ホーム ケーススタディ Elonen Oy 大きなビジョンを持つ小さなパン屋がデジタル化を導入
プロセスを最適化して、ベーカリーのニーズを満たす
焼きたてのガーリックロールとまな板の上のニンニクの頭

フィンランド中部のヤムサにあるベーカリー「Elonen Oy」では、カフェで食事を楽しんだり、フィンランド全土の小売店で顧客が購入できるように、おいしい焼き菓子を毎日製造しています。メイン施設で約200名を雇用し、地域および全国への流通向けにケーキやパン、クッキーなどを焼いて包装しています。

1966年の創業後、最初の数年間は事業を拡大し、1977年にはペストリーに地元産の焼きたてパンを加えました。2013年には、製造施設を改装するなど、常に時代と顧客の好みに合わせて成長し、適応してきました。2017年に焼き菓子の全国への毎日流通をスタートすると、Elonens商品の需要が急増しました。

ビジネスの成長に合わせて、業務プロセスを強化するために、さまざまなIT・自動化システムを導入しました。これにより、意思決定に活用されていないデータが急増しました。

Elonen社のCEO(最高経営責任者)であるJari Elonen氏は次のように述べています。「データを活用して、ルーチン作業に自動化に取り込み、業務効率と競争力を高めるためにはどうすればよいか、考え始めました」

Jari Elonen氏は、自身の課題について、IBMのPasi Korpelaに相談しました。二人はデジタル・トランスフォーメーションと、カスタマー・エクスペリエンス向上のための、データの効果的な活用方法について議論し始めました。Kopelaは、小売およびパッケージ商品の専門知識を持つフィンランドの分析会社、Houston Analytics社に相談することを勧めました。Houston Analytics社は、データと自動化の有用性について話し合うため、Elonen社を訪れました。

早い段階で、「ケーキは一度に一つずつ食べなければならない」ことに皆が同意しました。具体的には、IBMとHouston Analytics社は、1つの大規模な変革プロジェクトではなく、個々の問題を1つずつ特定・解決する必要があるという意味です。このようにして、Elonen社は実証済みの恩恵を受けることができます。

Elonen社が取り組みたかった最初の問題は、梱包プロセスの最終ステップ、出荷前の商品ラベルの印刷と分類に関するものでした。このプロセスは大部分が手作業で行われており、非常に時間がかかり、出荷の遅延につながっていました。商品のデータと顧客のデータは、アウトソース先の別のデータベースに保存されており、注文を梱包して出荷する際に、これらのデータをつなぎ合わせることが困難でした。

生産性の向上

作業の生産性向上により、
サプライチェーンの効率が20%以上アップ

作業効率の改善


梱包・ラベル貼り作業の効率が大幅に向上

梱包ステーションがボトルネックでした。そのため、注文を受け取ってから商品がトラックに積み込まれるまでのプロセス全体を見直す必要がありました。 Markku Breider Director of Business Development Houston Analytics社

既存のアウトソースの注文システムでは、データを分析・操作して、商品や配送先に基づいて配送ラベルを印刷することができませんでした。注文が届くたびに、ラベルがプリンターから印刷されるだけでした。2人の作業員が単独でプリンターからラベルを取り出し、切り分けて、商品ごとに仕分けする責任を負っていました。他の倉庫作業員は、商品ごとに溜まったラベルを拾い上げ、焼き菓子を倉庫から取り出し、ラベルを貼り、分類して出荷用のパレットに置きます。たとえ同じ顧客がパレットいっぱいのチョコレートケーキを注文した場合でも、ケーキ1つひとつにラベルを貼っていました。

「実際、梱包ステーションがボトルネックでした」とHouston Analytics社でDirector of Business Developmentを務めるMarkku Breider氏は言います。「そのため、注文を受け取ってから商品がトラックに積み込まれるまでのプロセス全体を見直す必要がありました」

データを活用して、ビジネス・プロセスを改善

IBMとHouston Analytics社は、Elonen社と連携して、データとアナリティクスを適用して、倉庫作業で増大するボトルネックの解消を目指しました。「私たちはすぐに、データだけでは何も変わらない、梱包プロセス全体を変える必要があることに気づきました」とBreider氏は言います。「全体像を把握して、説明できるようになれば、プロセスのさまざまな意思決定にデータを活用することができます。

このプロジェクトは、ベーカリーのシステムとデータ・ソースを評価して、マッピングするための事前調査から始まりました。早い段階で、Jari Elonen氏は、IBM、Houston Analytics社、複数のITアウトソーシング・プロバイダー間での会議を手配し、彼らをプロジェクトに参加させました。彼らがデータを管理しているため、より適した梱包・ラベル付けプロセスを構築するには、彼らに参加してもらう必要がありました。

2019年末までに、Houston Analytics社はトランスフォーメーション・ロードマップを作成しました。データ分析を通じてプロセスを最適化するために、 IBM® ILOG® CPLEX® Optimization Studioソリューションが推奨されました。Houston Analytics社は、すぐに主要なコンサルティングの役割に移行し、2020年初頭には、IBMから業務を完全に引き継ぎました。

最初のステップとして、Houston Analytics社は同期データ・モデルを構築し、データ・ウェアハウスを導入して、Elonen社がさまざまなアウトソーシング・システムに接続して、データを活用できるようにしました。このデータ・ウェアハウスは現在、予測、分析、予想の土台として使用されており、Elonen社のデジタル・トランスフォーメーション・プロジェクトを支援しています。

IBM ILOG CPLEXソリューションを使用することで、Elonen社はラベル付けおよび梱包プロセスを最適化し、効率を高めています。このソリューションは、受信した注文データを分析して、梱包およびラベル印刷プロセスを最適化します。具体的には、顧客、配送ルート、配送日、その他のパラメーターごとにラベルを印刷できます。

IBM ILOG CPLEXソリューションは、毎日の注文の梱包とパレット化のための最適化されたプランも提供しています。たとえば、注文された数量に応じてどのパレットを使用する必要があるか、各タイプのパレットが何個必要か、また商品をどのようにパレット間で分割し、パレット上で整理すればよいかを計算できます。ラベルが梱包の正しい順序で印刷されるため、作業者は倉庫から商品を取り出して、パレットに並べる作業を迅速に行うことができます。

「Elonen社は、ラベルの印刷方法を選択できるようになりました」とBreider氏は言います。「これにより、倉庫から商品を受け取る際の柔軟性が格段に改善され、梱包ステーションでの効率も大幅に向上します」

1つの優れたダッシュボードは、100枚のレポートに勝ります。 Jari Elonen 最高経営責任者 Elonen Oy
焼き菓子をより早くお届け

Elonen社は、データ主導のデジタル・トランスフォーメーションに向けたスタートを切りました。注文管理、印刷、ラベル付け、梱包の各プロセスを最適化するために、IBM ILOG CPLEXソリューションを導入した直後に、ラベルを剥がして仕分けることが唯一の仕事であった2名の作業員を、倉庫内の興味深い業務に移動させることができました。退屈な作業は完全に排除されました。さらに、労働者の生産性が向上したおかげで、サプライチェーンの効率が20%以上向上しました。

Elonen社は、このシステムを活用して、他の業務効率も改善できることに期待しています。倉庫管理者は、新しいダッシュボードから、必要なパレットの数とタイミング、入荷した注文を追跡・管理できます。同社は初めて、将来の注文を1日前、もしくは数週間前に把握できるようになり、効率を高めるために商品を事前に梱包できるようになりました。Jari Elonen氏は、「1つの優れたダッシュボードは、100のレポートに勝ります」と言います。

Houston Analytics社は、倉庫でのプロセスの再設計で重要な役割を果たし、Elonen社の顧客データと注文データに対する新しい可視性と分析・活用を通じて、効率を高めました。たとえば、パレット全体を埋めるのに十分な量の注文が入った場合、パレット上の商品ごとではなく、パレット全体に対して1つのラベルを印刷できるため、時間と労力を大幅に節約できます。

「プロセスは大幅に改善されました」とBreider氏は言います。「データ・ドリブンのプロセスにより、Elonen社の梱包プロセスの可視性と柔軟性が大幅に向上しました」

Elonen社は、柔軟性と効率の向上により、最終的には、顧客への配送サービスも改善されると期待しています。会社が成長するにつれて、商品の需要増加に応えるためには、最適化された梱包プロセスが重要になります。

フィンランドの小さなパン屋さんは、ビジネスの他の領域にも活用できるビッグデータと分析ソリューションを手に入れました。Elonen社はすでに将来の重要な優先事項を見据えており、Houston Analytics社はデータ・ウェアハウスと分析ソリューションで次にできることのロードマップ作成を支援しました。

「これは私たちの将来のビジョンにもつながります」とJari Elonen氏。「市場の細分化により、私たちは消費者のニーズをより深く理解し、品揃えを改善し、各エリアの消費者が購入したいものを提供できるようになります。これにより、小売パートナーにとっても、より多くの価値を生み出すことができます」

同社は最近、フィンランドの別のベーカリーを買収しました。Houston Analytics社は、分析ソリューションを活用して、買収したベーカリーとElonen社間の相乗効果を高められるエリアをすでに見つけています。

「これがElonen社にとっての最大のメリットだと言えます」とBreider氏は言います。「Jari Elonen氏は、明確なビジョンを持っています。彼らは興味を持っており、私たちを信頼してくれています。テクノロジーについてすべてを知っているわけではなくても、データ分析を活用することは可能です」

Elonen OyとHouston社のロゴ
Elonen Oyについて

Raimo Elonen氏と妻は、1966年にフィンランドのヤムサでElonenベーカリーを創業しました(リンク先は、ibm.comの外部です)。現在では、パン職人から保守作業員まで、約250名の従業員が働いています。2013年に最先端の生産施設を開設し、10軒のカフェと8軒のベーカリーショップで顧客にサービスを提供し、フィンランド全土に毎日焼き菓子を届けています。2021年の売上見込みは、約4,720万米ドルです。

Houston Analytics Oyについて

ほとんどの「データサイエンス」が、プロトタイプの段階を超えることのない、単発の、手作業でコード化された分析で構成されている世界で、Houston Analytics社(リンク先は、ibm.comの外部です)のアプローチは、予測分析と世界クラスの最適化を産業レベルに引き上げます。2013年にフィンランドのヘルシンキで設立された同社は、顧客のビジネス・プロセスに分析をシームレスに組み込み、一度に1つの意思決定ポイントで成果の向上と収益の増加を実現します。

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2021年7月、米国で制作。

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