IBMの開発ツールまたは製品を使用しているお客様に問題が生じた場合、IBMの社内開発サポートチーム(レベル2と3の両方)にサポートと専門知識を求めます。 サポート・チケットが作成されると、その根本的な問題を解決するためには、多くの場合、複数のサポートチームの介入が必要となり、チーム間の連携が必要になります。これには、チーム間の真のコラボレーションが欠かせません。やり取りがスムーズでシームレスであるほど、解決までの時間を短縮できます。
IBM社内では、これらのサポートチームの一部は、チケットへの対応業務の管理を手動で行っていることにより、解決までに時間がかかってしまっていることを認識していました。 問題の主な原因は、レベル2とレベル3のチームが業務を行うにあたって、2つの異なるチケット発行システム(GitHub Enterpriseプラットフォーム上で稼働する社内向けシステムと、Salesforceプラットフォーム上のIBM ® Sales Cloud上のお客様向けシステム)を使用する必要があったことです。 手動プロセスと接続されていないシステムの組み合わせにより、ヒューマン・エラーや重要なコミュニケーションの遅延により、手順のミスが生じることがありました。 典型的には、チケットのステータスが1つのシステムで更新されたものの、別のシステムでは「フラグ」が立てられなかったため、ステータスが変わっても、お客様には伝わっていませんでした。
こういった問題により、サポート担当者の不満が生じ、影響を受けたお客様のNPSスコアが低下しました。
Cloud Integration組織の約20%を構成する社内サポートチームの開発者グループがこの複雑な状況、ならびに顧客体験を改善する機会を認識し、行動を起こしました。 IBM App Connect Enterprise(ACE)ソリューションを活用して、チーム間のプロセス・フローを自動化し、チケットのステータスをより透明で管理しやすいものにするための新しい社内ツール、ACE Case Botを開発しました。
新しいプロセスでは、App Connectの柔軟な展開オプションを活用します。 このプロセス・フレームワークでは、オンプレミスのIBM App Connect EnterpriseがGitHub Enterpriseプラットフォーム上で、開発サブチーム間の手動タスクとやり取りを自動化し、IBM App Connect SaaSソリューションがIBM Sales Cloud上で、お客様のケースに対して同じ機能を実行します。 ACE Case Botソリューションの開発には約6か月を要しましたが、導入後、すぐにメリットが明らかになりました。
お客様のチケットのステータスに関しては、正確さの次に重要なのが可視性です。 ACE Case Botを通じて、まずSalesforceとGitHubのチケット発行システム間でチケットのステータスを自動的に同期し、続いてSlack経由で適切なサブチームや担当者に自動通知することで、これら両方を実現することができました。 ACE Case Botにより、すべてのチケットのステータス・レベルが統合されたダッシュボード・ビューが得られ、エスカレーション・レベルに応じて視覚的に強調表示されるため、チケットが「見落とされた」場合の混乱に対処できます。
現在、ACE Case BotソリューションはIBM 社内の少数のサポートチーム(Cloud Integration組織全体の約20%)で使用していますが、同ソリューション開発に大きく貢献したソフトウェア・エンジニアのHasan Rizviは「これまでの成果は、組織内の他のチームからも評価されています」と言います。 「ACE Case Botを活用しているチームでは、解決までの平均時間が23%短縮されました。2022年第4四半期の導入前には、12日かかっていた解決までの平均時間が、2023年第4四半期には9.27日にまで短縮されました」また、「これまでの成功体験から、プロセスの自動化とApp Connectこそが、効率アップとビジネス価値を実現するための強力な組み合わせであることを示しています」
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2024年1月
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