リゾルバー・キャッシング

リゾルバーとの関連においては、キャッシングは、解決された DNS 照会からの情報を、再使用できるように保管および格納することと定義されます。キャッシュとは、その情報が保持されるメモリー領域です。キャッシングの主な利点は、ネーム・サーバーへの反復的な照会がなくなることによってパフォーマンスが向上することです。

例えば 図 1 で示す構成では、ローカルのキャッシング専用 DNS ネーム・サーバーは、ある程度のリソース・キャッシングを提供するように定義されます。

図 1. ローカルのキャッシング専用ネーム・サーバーの例
referral (委託) および応答のキャッシングによるローカル・ネーム・サーバーの再帰的照会プロセス

図 1 で示したキャッシング専用ネーム・サーバー・モデルでは、リゾルバーは host.raleigh.ibm.com に対する要求を受け取るとローカル・ネーム・サーバーに接続します (矢印 1 を参照)。ローカル・ネーム・サーバーは、その後、標準のネーム・サーバー処理を実行してそのリソースを見つける必要があります。それらの処理には、1 つ以上のネーム・サーバーとの接続が含まれる可能性があります (矢印 2 から 9 を参照)。照会されたホスト名に対して信頼できる応答を提供できるネーム・サーバーが見つかり、その応答がローカル・ネーム・サーバーに返されると、ローカル・ネーム・サーバーはその情報をキャッシュして、リゾルバーに転送します (矢印 10)。

ただし、図 1 で示したキャッシング専用ネーム・サーバー・モデルでは、以降にリゾルバーに対して行われる host.raleigh.ibm.com に関する情報の要求で、キャッシュされた結果を取得するために、依然として、DNS 照会を作成してローカル・ネーム・サーバーに転送する必要があります。図 2 で示すように、リゾルバー自体がその情報をキャッシュする場合は、この DNS 照会を行わないようにすることができます。

図 2. リゾルバー・キャッシングの例
ネーム・サーバー応答のリゾルバー・キャッシング

リゾルバー・キャッシング・モデルでは、リゾルバー・キャッシュの初期照会 (矢印 1) でホスト名情報が返されない場合、その DNS 照会はネットワーク・ネーム・サーバーへ送信されます (矢印 2)。ネットワーク・ネーム・サーバーには、host.raleigh.ibm.com に関してキャッシュされた情報が既に存在する場合も存在しない場合もあります。 応答を受け取ると (矢印 3)、リゾルバーはその情報をキャッシュし (矢印 4)、host.raleigh.ibm.com に対する後続の要求に DNS 照会なしで応じることができます (矢印 4)。

リゾルバー・キャッシングは、以下の理由から有益です。

キャッシング専用ネーム・サーバーを使用しており、リゾルバー・キャッシングを使用したい場合は、ローカル・キャッシング専用ネーム・サーバーからリゾルバー・キャッシングへのマイグレーションを参照してください。

選択したアプリケーションに対してリゾルバー・キャッシングを無効にすることができます。詳しくは、選択したアプリケーションでキャッシングを使用不可にするためのステップを参照してください。