MandarinMaster社がPedab France社およびIBMと連携し、AIを活用した言語習得を加速
中国語は学ぶのが難しい言語として知られています。実際、MandarinMaster社によれば、中国語を学び始めた人の80%が最終的に学習を断念していると言います。
しかし、新しいアプローチとテクノロジーによって、中国語学習の継続と、流暢に話せるまでの過程を支援できるとしたらどうでしょうか。この質問は、フランス語を母国語とし、中国語を流暢に話すPhilippe Laurent氏が自らに問いかけた質問でした。
中国が世界舞台でますます重要な役割を果たすようになる中、Philippe Laurent氏は、誰もが挫折することなく中国語を学習できるように設計されたオンライン学習プラットフォーム「MandarinMaster」(会社名と同名)を立ち上げました。
同社の教育哲学は、「千里の道も一歩から」という古い中国の諺にインスピレーションを得ています。実際、MandarinMasterの最初のレッスンでは、「一歩」を意味する2つの漢字「一步(Yībù)」を学びます。
Philippe Laurent氏は次のように説明しています。「私たちは、文化的に非常に中国的な性質を持つ、ゆっくりとした規則的な学習リズムを提案しています。MandarinMasterは文字どおり「一歩」という文字から学びをスタートさせます。これはまるで電車に乗り込むような感じです。3年間その列車に乗り続け、1日30分の勉強を続ければ、旅の終わりには中国語を流暢に話せるようになるでしょう」。
中国語を母国語としない学習者にとって最大の難しさは、中国語の声調の仕組みです。話し言葉には4つのイントネーションがあり、それらを習得することは自分の言いたいことを相手に理解してもらうために重要です。例えば、「ma」という単語は、使用される音調によって「母」、「麻」、「馬」、「叱る」などの意味になります。抑揚を抑えることで、疑問文にすることもできます。
「MandarinMasterを成功させるには、プラットフォームで発音を検証できるようにする必要がありました」とPhilippe Laurent氏は言います。
MandarinMasterが当初、Speech to Text処理を提供する中国企業との協力を試みたところ、プラットフォームは学習者の発音に耳を傾け、フィードバックを提供することができました。しかし、この方法では検証サイクルごとのコストが非経済的であったため、Philippe Laurent氏は開発者のアドバイスを受けて、IBM® Watson Speech to Textテクノロジーをチェックすることにしました。
「当社はBPI(経済発展を支援するフランスの公的銀行)と地方政府の支援を受けているため、フランスで強力な存在感を持つIBMのようなプロバイダーとともに取り組みたいと考えました」とPhilippe Laurent氏は語ります。「私たちはスタートアップ企業であるため、IBMの真摯なサポートと、当社の知名度と信頼性を高めてくれる能力に、すぐに安心感を覚えました」。
IBMは、IBMテクノロジーに基づいた教育ソリューションを専門とするIBM® ビジネス・パートナー であるPedab France社と連絡を取りました。こうして、Pedab社はMandarinMasterと協力して、IBM Watson Speech to Textテクノロジーをプラットフォームに組み込みました。このソリューションは、IBM埋め込みソリューション契約(ESA)に基づきライセンスされています。これにより、MandarinMasterはIBMのテクノロジーと独自の知的財産を組み合わせて、スタンドアロンのパッケージ・ソリューションを開発できました。
Pedab France社の営業マネージャー、Christopher Pajot氏は次のようにコメントしています。「IBM Watson Speech to Textは信頼できるAIテクノロジーで、MandarinMasterプラットフォームにシームレスに統合することができました。私たちはIBM Innovation Studioと協力してこのプロジェクトに取り組み、開始から完了までわずか数カ月しかかかりませんでした」。
「Pedab社は、MandarinMasterの成功にかなり尽力してくれました」とPhilippe Laurent氏は付け加えます。「Christopher率いるチームは、スタートアップ企業である私たちが多額の融資を受けられるよう懸命に取り組んでくれました。私たちはPedab社、そしてIBMと築き上げたパートナーシップを本当に高く評価しています」。
MandarinMasterは、加入者に毎日30分のレッスンを配信するオンライン・プラットフォームです。学習者は少しずつ前進するたびに新しいコンテンツが開くことで、興味を持ち続け、意欲を高め続けることができます。統合された IBM Watson Speech to Text テクノロジーにより、MandarinMasterは実際の教師の存在をシミュレートし、学習者が自分の発音をチェックしたり、即座にフィードバックを受けたりできます。
「IBM Watson Speech to Textにより、学習者は中国語のイントネーションを検証できるようになり、この非常に重要なスキルを自身を持って習得できます」とPhilippe Laurent氏は説明します。
MandarinMasterは現在、早期加入者と協力して、SNSを通じて口コミで情報を広めています。他の有料加入者を紹介した学習者は、自身のサブスクリプション料の一部を補助として受け取ることができます。これらのクレジットは、実際の講師とのビデオ通話による一対一の会話練習や復習を購入するためにも使用できます。本稿執筆時点では、MandarinMasterは、世界中のより大規模な英語ネイティブスピーカーの潜在的ユーザー層をターゲットにした、英語から中国語へのバージョンのプラットフォームを開発中です。このバージョンは2025年9月末にリリースされる予定です。
IBMとPedab社のサポートを受けて、MandarinMasterは加入者コミュニティーを構築しています。このコミュニティーには、最高のビジネス・スクールや大学に入学するのに役立つスキルを求めている十代の若者とその親から、脳の働きを活性化させるために中国語を学びたい退職者まで、さまざまな人々が参加しています。このプラットフォームは、中国企業で働いている、または働くことを計画しているビジネスマン、特に既存の海外駐在員や中国に居住することを計画している人々にとっても理想的です。MandarinMasterのもう一つの差別化機能は、テクノロジー主導のプラットフォームと実際の人間によるインプットを組み合わせていることです。有料学習者は、MandarinMasterチームによる個人的な対応やフォローアップを受けられます。
「MandarinMasterを5つの単語で表すと、簡単、包括的、本格的、ゲーム、文化的です」とPhilippe Laurent氏はコメントします。「MandarinMasterでは、単に言語を学ぶだけでなく、文化全体を学ぶことができます」。
MandarinMasterはゆっくりながら着実なペースで学習を進め、毎日2~3個の新しい漢字を紹介していくため、学習者は継続しやすくなります。そして、3年間毎日勉強すれば、このプラットフォームはまったくの初心者でもC1レベルに到達できます。
「中国語は難しい言語ですが、私たちの学習方法は簡単です」とPhilippe Laurent氏は断言します。「誰でも、3年後には、2,500字と25,000語以上を習得しているでしょう。高度な教育を受けた中国人が知っているのは3,000字であることを考えれば、これはかなりの流暢さと理解力を示します」。
MandarinMasterのユーザーは、各レッスンの約80%を話すことで学習します。これは、大半の書籍ベース・プラットフォームやトレーニング・コースとは対照的です。
「IBM Watson Speech to Textがなければ、MandarinMasterを立ち上げることはできませんでした」とPhilippe Laurent氏は言います。「各ユーザーに自分の発音を聞いてくれる専属の先生がいるかのようで、これは学習の質を確保するのに役立ちます」。
MandarinMasterは、中国語を学習するための革新的なオンライン・プラットフォームです。このプラットフォームでは、中国語の正しい発音に重点を置き、まったくの初心者でも3年でC1レベルに到達できます。このプラットフォームは現在フランス語話者向けに提供されていますが、まもなく英語話者にも拡張される予定です。
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