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お問い合わせセンター業務をIBM Watsonで改革。回答候補や関連資料をAIが瞬時に画⾯に表示してオペレーターをサポート

東日本旅客鉄道株式会社(以下、JR東日本)のコンタクトセンター部門であるお問い合わせセンターには、毎日数千件から数万件にも及ぶ大量かつ広範囲にわたる質問がお客さまから寄せられてきます。そのサービス品質を全体的に底上げし、お客さま満足度のさらなる向上を実現するためには、オペレーターや拠点による回答品質や応答効率のばらつきを解消し、複雑化するお問い合わせ内容にも時間をかけずに応答する仕組みを実現する必要があります。この課題解決に向けてJR東日本のサービス品質改革部は研究部門とタッグを組み、Watsonを活用したオペレーター支援の仕組みをスモールスタートで導入。アジャイル開発手法により段階的な知識の拡充と機能の拡張を図ってきました。こうして構築されたのが「お問い合わせセンター業務支援システム」です。

ビジネス上の課題

JR東日本は「サービス品質改革」を経営の重要な柱と位置付け、「顧客満足度鉄道業界No.1」を目標に掲げて、お客さまに安心と満足を感じていただけるサービスを追求しています。お問い合わせセンターには1日あたり数千件から数万件に達する広範な領域にわたる質問が寄せられ、JR東日本ではお客さまの利便性を重視し、電話に応答した1人のオペレーターがあらゆる質問に対応しています。お客さまに迅速に回答するためには、「どこに、どのような情報が記載されている」というインデックスを身につけるというきわめて熟練したスキルが求められますが、お問い合わせセンターには新人からベテランまで経験や知識レベルの異なる人材が混在し、回答品質や応答効率にばらつきが生じていました。

概要と経緯

お問い合わせセンターのオペレーターや拠点による回答品質や応答効率のばらつきを解消し、お問い合わせに迅速に応答する仕組みを実現するために、お客さまの声グループはJR東日本研究開発センター フロンティアサービス研究所と二人三脚でAI活用を進めることにしました。国内外で多くの導入実績を持ち、エンタープライズで活用できるAI基盤として信頼性が担保されていたWatsonのSpeech to TextとDiscoveryの2つのテクノロジーを活用して、プロトタイプを開発し、2016年4月に少数のオペレーターを対象にした実証実験がスタートしました。プロトタイプは、お客さまとオペレーターの間の会話をSpeech to Textで音声認識し、テキスト化、そのテキストをDiscoveryに渡して自然文の解析を行い、回答候補や関連資料を検索して瞬時にダッシュボードに表示してオペレーターを支援します。

効果と今後の展望

プロトタイプはアジャイル手法で検証と改善を繰り返して、実用システムへと成長していきました。Speech to Textにはさまざまな専門用語や独自の言い回しが辞書登録されて認識率が高められ、Discoveryには駅や路線に関する案内情報、WebサイトのFAQや実証実験に参加したオペレーターからのフィードバックに基づく情報が投入されて学習が進み、回答できる範囲が拡大していきました。その結果、2018年4月には「お問い合わせセンター業務支援システム」として本番運用が開始されました。新システムはお客さまとオペレーターの会話を“先読み”しながら、回答候補や関連資料を予測的にダッシュボードに表示する機能を実装し、システムの活用度が高いオペレーターでは、問い合わせ1件あたりの応答時間を最大で30%程度短縮できており、今後もさらに拡張と改善が進められます。

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

  • IBM Watson Speech to Text
  • IBM Watson Discovery
  • IBM Watson コンタクトセンター構築支援サービス
Speech to TextとDiscoveryのテクノロジーのコンビネーションによって、システムの実用化は十分に成し遂げられるという確信を持つことができました 岡本 みちの氏 鉄道事業本部 サスビス品質改革部 課長 お客さまの声グループリーダー JR東日本旅客鉄道株式会社
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