサイクル管理と設備ライフサイクル管理の分野で緊密に協力して、研究開発の効率と品質を向上させ、アジャイル開発と迅速な反復を全プロセスに統合するように支援してきました。」
ELMは、効率的な研究開発と運用システムを追求するYanfeng Autoと調和しています。現在、Yanfeng Autoのエンジニアは、ELMシステムで異なる製品タイプ、プロジェクト・レベル、開発基準に従って作業シナリオに迅速に統合し、役割ベースの納品を完了することができます。これは、納品速度と品質の大幅な向上をもたらします。
Yanfeng Electronic TechnologyがMicrosoft WordやExcelなどのツールを使用していた頃は、品質管理の全体像を把握することが困難でした。今日では、IBM ELMツール・チェーンを実装することで、要件の完了、設計カバレッジ、テスト・カバレッジなどの課題に対応できます。これにより、すべての段階で品質データの透明性が確保され、品質管理を後の段階での受動的な検出ではなく、先を見据えた制御と予測に転換することができます。
熾烈な競争を考えると、コスト削減と効率化は自動車メーカーにとって大きな目標です。Yanfeng Electronic Technologyのプロジェクト・リーダーによると、多くの人が想定しているのとは異なり、トレーサビリティーを重視することは開発効率や納品スピードに影響を与えることはなく、それどころか効率の向上につながります。「納期だけを重視し、要件や設計の部分を飛ばして、すぐにコードを書いていては、品質が保証されません。」
IBM ELMの強化という点では、モデルの再利用により多くの労力を節約できます。例えば、以前のプロジェクトで開発されたRhapsodyモデルを継承し、新しい要件に応じて簡単に更新したり、その中のコンポーネントや機能を追加または削除したりすることができます。
IBM ELMのおかげで、Yanfeng Electronic Technologyは、2019 年にフォルクスワーゲンのAutomotiveSPICE Level 1評価に合格した中国のサプライヤー2社のうちの1社となりました。2016年に、Yanfeng Electronic Technologyは、ELMの前バージョンであるRQM(Rational Quality Management)を用いてAutomotiveSPICE Level 2の認定を取得し、2020年にAutomotiveSPICE Level 3の評価に合格しました。
Yanfeng Electronic Technologyのゼネラル・マネージャー代理であるLi Fan氏は次のように付け加えています。「エンド・ツー・エンドのソリューションとして、ELMはスケーラブルな研究開発プロセスの統合管理を実現するのに役立ちました。それに基づいて、より統合された、持続可能でインテリジェントな研究開発プラットフォームを構築し、さらなるコスト削減と効率化を図っています。将来的にはIBMと緊密に協力し、中国の製造効率モデルを世界に輸出することで、自動車産業全体の利益につなげたいと考えています。また、インテリジェント・コックピットに加えて車両のインターネットの分野でさらなる進歩を遂げることを目指しています。」
Yanfeng(ibm.com外部へのリンク)は、内装、外装、座席、コックピット電子機器、パッシブ・セーフティーを中心に取り扱う世界有数の自動車部品サプライヤーです。Yanfengは世界中に240以上の拠点を持ち、約57,000人の従業員を擁しています。4,100人の専門家からなる技術チームは、14の研究開発センターおよびその他の地域事務所に拠点を置き、エンジニアリングおよびソフトウェア開発、設計、テストおよび検証を含む完全な機能を備えています。スマート・キャビンと軽量テクノロジーに焦点を当て、将来のモビリティー空間を探求する自動車メーカーをサポートし、最先端のキャビン・ソリューションを提供しています。
Yanfeng Electronic Technologyは、コックピット・ドメイン・コントローラーを中核とするインテリジェント・コックピットの分野に焦点を当てています。インタラクティブ・インテリジェンス、シナリオ・インテリジェンス、パーソナライズされたサービスのコックピット電子システムを統合し、内装、座席、安全などのユーザー・インターフェース製品の革新に共同で取り組んでいます。これにより、よりインテリジェントで便利なインタラクティブな体験を消費者に提供し、自動車メーカーが未来のモビリティー空間を開拓するよう支援しています。Yanfeng Electronic Technologyは、自動車コックピット電子製品およびシステム・ソリューションの業界トップ・プロバイダーになることを目指しています。
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