IBMの開発者がIBM watsonx Code Assistantを活用し、作業効率化を大幅に向上
人工知能(AI)はソフトウェア開発の在り方を大きく変えつつあります。Gartner® Magic Quadrant™ for AI Code Assistants によると、2024年初頭にはAIコードアシスタントを使用していた企業内開発者は14%未満でしたが、2028年にはその割合が90%に達すると予測されています。
*AIコードアシスタントの導入により、開発者は作業効率を高めるだけでなく、複雑なレガシー・コードの管理、新しいプログラミング言語への対応、開発者のオンボーディングなど、従来の課題を克服することが可能になります。
IBMは2024年、毎年恒例の社内イベント IBM watsonx Challenge を通じて、社員にIBM watsonx Code Assistant の活用を促し、実際の業務課題に対する解決策を探る取り組みを行いました。
数百ものプロジェクト・チームにまたがる数千人ものIBM社員が、コードの説明、コードのドキュメント化、コード生成、テスト・ケースの生成など、IBM watsonx Code Assistant の多様な機能を試しました。各チームが達成した作業時間の短縮は、未来の業務へ新たな可能性をもたらしただけでなく、あらゆる開発チームにとって潜在的なメリットを示しています。
* Gartner社、Magic Quadrant for AI Code Assistant、2024年8月19日。GARTNERは、Gartner, Inc.または関連会社の米国およびその他の国における登録商標およびサービスマークであり、許可を得て使用しています。無断複製や転載を禁じます。
Watsonx Challengeで受賞したチームのひとつは、緊急性の高い業務課題に対してwatsonx Code Assistantを活用し、顕著な効率向上を実現しました。
この少人数チームは、ベテランと新入社員の開発者で構成されており、約750件のJavaScriptファイルを含む、50以上の文書化されていないコードリポジトリを引き継ぐことになりました。チームは、コードベースを理解し、適切に文書化するために、数週間に及ぶ手作業による分析が必要な状況に直面していました。
この課題に対し、チームは1,000行以上のコードを含む9つのファイルを生成AIに入力し、それぞれのファイルについて1文の要約を生成するよう指示しました。
新任開発者のAsher Scott氏は、以前から小規模なコードの説明にwatsonx Code Assistantを活用していましたが、大規模ファイルへの適用には半信半疑だったといいます。「大きな期待はしていませんでしたが、結果には驚かされました。特に、簡略記法を使った高度な構文の説明にも対応できた点は印象的でした。また、このツールのおかげで、自分のスキルが一段階引き上げられたと感じています」と語ります。
チームが要約の正確性を確認したところ、「全体的に非常に正確で、特にAPIの文書化においては驚くほどの精度でした」と Scott 氏は述べています。
また、チームメンバーのGreg Gasper氏は、AIチャット機能を活用し、自然言語プロンプトから文書化が必要なファイルを特定するスクリプトを生成。数分で750件のJavaScriptファイルを抽出することに成功しました。
チームは、類似ファイルの分析に基づき、手動で要約する場合は1ファイルあたり平均3分以上かかると予測していましたが、watsonx Code Assistantを使用することで、約12秒*で作業が完了しました。90%以上の時間削減を実現したのです。
Scott氏は「このツールをコードベース全体に適用すれば、数週間かかる作業が数分で完了する可能性があります」と語っています。
*watsonx Code Assistantの最適な帯域幅と応答時間での内部テスト。
成功を収めたのは、1つのチームだけにとどまりませんでした。watsonx Challengeに参加した多くのチームが、IBM watsonx Code Assistantを活用することで得られた有望な結果を報告しています。
これらの時間短縮により、各チームはコード品質やセキュリティの向上、新たなイノベーションの企画など、より戦略的な業務にリソースを割くことが可能になりました。
IBMソフトウェア部門 Cloud PakエンジニアリングのAsher Scott氏は次のように語ります。「これはコーディングを加速させるツールです。すべての作業を迅速に進めるために設計されています。まずは試してみることをおすすめします」。
**IBM watsonx Challengeは、IBM社内で開催される企業主催イベントです。記載された結果は、参加チームによる自己報告データに基づいています。
IBMソフトウェア・チームは、多分野にわたる専門家のチームです。この部門は、ソフトウェア・ソリューションの多様なポートフォリオの概念化・設計・開発・テスト・提供・保守を担います。同社のポートフォリオには、エンタープライズ・ソフトウェアやクラウド・コンピューティング、人工知能、ブロックチェーン、その他の新興テクノロジーが含まれます。IBMソフトウェア・チームは、金融サービスやヘルスケア、小売業、官公庁・自治体など、さまざまな業界やクライアントの複雑なビジネス・ニーズに対応し、ソフトウェア主導のソリューションを通じてビジネスの成長、イノベーション、トランスフォーメーションを推進します。
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