Business Challenge story

サーバー保守切れとDB資源の枯渇が最大のリスクに

シャトレーゼでは、洋菓子、和菓子、アイスクリームなどの商品開発から生産、販売、物流までの業務において、生産・調達システム、会計システムをはじめ、出荷・販売管理システム、顧客管理システム、物流システムなどで構成される基幹システムを運用しています。このうち、出荷・販売管理システムと顧客管理システムが稼働するサーバーの保守期限が満了することから、新しいサーバー環境への移行を検討していました。

シャトレーゼの情報システム部 部長である丹澤協氏は、「20年来、基幹システムのサーバーとしてAS/400を使用しており、最大4台が基幹システムの基盤として導入されていました。当時は3台のAS/400と複数台の他社製IAサーバーに基幹システムが分散されていたことから、サーバーの保守切れによる移行作業はシステム運用管理者にとって大きな負担となっていました」と話します。

「保守期限が切れた状況で発生する障害に加え、保守期間中に発生する障害による機会損失をいかに削減するのかも課題の1つでした。データが日に10万件の単位で増えるせいか、IAサーバーは故障率も高く、3カ月ごとに何かしらの機構を取り替える状況でした。弊社の“長期間安定して使えるシステム”というポリシーの観点からも、故障の多いIAサーバーの移行は必須でした」と丹澤氏は説明します。そこで、AS/400で稼働する出荷・販売管理システムとIAサーバーで稼働する顧客管理システムの更改にあたり、信頼性が高く、より少ない台数のサーバー環境に統合することを検討し始めました。

また顧客管理システムでは、約900万人分の購買履歴を管理していたことから、ストレージ資源の枯渇も解決すべき課題となっていました。シャトレーゼの情報システム部 業務課 課長である佐藤佳樹氏は、次のように語ります。「常にストレージ容量が足りない状況で、毎月無駄なディスクの領域を削除するなど、データベースのメンテナンスをしなければ業務システムの稼働環境を維持できない状況でした」。

また佐藤氏は、「フロントエンド側のパフォーマンスに関しては、日々の業務に大きな影響はありませんでしたが、バックエンド側では数時間かかるバッチ処理がありました。そのため、バッチ処理時間を逆算しながら注文の受付処理を行わなければならず、受注機会の損失につながっていました。そこで受付時間を長くするためにバッチ処理時間の短縮も解決すべき課題の1つでした」と話します。

これらの課題を解決するために、シャトレーゼが採用したのは、IBM Power Systems(以下、Power Systems)による出荷・販売管理システムと顧客管理システムのサーバーを仮想化統合することでした。

Transformation

長年の実績と複数OSの仮想化機能を評価してPower Systemsを採用

出荷・販売管理システムと顧客管理システムの統合プロジェクトは、2011年5月からスタート。まずは第一フェーズとして、出荷・販売管理システムの要件定義、AS/400からPower Systems上のIBM i 7.1が稼働する論理区画への移行、テストを行い、2011年7月に本番稼働。続いて第二フェーズとして、他社製IAサーバーで稼働していた顧客管理システムの設計、AIX 7.1が稼働する論理区画への移行、テストを行い、2012年6月に本番稼働しています。

これまでシャトレーゼのIT基盤構築にかかわり、今回のシステム構築も支援してきた株式会社Minoriソリューションズ(以下、Minoriソリューションズ)の信越本部 松本開発部 マネージャー 上條正博氏は、「2台のAS/400で稼働していた出荷・販売管理システムを本番用としてIBM i の区画を1つ、ならびにテスト区画を1つの計2区画と、他社製IAサーバーとOracle Databaseで稼働していた顧客管理システムをAIX区画として、1台のPower Systems上に仮想化統合しています。また同時に、白州工場のAS/400に構築されていた販売管理システムのバックアップ機に関しても、別のPower Systemsに移行されています」と話します。 

出荷・販売管理システムは、FC店からの受注の結果を集計して、生産管理システムに引き継ぐほか、店舗と商品で集約して物流システムにデータを引き継ぐなど、基幹システムのハブ的な機能も担っています。すべての業務システムの中心となる仕組みは企業活動そのものと言える非常に重要なシステムであり、高信頼性は絶対条件でした。

Power Systemsを採用した理由を丹澤氏は、「AS/400は、長期間保守ならびにその間の安定稼働の実績と高い信頼性があるため、基幹システムをIAサーバーに移行することはまったく考えませんでした。保守サービスに関しても、Power SystemsはIAサーバーよりはるかに長期間のサポートを受けられるので非常に高く評価していました」と話します。

一方、顧客管理システムが稼働する他社製IAサーバーも保守期間が満了したためにリプレースが必要でした。佐藤氏は、「AS/400とIAサーバーのリプレース時期がちょうど重なったことから、それぞれを移行するのではなく、1つのプラットフォームに統合したいと考えていました。そこでPower Systemsが最適と考えました」と話します。

Minoriソリューションズ ITソリューション本部 営業企画推進グループ 執行役員 副本部長 小林利清氏は、「今回は、システムごとにサイジングして安価なサーバーを選択するという個別最適ではなく、TCO(総所有コスト)を抑え運用管理の負荷も低減させる全体最適の観点からPower Systemsを提案させていただきました。もちろん基幹システムとして高速かつ安定した稼働環境が実現できることも、Power Systemsをご提案した理由です」と話します。

Benefits

バッチ処理時間が10分の1に短縮。注文受付の時間延長で売上アップに貢献

Power Systemsを導入した効果を丹澤氏は、「450店舗以上のFC店が、約400アイテムをそれぞれ取り扱っているために、大量のデータを集計処理しなければなりませんでした。そのためのバッチ処理に70分程度かかっていましたが、今回Power Systemsに移行したことで処理時間が劇的に改善され、約10分の1にあたる7~8分で終了するようになりました」と話します。

佐藤氏は、「バッチ処理時間が速くなったことで、FC店からの注文を受け付ける時間を大幅に延長することが可能になり、売上やFC店の満足度の向上も期待できます」と話します。「これまでの仕組みでは、集計処理が70分かかっていたので、ある意味一大イベントでした。しかしPower Systemsを導入したことで、集計処理が数分で終わるので、業務プロセスや人の動き方も大幅に効率化できました。設置スペースや消費電力量の削減、運用管理の効率化などにより、TCOの大幅な削減も期待できます」(丹澤氏)。

またMinoriソリューションズに対する評価を佐藤氏は、「基幹システム構築にあたりIBMの担当営業者から紹介していただいたのがMinoriソリューションズでした。すでに2000年問題の対応やEDIシステム構築、IBM iで稼働する基幹システムのサポートなど過去の実績があり、IT資産を安心して任せられるベスト・パートナー企業です」と話します。

 

将来の展望

物流システムのPower Systemsへの移行も検討

今回のPower Systemsによる基幹システムの統合は、Power Systemsの特長を十分に活用した柔軟で堅牢な基盤となり、業務プロセスの改善にも大きく貢献しています。AS/400とIAサーバーという異機種混在環境を、“長期間安定して使えるシステム”にシンプルに統合できた今回のプロジェクトは、シャトレーゼのIT全体最適化の第一歩として重要な役割を果たしています。

丹澤氏は、「現在、主にFAXで行っている物流システムのインターフェースをWeb対応することを計画しています。物流システムの刷新では、運送会社の賃金計算と配送指示がポイントになりますが、この仕組みもPower Systems上で稼働する計画です」と話します。

今後、シャトレーゼでは、Power Systemsをシステム基盤の中核にさまざまな業務システムを統合し、全体最適化を推進していく計画です。

 

お客様の声

株式会社シャトレーゼ 情報システム部 部長 丹澤 協氏

「バッチ処理が70分程度かかっていましたが、Power Systemsに移行したことで、処理時間が劇的に改善され、約10分の1にあたる7~8分で終了するようになりました」

株式会社シャトレーゼ 情報システム部 業務課 課長 佐藤 佳樹氏

「AS/400とIAサーバーのリプレース時期がちょうど重なったことから、それぞれを移行するのではなく、1つのプラットフォームに統合したいと考え、Power Systemsが最適と考えました」

株式会社Minoriソリューションズ ITソリューション本部 営業企画推進グループ 執行役員 副本部長 小林 利清氏

「今回は、システムごとにサイジングして安価なサーバーを選択するという個別最適ではなく、TCOを抑え運用管理の負荷も低減させる全体最適の観点からPower Systemsを提案させていただきました」

株式会社Minoriソリューションズ 信越本部 松本開発部 マネージャー 上條 正博氏

「今後さらにPower Systemsの持つ能力の有効な活用方法を提案していきたいと考えています。物流システムをはじめとして、さらにその性能を発揮させていきたいと思っています」

 

お客様情報

和洋菓子、アイスクリーム、パン、飲料の製造販売およびフランチャイズ(FC)店の全国展開を事業として展開しています。

 

パートナー情報

システムコンサルティング、ソフトウェア開発、システム運用管理、PCおよびその周辺機器販売、ITインフラ構築、総合人材サービスなどを事業として展開しています。

 

テクノロジープラットフォーム

ハードウェア

  • IBM Power 740
  • IBM Power 720

ソフトウェア

  • IBM AIX 7.1
  • IBM i 7.1
  • IBM PowerVM

Solution Category

  • Other