トレーサビリティー・システムで アフリカの生産者と日本の消費者をつなぎ、 新たなサステナブル体験を実現

三井物産株式会社

サステナビリティーへの取り組みを重要な経営課題に位置付け、広範な事業活動を通じて課題解決に挑み続けている三井物産株式会社(以下、三井物産)。
同社はアフリカのザンビアの綿花農家(生産者)と日本の消費者を双方向につなげ、新たなサステナブル体験を創出する「farmers 360° link(ファーマーズ 360°リンク)」を提供しています。これはブロックチェーン技術を活用して商品の原料の来歴を可視化するだけでなく、作り手の想いやストーリーを消費者側に伝えることで商品価値を高め、さらにプラットフォームを通じて消費者が生産者を直接応援することもできる仕組みです。その実現でカギとなったのが、通信環境が悪くスマートフォンに馴染みのない生産者側と、商品を手にする消費者側のそれぞれに適したモバイル・アプリを開発し、両者を結び付けることでした。同社はIBMをアプリ開発の共創パートナーに選定。徹底したユーザー・テストとIBM Garageのエキスパートの知見を生かして実現されたシステムは大きな注目を集め、有力アパレル・ブランドでも採用が始まりました。

ビジネス上の課題

三井物産は、アフリカのザンビアでサステナブルな農法により綿花を栽培する農家と、それを原料に作られたアパレル商品を購入する日本の消費者をブロックチェーンで直接つなぐ農作物トレーサビリティー・システムとしてfarmers 360° linkを提供しています。その実現で課題となったのが、ザンビア現地で綿花の仕入れなどを行う栽培管理担当者が使うモバイル・アプリ(現場アプリ)と、日本の消費者が利用するや消費者アプリの開発でした。前者はスマートフォンに馴染みがない現地の人々でも簡単に使いこなせて、通信状態が悪い地域でも支障なく動作しなければなりません。また後者は、先進国のユーザーにとって使いやすく、アパレル商品が持つイメージと調和したユーザー・エクスペリエンス(UX)やユーザー・インターフェース(UI)を設計する必要がありました。

ソリューション

三井物産は、ブロックチェーン・プラットフォームとして「IBM Supply Chain Intelligence Suite」のSaaS型トレーサビリティー・システム「Transparent Supply」を選定。アプリ開発の共創パートナーとしてもIBMを選びました。ザンビア現地に関する知見も生かした提案の完成度が高く、アプリをより良くする技術面のアイデアや知見が豊富であることが選定の理由です。現場アプリの開発は、IBMのエキスパートも現地に足を運び、現地ユーザーのITリテラシーや通信事情を考慮して何度もテストと修正を繰り返して進められました。消費者アプリについても、テスト・ユーザーからのフィードバックを反映して作り込みを行いました。IBMのエキスパートから現地エンジニアに対して、内製のためのスキル・コンバートも実施しました。

現場アプリは通信環境がない地域で使われることもあり、リリース後に何か問題が起きると対応が極めて困難です。そのため『テストが大事だった』と今になって強く感じています。アプリ開発では入念にテストを行っていただきましたが、もしそれがなかったら大変なことになっていたのではないでしょうか。消費者アプリの開発でも、IBMが豊富な経験に基づいてUX/UI設計やユーザー・インタビューをリードしてくれました。
池田 竜一氏 プロジェクト本部 プロジェクト開発第二部 第二営業室 兼 デジタル総合戦略部 DX第二室 室長補佐 三井物産株式会社
効果と今後の展望

現場アプリは2022年4月より約3,000軒の農家を対象に利用を開始。2023年4月にファッション・ブランド「Ron Herman」、同年8月からは「BEAMS」でfarmers 360° linkを採用したアパレル商品の販売が始まりました。現地農家への応援の活動も今後開始されます。そのコンセプトには多くの企業から賛同を得ており、三井物産では今後も協業の輪を広げていく考えです。展開の拡大に伴い、同社は今後もアプリの機能拡充を進めるほか、farmers 360° linkの欧州など他地域への展開、およびカカオ豆やコーヒー豆など他の作物への適用も視野に入れています。

三井物産株式会社について

金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティー、化学品、鉄鋼製品、食料、流通事業、ウェルネス事業、ICT 事業、コーポレート・ディベロップメントの各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを生かし、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開している。

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2023年9月

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