strmqm
キュー・マネージャーを始動します。または スタンバイ操作に向けて準備します。
目的
strmqm コマンドは、キュー・マネージャーを始動するために使用します。
strmqm コマンドは、作業対象のキュー・マネージャーに関連付けられたインストール済み環境から使用する必要があります。dspmq -o installation コマンドを使用して、どのインストールがキュー・マネージャーと関連しているかを調べることができます。
キュー・マネージャーにインストール済み環境が関連付けられておらず、システムに IBM® WebSphere® MQ バージョン 7.0.1 のインストール済み環境がない場合は、strmqm コマンドにより、strmqm コマンドを発行したインストール済み環境がキュー・マネージャーに関連付けられます。
キュー・マネージャーの開始に数秒より長い時間がかかる場合、IBM WebSphere MQ は、開始の進行状況の詳細を示す断続的な情報メッセージを表示します。
使用上の注意
IBM WebSphere MQ バージョン 7.5.0、フィックスパック 9 以降、strmqm コマンドは、キュー・マネージャーが完全に始動する前の早い段階で、qm.ini ファイルの CHANNELS および SSL スタンザの構文を検査します。qm.ini ファイルにエラーが含まれている場合、この検査によって容易に問題の内容を把握したりそれを迅速に修正したりできるようになります。 エラーが検出された場合、strmqm は AMQ9224 エラー・メッセージを出力し、qm.ini ファイル内のエラー位置を詳細に記載します。 また、キュー・マネージャーを始動せずに即座に終了します。
構文
>>-strmqm--+-----------------------+--+-----+--+-------+--------> +- -c ------------------+ '- -f ' +- -si -+ +- -r ------------------+ '- -ss -' +- -a ------------------+ +- -x ------------------+ '- -e CMDLEVEL=--Level -' >--+------------------+--+------+--+------+--+----------+------>< '- -d -Information-' '- -z -' '- -ns-' '-QMgrName-'
オプション・パラメーター
- -a
- 指定のバックアップ・キュー・マネージャーをアクティブにします。
バックアップ・キュー・マネージャーは始動しません。
バックアップ・キュー・マネージャーは、アクティブにすると、制御コマンド strmqm QMgrName を使用して開始することができます。 バックアップ・キュー・マネージャーのアクティブ化要求により、偶発的な開始が回避されます。
バックアップ・キュー・マネージャーをアクティブ化した後は、更新できなくなります。
バックアップ・キュー・マネージャーの使用の詳細については、IBM WebSphere MQ キュー・マネージャー・データのバックアップと復元を参照してください。
- -c
- キュー・マネージャーを始動し、デフォルトおよびシステム・オブジェクト
を再定義してから、キュー・マネージャーを停止します。キュー・マネージャーに属する既存のシステムおよびデフォルト・オブジェクトは、このフラグを指定すると置き換えられ、非デフォルトのシステム・オブジェクト値はリセットされます (例えば、MCAUSER の値はブランクに設定されます)。
crtmqm コマンドを使用して、キュー・マネージャーのデフォルト・オブジェクト およびシステム・オブジェクトを作成します。
- -d Information
- 情報メッセージを表示するかどうかを指定します。Information の可能な値は、次のとおりです。
all すべての情報メッセージが表示されます。 このパラメーターがデフォルト値です。 minimal 最小数の情報メッセージが表示されます。 none 情報メッセージは表示されません。 このパラメーターの機能は、-z と同等です。 -z パラメーターは、このパラメーターより優先されます。
- -e CMDLEVEL=Level
- このキュー・マネージャーのコマンド・レベルを有効にしてから、キュー・マネージャーを停止します。
キュー・マネージャーは、指定したコマンド・レベルにより提供される全機能を使用できるようになります。新しいコマンド・レベルをサポートするインストール済み環境でのみ、このキュー・マネージャーを開始できます。
このオプションは、キュー・マネージャーにより使用される現在のコマンド・レベルが、インストール済み環境によりサポートされる最高のコマンド・レベルより低い場合にのみ有効です。キュー・マネージャーの現在のコマンド・レベルより高く、インストール済み環境でサポートされる最高のコマンド・レベル以下であるコマンド・レベルを指定してください。
有効にする機能に関連付けられている Level の値と同じコマンド・レベルを使用します。
このフラグを -a、-c、-r、または -x とともに指定することはできません。
- -f
- キュー・マネージャーのデータ・ディレクトリーが欠落または破損しているために
キュー・マネージャーが始動していないことが分かっている 場合に、このオプションを使用します。
strmqm -f qmname コマンドは、キュー・マネージャーのデータ・ディレクトリーを再作成してファイルの許可を再設定しようとします。成功した場合は、キュー・マネージャー構成情報が欠落していなければ、キュー・マネージャーは始動します。構成情報が欠落しているためにキュー・マネージャーが始動できない場合は、 構成情報を再作成して、キュー・マネージャーを再始動します。
IBM WebSphere MQ バージョン 7.0.1 より前では、strmqm は -f オプションが指定されていなくても自動的にデータ・ディレクトリーの欠落を修復してから始動しようとしていました。この動作は変更されました。
IBM WebSphere MQ バージョン 7.0.1 以降 では、-f オプションを指定しない strmqm のデフォルトの動作が、 欠落または破損したデータ・ディレクトリーを自動的にリカバリーすることではなく、 エラー (AMQ6235 や AMQ7001 など) を報告して、キュー・マネージャーを開始しない ことに変わりました。
-f オプションは、 これまでは strmqm によって自動的に実行されていた リカバリー・アクションの実行と見なすことができます。
strmqm の動作が変更された理由は、IBM WebSphere MQ バージョン 7.0.1 の ネットワーク・ファイル・ストレージに対するサポートにより、 キュー・マネージャーのデータ・ディレクトリーの欠落や破損が、データ・ディレクトリーが破損したりリカバリー不能な程度まで使用不可になったりしたことではなく、 主に修正可能な構成エラーが原因で生じるようになったことによります。
構成を修正することによってキュー・マネージャーのデータ・ディレクトリーを復元できる場合は、strmqm -f を使用 してデータ・ディレクトリーを再作成しないでください。
strmqm での問題に対して可能な解決法としては、キュー・マネージャーがネットワーク・ファイル・ストレージ・ロケーションにアクセスできるようにするか、キュー・マネージャーをホスティングするサーバー上のユーザー ID と mqm グループのグループ ID およびユーザー ID と、キュー・マネージャーのデータ・ディレクトリーをホスティングするサーバー上のユーザー ID と mqm グループのグループ ID およびユーザー ID を一致させる方法があります。
IBM WebSphere MQ バージョン 7.0.1 からは、キュー・マネージャーにメディア・リカバリーを実行する場合に、-f オプションを使用してキュー・マネージャーのデータ・ディレクトリーを再作成する必要があります。
- -ns
- キュー・マネージャーの始動時に以下のプロセスが自動的に開始されることがなくなります。
- チャネル・イニシエーター
- コマンド・サーバー
- リスナー
- サービス
- -r
- バックアップ・キュー・マネージャーを更新します。バックアップ・キュー・マネージャーは始動しません。
WebSphere MQ は、キュー・マネージャーのログを読み取ってオブジェクト・ファイルへの更新をやり直すことにより、バックアップ・キュー・マネージャーのオブジェクトを更新します。
バックアップ・キュー・マネージャーの使用の詳細については、IBM WebSphere MQ キュー・マネージャー・データのバックアップと復元を参照してください。
- -si
- 対話式 (手動) キュー・マネージャー始動タイプ。
このオプションは、IBM WebSphere MQ for Windows でのみ使用可能です。
キュー・マネージャーはログオン (対話式) ユーザーの下で実行されます。対話式始動で構成されたキュー・マネージャーは、キュー・マネージャーを開始したユーザーがログオフすると終了します。
このパラメーターを設定すると、以前に crtmqm コマンド、amqmdain コマンド、または IBM WebSphere MQ エクスプローラーで設定した始動タイプはすべて指定変更されます。
-si または -ss のいずれの始動タイプも指定されなかった場合は、crtmqm コマンドで指定されたキュー・マネージャー始動タイプが使用されます。
- -ss
- サービス (手動) キュー・マネージャー始動タイプ。
このオプションは、IBM WebSphere MQ for Windows でのみ使用可能です。
キュー・マネージャーはサービスとして実行されます。サービス始動で構成されたキュー・マネージャーは、対話式ユーザーがログオフした後も継続して実行されます。
このパラメーターを設定すると、以前に crtmqm コマンド、amqmdain コマンド、または IBM WebSphere MQ エクスプローラーで設定した始動タイプはすべて指定変更されます。
- -x
ローカル・サーバーで複数インスタンス・キュー・マネージャーのインスタンスを開始して、 可用性を高くすることができるようにします。 キュー・マネージャーのインスタンスが他のどの場所でもまだ実行されていなければ、 キュー・マネージャーが開始され、そのインスタンスがアクティブになります。アクティブ・インスタンスは、 ローカル・サーバー上のキュー・マネージャーへのローカルおよびリモート接続を受け入れられるようになります。
複数インスタンス・キュー・マネージャー・インスタンスが別の サーバーですでにアクティブになっている場合、 新しいインスタンスがスタンバイになり、アクティブなキュー・マネージャー・インスタンスから引き継ぐことができる状態になります。 スタンバイである間は、ローカルまたはリモート接続を受け入れることはできません。
同じ サーバーでキュー・マネージャーの 2 つ目のインスタンスを開始することはできません。
デフォルトの動作である、-x オプション・パラメーターの省略では、 単一インスタンス・キュー・マネージャーとしてインスタンスが開始され、 スタンバイ・インスタンスの開始は許可されません。
- -z
- エラー・メッセージを抑制します。
このフラグは、不要な情報メッセージを抑制するために IBM WebSphere MQ 内で使用します。このフラグを使用すると情報が失われる可能性があるので、コマンド行からコマンドを入力する場合には、このフラグを使用しないでください。
このパラメーターは、-d パラメーターより優先されます。
- QMgrName
- ローカル・キュー・マネージャーの名前を指定します。省略すると、デフォルトのキュー・マネージャーが使用されます。
戻りコード
戻りコード | 説明 |
---|---|
0 | キュー・マネージャーが始動しました。 |
3 | キュー・マネージャーは作成中です。 |
5 | キュー・マネージャーは実行中です。 |
16 | キュー・マネージャーがありません。 |
23 | ログが利用不能です。 |
24 | キュー・マネージャーの以前のインスタンスを使用していたプロセスは、まだ切断されていません。 |
30 | キュー・マネージャーのスタンバイ・インスタンスが開始されました。 アクティブ・インスタンスは他の場所で実行中です。 |
31 | キュー・マネージャーにはすでにアクティブ・インスタンスがあります。 キュー・マネージャーはスタンバイ・インスタンスを許可します。 |
39 | 無効なパラメーターが指定されました。 |
43 | キュー・マネージャーにはすでにアクティブ・インスタンスがあります。 キュー・マネージャーはスタンバイ・インスタンスを許可しません。 |
47 | キュー・マネージャーにはすでに最大数のスタンバイ・インスタンスがあります。 |
49 | キュー・マネージャーが停止中です。 |
58 | インストールの不整合な使用が検出されました |
62 | キュー・マネージャーは別のインストール済み環境に関連付けられています。 |
69 | ストレージが利用不能です。 |
71 | 予期しないエラーです。 |
72 | キュー・マネージャー名のエラーです。 |
74 | WebSphere MQ サービスが始動していません。 |
91 | コマンド・レベルが許容値の範囲外です。 |
92 | キュー・マネージャーのコマンド・レベルが、指定した値以上です。 |
100 | ログの位置が無効です。 |
119 | このユーザーは、キュー・マネージャーを始動することを許可されていません。 |
例
strmqm account