イッツ・コミュニケーションズ株式会社
サービスの多様化で難易度が高まるテクニカルサポートの顧客対応、IBM Watsonがナレッジ検索やスキル向上でオペレーターと管理者を支援

イッツ・コミュニケーションズ株式会社(以下、イッツコム)は、サービスの多様化に伴って、問い合わせ対応の難易度が高まり続けるテクニカルサポートの電話オペレーターを支援すべく、その負担軽減を実現するシステム導入の検討を進め、IBM Watson(以下、Watson)のAI技術を活用したAIオペレーター支援システムを採用しました。音声認識による会話のテキスト化、問い合わせ内容の解析、ナレッジ(マニュアルやFAQ)検索による回答候補の表示などの機能に加えて、オペレーターが1通話ごとに確認できるAIの自動通話品質フィードバックやリアルタイムモニタリング、オペレーター応対品質評価レポートなどの機能が実装された同システムは、オペレーターのみならず管理者の支援でも大きな効果を発揮しています。

ビジネス上の課題

イッツコムは、ケーブルテレビやインターネット、電話など、多様なサービスの提供を通じて東急線沿線の住民の豊かな生活環境の実現に貢献し続けてきました。顧客のサービス利用をサポートするために2010年より、イッツコムのサービス機器の接続や設定、不具合などの技術的なお問い合わせの専用電話窓口となる「テクニカルサポートセンター」を開始し、その対応品質でもユーザーから高い評価を得ています。しかし、近年は提供サービスの多様化・複雑化に伴い顧客からの問い合わせに対応するテクニカルサポートの電話オペレーターに求められる業務知識が大幅に増加し、短期間の研修で習得することが難しくなるなど、テクニカルサポートのオペレーター負担が増大しています。この状況に危機感を抱いた同社は、高い対応品質とオペレーターの負担軽減の両立が実現できる解決策の検討を開始しました。

概要と経緯

イッツコムは、課題への対策としてAIに着目し、IBMなど7社のソリューションを調査・検討を重ねた末、AIによる判定の評価とAIの継続学習をユーザーでも簡単にできることを決め手に、WatsonのAI技術を活用したAIオペレーター支援システムを有力候補に据え、テクニカルサポート業務での利用を想定したPoC(Proof of Concept:導入前実証)を実施。システムを集中的に利用した約2カ月間で顧客対応1件あたりの時間を約3%削減し、新人研修で行う演習の日数も10日間から7日間に削減しました。この結果を受けて採用を決めた同社は、2019年12月より順次導入を開始し、「AIの自動通話品質フィードバック」、「リアルタイムモニタリング」、「オペレーター応対品質評価レポート」などの機能を新規開発して2020年1月に導入を完了。テレビサポート窓口とインターネットサポート窓口のオペレーター席、管理者席を含めた全席で利用を開始しました。

効果と今後の展望

イッツコムは、新システムの活用に高い効果を期待しています。例えば、オペレーター育成に関しては、システムによる顧客対応支援によって着座可能なレベルに達するまでの研修期間を短縮し、1カ月あたりの新人研修の時間を短縮するなどを期待しています。「AIの自動通話品質フィードバック」や「オペレーター応対品質評価レポート」の内容を参考にしてオペレーターが自己研鑽に励み、短期間で大きく評価レベルを高めるなど、対応品質向上への取り組みも加速しています。AIオペレーター支援システムを導入したブースでは、応対時間には約10%の削減効果が見られています。管理者支援の面でも効果は大きく、すでにオペレーター支援や顧客対応レポート作成の時間が大きく削減されました。同社は、WatsonのAI技術を活用したAIオペレーター支援システムで、現在の業務も効率化しながら、将来のお客様対応をより素晴らしいものに変革していきます。

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

今回のWatsonの導入はあくまでもスタートであり、AIオペレーター支援システムで、現在の業務も効率化しながら、将来のお客様対応をより素晴らしいものに変革していきます 取屋 慶治氏 カスタマー本部 スマートライフサポート部 主幹 イッツ・コミュニケーションズ株式会社

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