デジタル・トランスフォーメーションが実現する、エアロダイナミックなフライト・オペレーション

Lufthansa GroupはIBMコンサルティングと連携して、複数の地上オペレーション用アプリケーションをWebベースプラットフォームに集約・強化しました

飛行機の隣で航空会社の従業員と話す飛行機のパイロット
ビジネスの離陸を妨げる不均一なオペレーション

航空業界の世界的な最大手であるLufthansa Groupは、複数のモバイルアプリケーションを通じて地上オペレーションの最適化を大きく前進させました。

アプリケーションはスムーズに動作していたものの、断片化されていたことからポータビリティに欠け、効率を下げ、コストを上昇させ、空港と航空会社の担当者間の連携の妨げになっていました。さらに、普及していた通信プラットフォームのライセンス費用が増大したことにより(このプラットフォームは旧式で高額でした)、財務的プレッシャーがさらに悪化しました。

Lufthansa Groupの広汎な戦略目標が通信システムのモダナイゼーションに移ったことから、同社はすべての機能を各種のデバイスからアクセス可能な単独のWebベースアプリケーションに統合する、一元的なソリューションを必要としていました。フライトの遅延やオペレーションの非効率性が財務面での重大な損失と顧客満足度への悪影響につながりうる重要なシナリオでは、断固たる行動が不可欠でした。この戦略的な動きは、運用コストを削減し、ユーザー・エクスペリエンスを向上させ、地上スタッフ、パイロット、運用チーム間のシームレスなコミュニケーションを確保することを目指すものでした。

IBMは、実績のある信頼性、高度な技術的ノウハウ、プロフェッショナリズムと本来的なモチベーションを兼ね備えている、理想的なパートナーです。当社との共同事業の成功と長期継続には不可欠な資質です。
Ngoc Duc Tran シニア・リファレント・アジャイル開発エンジニア Lufthansa
地上オペレーションのための統合デジタルソリューション

Lufthansa GroupはIBM Consultingと提携し、複数のアプリケーションを Turnaround Companion (TAC) と呼ばれる単独のWebベースのソリューションに統合することで、地上業務オペレーション管理を変革しました。これは、複数の別個のツールを管理する際につきものの高いコストと非効率性の解消に役立ちました。

IBMのクラウド・ソリューションとアプリケーション開発に関する専門知識は、このトランスフォーメーションにおいて極めて重要でした。このソリューションの導入には、IBM Consulting内のさまざまなチームのコラボレーションとツールの活用が必要でした。

  • IBM iX チームはTAC開発のためのデザイン思考ワークショップを開き、Lufthansa Groupの地上オペレーションにおけるさまざまな役割に対応する、ユーザーフレンドリーなUIとUXを確実に実現できるようにしました。
  • IBMのアプリケーション・モダナイゼーションチームは、Lufthansa Groupのレガシー・システムの再構築を主導し、複数のスタンドアロン・アプリケーションを統一されたクラウドネイティブ・プラットフォームへシームレスに移行することを可能にしました。このモダナイゼーションの取り組みによって、TACソリューションのスケーラビリティ、パフォーマンス、長期的なメンテナンスを確保しました。
  • IBM 製品設計およびエンジニアリング・サービスチームは、Lufthansa Groupと緊密に連携し、TAC プラットフォームの継続的な強化に取り組みました。プラットフォームの開発とサポートに向けたこのチームの統合的なアプローチにより、迅速なイテレーション、進化するビジネス・ニーズへの対応、確実な適応と長期的な価値を高めるユーザー中心の設計が可能になりました。
  • IBM Garageチームは、継続的なアプリケーションのモダナイゼーションを重視し、クラウドとアーキテクチャとテクノロジーのストラテジーに関する戦略的ガイダンスをクライアントに一貫して提供しつつ、TACの開発と保守を実施しました。

新しいWebベースのプラットフォームは、すべての関連データを明確に視覚化し、空港や航空会社のスタッフ間の迅速な調整とコミュニケーションを促進しています。LGの内部メッセージング・エンジンを使用したチャットベースのコミュニケーション機能とインテリジェントな通知機能により、重要な情報が見逃されることもありません。

最新のWebテクノロジーを基盤に構築されたTACは Microsoft Azure クラウド上にホストされており、iOS や Android などの主要なオペレーティング・システムからアクセスできるため、ユーザー基盤のが拡大とライセンス・コストの削減を実現しています。プラットフォームのモジュール構造によって、新要件への柔軟な対応と、対象オーディエンスやアプリケーションを追加するための拡張が可能となっており、Lufthansa Groupの将来のニーズに対応できる汎用ツールになっています。

TACのデプロイメントが成功したことで、Lufthansa Groupは、完全なターンアラウンド・プロセスと関係者間のすべてのやり取りを、1つの統合されたソリューション・スタックで追跡できるようになりました。これにより、効率が向上し、遅延が減少し、顧客満足度が向上しました。同社は他のアプリケーションからTACへの機能の移行を継続し、ユーザーに付加価値を提供し、地上業務をさらに最適化する新しい機能を導入する予定です。

効率性と顧客満足度の向上

Lufthansa Groupでは地上オペレーションの大幅な効率向上を実現しました。統合TACプラットフォームによって、全てのデータと通信が1つのソリューション・スタックに集約され、航空機の運航プロセスをリアルタイムで追跡できるようになりました。

この最適化によって、以下の成果が実現しています。

  • キャンセルや遅延に関連するコストを削減し、顧客満足度を直接向上
  • 世界中で増え続けるエンド・ユーザーをサポートしつつ、レガシー通信バックエンドのライセンス・コストを年間6桁の規模で節減
  • 2025年3月末のTAC運用開始以来、3つの主要機能を統合し、オペレーションを改善し、エンドユーザーによるアプリの受け入れを改善
  • 直感的な設計と明確なデータの可視化により、ストレスの多い状況でも重要な情報を迅速に把握し、効果的に対応できるよう、地上職員を支援
  • 新しい柔軟な設計システムにより、デバイスの種類や現場の明るさに左右されない一貫したユーザー・エクスペリエンスを確保
  • 新規導入から構成変更へと仕組みを切り替え、Lufthansa Group内の他の航空会社のオンボーディングを迅速化

さらに旧型のモバイル・アプリケーションのダウンタイムが45分弱であったのに対し、TACの新リリースのダウンタイムはわずか数分に抑えられていることも注目に値します。これは重要な進歩ではありますが、プロジェクトチームは引き続き、今後のリリースでのダウンタイムゼロを目指しています。

継続的なパートナーシップの一環として、IBMはLufthansa GroupがTACに追加機能を移行し、同社のオペレーションをさらに合理化できるよう、サポートを続けています。IBMのチームはプラットフォームの新しいツールの開発を続けて、現在は生成AIの実装を研究しています。TACのデプロイメントの成功は、効率的なフライト管理の基準を引き上げ、航空機のオペレーションにおける持続可能な標準化を促進し、従業員と乗客の両方に向けて、優れたエクスペリエンスを確実に提供します。

Lufthansaロゴ
Lufthansa Groupについて

Lufthansa Groupは世界的に定評ある航空会社グループであり、ドイツに本社を置いています。同社は世界最大の航空グループの1つに成長しており、年間数百万人の乗客にサービスを提供しています。Lufthansa Groupは、品質、安全性、顧客満足度への取り組みで知られています。

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