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Smarter Business

ネスレ日本が実践するマーケティング発想のマネジメント

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※このコンテンツは2015年10月に日本経済新聞 電子版の広告特集「グローバル経営層スタディ、世界をリードする経営者たちの声」に掲載した内容の抜粋で、取材対象者の役職はインタビューを行った時点のものです。
 

「キットカット受験生応援キャンペーン」「ネスカフェ アンバサダー」など、従来にないマーケティング、ビジネスモデルによって、成熟市場の日本で着実な成長を遂げているネスレ日本。フィリップ・コトラー氏と親交があり、企業のあらゆる部門にマーケティング発想が必要であり、「顧客の課題を解決すること」こそがマーケティングであると説くネスレ日本の高岡浩三社長兼CEOに、その真意を聞いた。

 

マーケティングとは何か? この質問に答えるのはとても難しい

── マーケティングが日本でなかなか根付かない理由は何だと思いますか。

ネスレ日本 代表取締役社長兼CEO 高岡 浩三 氏

             ネスレ日本 代表取締役社長兼CEO 高岡 浩三 氏

高岡 浩三 氏 ネスレ日本 代表取締役社長兼CEO(以下、高岡氏):
マーケティングとは何か、この質問に答えるのはとても難しいことだと思います。私は自分の経験から、もっと分りやすい言葉で表現すべきと考え、次のように言うことにしています。

「マーケティングとは、顧客が抱える問題をいかに解決するか」

これにはマーケティングの権威であるフィリップ・コトラー氏にも同意してもらっています。最近、彼は日本のテレビ局の取材インタビューで、この通りに答えていました。

しかし、ここで難しいのは「顧客」とは一体誰なのかということです。

ネスレ日本は食品メーカーですから、一般消費者が顧客です。しかし、営業担当者にとっては取引先も顧客ですし、サプライチェーン担当者であればサプライヤーは仕入れ先ではなく顧客と考えるべきです。さらに言えば、人事部の顧客とは社員です。会社の各部門がそれぞれの顧客が抱える問題を解決する、これがマーケティング発想であり、それぞれの立場でイノベーションを起こすべきなのです。

会社全体がこのような考え方に立つことができなければ、マーケティング発想ができる企業にはなれません。マーケティングはマーケティング部門や経営企画部がやっていればいいというような考えでは、到底かなわないのです。

── 会社全体がマーケティング発想できなければならない、とするとさらにハードルが上がるように思います。

高岡氏:
マーケティング発想ができる企業になるために、もっとも難しいと考えるのが次のことです。

「顧客が抱える問題を特定すること」

私はマーケティングの中で顧客の問題を捉えることが最も難しいと考えています。
問題には2つの種類があります。

  • 顧客が既に認識している問題の解決 → リノベーション
  • 顧客がまだ認識していない問題の解決 → イノベーション

大きな成功を収めるためには、「顧客がまだ認識していない問題」を解決し、イノベーションを起こすことが必要なのです。

例えば、スティーブ・ジョブズ氏がやったことが良い例です。彼は「これまでになかった製品について消費者調査をするのは無理です。とにかく作って顧客に見せ、どう思うかと問うしかありません」と言っています。彼は顧客が想像もしていないような製品やサービスを作り、顧客が製品やサービスに触れ、後になって考えてみると「便利になった、快適になった」と感じるものを提供することで顧客がまだ認識していない問題を解決しました。スティーブ・ジョブズ氏はテクノロジーを組み合わせることでそれを実現し、Appleのビジネスモデルは変わりました。

先陣への希求

              出典:IBM グローバル経営層スタディ2015

私は、既存のビジネスモデルを変革せざるを得ないところまで到達しないと、顧客の問題は解決できない可能性が高いと考えています。ややもすればビジネスモデルの変革の話が先にくる場合があります。しかしそれは順番が逆です。

私自身の経験からも、問題を見いだすことはとても難しく、物事を本当に深く考えることが大切だと考えています。特に若い社員には物事を深く考える教育を徹底しなければ、マーケティング視点を持った人材は現れてこないのではないかと思っています。

 

人口動態を読んでいたから400万台以上のコーヒーマシンが売れた

── ネスレ日本はコーヒー文化を日本に根付かせた存在であり、現在もコーヒーに関わるビジネスで大きな存在です。なぜ、継続して成功を続けることができるのでしょうか。

高岡氏:
日本は世界有数のコーヒー消費大国です。その数は1年で500億杯です。

実は日本のコーヒー市場のイノベーションはすべてマシンのイノベーションといっても過言ではありません。1980年代に家庭でレギュラーコーヒーが普及したのも、家庭用のドリップ式コーヒーメーカーの登場によるもので、さらに、缶コーヒーの市場の拡大は、自動販売機の保温機能(ホットベンディング)を開発したことによるものです。

これらはすべてコーヒーをおいしく飲むためのマシンを開発することで顧客がまだ認識していない問題を解決しているのです。
さらに、最近では、「ネスプレッソ」や「ネスカフェ ドルチェ グスト」のようなカプセル式一杯抽出型コーヒーマシン、また、「ネスカフェ レギュラーソリュブルコーヒー」で淹れる「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」が発売され、少人数世帯の増加により、家庭でのコーヒーの消費が家庭から個人へと変化し、これまでのドリップ式コーヒーメーカーで一杯ずつコーヒーをいれたり、お湯を沸かしたりするのは不便だという問題を解決しました。これは顧客がまだ認識していない問題だったのです。

成功した後になって見れば、人口動態が変化していることで消費行動が変化していたことに応えたとシンプルに言うことができます。しかし、これをその時点で理解できていたかどうか、これをマーケッターが読み取れていたかどうか、ということが大きなポイントです。

── 成功したコーヒーマシンをさらに別の領域に広げていく、非常にユニークな取り組みが成功しています。

高岡氏:
1年で500億杯のうちの125億杯、4杯に1杯は実は「ネスカフェ」です。しかし「ネスカフェ」はほとんどが家庭での消費でした。そこで家庭用で普及した「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」などのマシンを家庭以外の場所での問題解決に使えないかと考え、「ネスカフェ システム インサイド」というビジネスモデルを考案しました。

1つはオフィス向けの「ネスカフェ アンバサダー」です。「ネスカフェ アンバサダー」に登録すると無償でコーヒーマシンをオフィスに設置し、カプセルまたはカートリッジを定期購入していただきます。オフィスの同僚が30円ぐらいを貯金箱に入れることで、皆でおいしいコーヒーを楽しむことができます。
2015年10月時点ですでに20万人を超えるネスカフェ アンバサダーが登録されており、コーヒー1台を10名以上が使用していると考えると、日々200万人の方に、年間では10億杯以上のネスカフェを楽しんでもらえるサービスとなりました。

オフィスの自動販売機には既に缶コーヒーがある中、20世紀型のマーケティングでターゲットやカテゴリーを規定して考えていては、「ネスカフェ」で勝つことはできません。顧客の課題を解決しようと考え抜いた結果、新しいビジネスモデルを考案することになったのです。

2つめはカフェ、喫茶店に「ネスカフェ サテライト」として「ネスカフェ」をメニューとして導入してもらいました。現在500店舗に採用され、2020年には2,000店舗を目指しています。

3つめの「カフェ・イン・ショップ」では、そもそも私たちの顧客であるスーパーマーケットのイートインコーナーなどに50~100円で楽しめるコーヒーを提供しています。

外から見た自社:「さきがけ企業」は、トップで居続けるために、現状に安住せず常に変革している

               出典:IBM グローバル経営層スタディ2015

 

ネスカフェ アンバサダーは「マーケティング4.0」を体現

── 「ネスカフェ システム インサイド」は、それぞれビジネスモデルが大きく異なります。取り組みの難しさはどうでしたか。

高岡氏

高岡氏:
当初成功するかどうか確信をもっていなかったのが「ネスカフェ アンバサダー」でした。自らがクレジットカードでコーヒーを購入し、同僚からコーヒー代金を集める役割を担い、職場の皆さんにコーヒーを手軽な価格で提供しようというモチベーションを理解することに当初苦慮しました。テストマーケットとして特定地域で「ネスカフェアンバサダー」を募集したところ、2週間で1,200人の応募が集まりました。その方々といっしょにサービスを提供しながら、調査を行いました。

当初想定していた以上の大きな価値ももたらしていることがわかりました。職場のコミュニケーションの活性化です。今の職場環境は、一人一台のスマートフォンやパソコンによって会話が極端に少なく、コミュニケーションが希薄です。そうした環境にコーヒーマシンが現れ、その周りに立ち止まって会話するコーナーが生まれました。これによって、職場の雰囲気がとても良くなったのです。

「ネスカフェ アンバサダー」の方々は、おいしいコーヒーと活発な職場のコミュニケーションの場を提供し、職場の仲間が喜び、感謝してくれることにとても満足感を得ていました。これはフィリップ・コトラー氏の「マーケティング4.0」で言われていることであり、「マズローの法則」の最上位の自己実現欲求にあたります。フィリップ・コトラー氏にも、「ネスカフェ アンバサダー」の取り組みが、彼が思い描いていた最先端である「マーケティング4.0」を体現していると評価されました。

そして、もう1つ私たちネスレ日本もまったく想定していなかった価値が生まれました。「ネスカフェ アンバサダー」は高齢化社会の課題を解決できていたのです。

ある時、地域の人口が数百人という村の70代の方が「ネスカフェ アンバサダー」に登録されました。毎日その方の家にご近所の独り暮らしの方々が集まってコーヒーを飲む会があり、一人でコーヒーを出していると負担が大きいので、「ネスカフェ アンバサダー」に登録してみんなに少しずつお金を出してもらうことにしたというのです。

これは地域の独り暮らしの方々が考えた安否確認のための知恵ですが、来ない人がいたら帰りに誰かが訪ねているそうです。そして、こうした高齢の「ネスカフェ アンバサダー」がたくさんいらっしゃるのです。これにはとても驚きました。

私たちネスレ日本は独り暮らしの高齢者の増加という問題があることは知っていても、「ネスカフェ アンバサダー」で解決できるとは事前に気づけませんでした。それだけではなく、地域コミュニティの活性化にも貢献できていたのです。これらは、施策を実際にやってみて結果が出てみて、初めて知ることができたのです。繰り返しになりますが、マーケティングにおいて顧客が抱える問題を特定することは、それほどまでに難しいことなのです。

 

企業のすべての部門がマーケティング発想する

── 素晴らしい成果ですね。そうしたマーケティング発想の取り組みが企業に浸透していくとどのようなことが起こるのでしょうか。

高岡氏:
日本では、人事や営業がマーケティングに基づいて行動しているケースがほとんどありません。

私が社長になってから、600人の営業が400人に減りましたが、売上は伸びています。営業が減っても問題がないのは営業先の状況変化に対応して、組織と業務内容を見直したからです。
社内で取引先ごとのP/L(損益計算書)を作成し、取引内容そのものに加えて、人件費、間接費、その他の費用を盛り込みました。営業が訪問する回数や関わる時間も数値化し、P/Lに反映することで取引先ごとの利益が厳密にわかるようになりました。これによって、業務内容と人員配置を最適化し、営業人員を3分の2とし、人員が必要な成長事業に投入しました。これはファイナンス部門がマーケティング発想で営業部門の活動をサポートしP/L作成の手伝いをすることで、営業部門の抱える問題を解決したイノベーションです。

── 取引先やサプライヤーを巻き込むこともあるのでしょうか。

高岡氏:
大きな問題解決に取り組大きな問題解決に取り組むと、バリューチェーンの2社、3社を説得しながら変えなければならないこともあります。

たとえば、サプライチェーンにおいては次のような改革をしました。従来のネスレ日本は製品を製造すると自社で契約する倉庫へ、その後卸会社の倉庫へ、さらに小売り業者の倉庫へと、在庫を抱える場所が3カ所もあり、自社契約の倉庫と卸会社の倉庫は機能的に重複していました。これをやめ、直接卸会社の倉庫へ送ることにし、自社で契約していた倉庫には成長分野であるEコマースのためにピッキング機能を追加した倉庫に衣替えをしてもらうことで新しい価値を持つ仕組みづくりを提案しました。

 

イノベーションアワードは全社員の参加を目指す

高岡氏

── イノベーションを起こす人材を見い出すのは難しいのではないでしょうか。どのような仕組みを作ったのでしょうか。

高岡氏:
私が社長になった時に始めたのが「イノベーションアワード」です。これは社員の見つけたイノベーションの種を応募してもらう仕組みです。初年度は約80、翌年に750、1,600、そして去年が2,000件となりました。まだ社員全員までにはなっていませんが、着実にアイデアを出し、実行するように社内が変わってきました。

これによって生まれたのが、「カフェ・イン・ショップ」「焼きキットカット」「キットカット ショコラトリー」などです。イノベーションはこれまでにないまったく新しいことです。それが成功するかどうかは社長の私にもわかりません。まずは、やってみること、そのスピードが大切です。

イノベーションアワードの要点はアイデアを「1人で」「1年間検証する」必要があるということです。アイデアが実際に機能することを確かめるために1人で苦労しながら取り組むなかで、人を動かしたり、説得しなければならなくなるのでリーダーシップが生まれます。また、事業を検証するにはファイナンスの知識が必要です。これを全社的な取り組みとしてほぼ全員が取り組むようになったことで、マーケティング的な視点が営業や開発にも根付きつつあります。これが大きなポイントなのです。

イノベーションアワードを始めた最初の2年間は、私が選んだものと他の役員たちが選んだものがまったく一致しませんでした。理由は「イノベーションの定義」がバラバラだったからです。先に説明したように、マーケティング、そしてイノベーションを説明するのはとても難しく、そして定義を一致させるのはネスレ日本の中でさえ、2年もの時間がかかりました。

過去5年間でイノベーションアワードを受賞した5人の人事データを見ると、上司の評価が高く成績が良いとされていた人は1人しかいませんでした。つまり、私たちの持つ人事評価はイノベーティブな人材を見いだすことができていなかったわけです。
翻って言えば、イノベーションアワードは一般社員から上の役職に対して、とても大きな意味を持つ研修になっているということです。イノベーションアワードはネスレ日本が始めたことですが、グローバルのネスレも採用を決め、全世界に展開しつつあります。

 

ネスレ日本が取り組むIoTとコグニティブ・コンピューティング

── これまであまり親和性がなかった企業でも積極的にテクノロジーを組み入れた仕組みづくりが行われています。ネスレ日本はテクノロジーへの取り組みをどのように進めているのでしょうか。

高岡氏:
ネスレ日本は、日本IBM、ソフトバンクと組み、IoTとコグニティブ・コンピューティングへの取り組みを加速しています。この取り組みにおいては「IBM Watson(*1)」を活用します。

現在、日本全国の家庭に「ネスカフェ」コーヒーマシンが400万台以上あります。「ネスカフェ アンバサダー」は20万人を超えています。これらがすべてつながった時に何ができるだろうかと考えています。

2020年頃にはIoTによって、ネスレ日本とお客様と家庭、店舗が完全に結びつき、それぞれが大きなベネフィットを得られるようになると考えています。「ネスカフェ アンバサダー」が高齢者の方々の安否確認のために使われていることを紹介しましたが、IoTを使えば遠隔地に住んでいる家族でもリアルタイムに分るようになるでしょう。

インターネットが普及した今の世界では、簡単に億単位の人たちとつながることができ、IoTでは物ともつながります。そしてそこからはビッグデータが出てきますがそれをどうしていいのかわからないので、コグニティブ・コンピューティングが必要になってきているのだと理解しています。IoTとコグニティブは車の両輪です。つながった人々や物が生み出す膨大なデータに対処するためにコグニティブの助けを借り、私たちは問題を解決することができるようになると考えています。

私たちネスレ日本はコーヒーやコーヒーマシン、食品を販売しているメーカーですが、IoTやコグニティブの活用に取り組まなければなりません。なぜならそれらによって私たちの顧客の問題を解決する道筋ができるからです。

プラス要因:経営者は、テクノロジーを、コスト削減ではなく、付加価値創出の手段と考えている

先鞭:「さきがけ企業」は新しいテクノロジーに賭けている

              出典:IBM グローバル経営層スタディ2015

── 業種、業態の垣根がなくなり、突然、新たな競合が現れるような状況になっています。最新版の「IBM グローバル経営層スタディ」でも、従来は想像もしなかった競合による業界の破壊に、経営者は強い関心をもっていることが分かっています(*2)。また、自らが別の業界、領域に参入することもあり得る時代です。こうした状況をどのように考えていますか。

高岡氏:
シンプルに考えています。顧客の問題を解決しようとすると、従来は自社の領域ではなかった部分を担うことになる場合が起こりえるということです。「ネスカフェ アンバサダー」が独り暮らしの高齢者の孤独を癒やし、安否確認のために使われていたことは、「顧客が発見したイノベーション」と言うこともできます。従来なら社会福祉に関わる業界が見いだすような問題を、コーヒーという食品を提供する会社が解決しているわけです。そう考えると、顧客の問題を解決することを突き詰めていくと必然的に業界の垣根は崩れていくのではないかと思います。

「業界の境界線の消滅:経営者は、今後3-5年間の潮流として、業界の統合・融合をもっとも強く意識している

               出典:IBM グローバル経営層スタディ2015

 

21世紀の経営、マネジメントはマーケティング以外に考えられない

── 最後にもう一度、マーケティングの考え方で企業をマネジメントすることについてコメントをください。

高岡氏:
「環境の変化に適応する」と多くの方が当たり前のように言いますが、ほとんどの場合、それはできていないのではないでしょうか。環境の変化が激しい時代であれば、自社の中も激しく変化していなければならないのですが、本当にそれができているのでしょうか。
経営とは英語でマネジメントです。近代経営の発祥から生まれた言葉で、工業化社会の中で工場からのアウトプットを最大化する人のマネジメントのことを指していました。そして、現在日本でいわれているマネジメントはこの意味から脱却できていないと思っています。

日本のような先進国で21世紀に経営を行っていくにはマーケティングの考え方が不可欠です。経営とはマーケティングそのものであり、経営を「マネジメント」ではなく「マーケティング」と訳されなければならないと私は考えています。
こうした考え方をもっと多くの経営者に知っていただき、日本全体の成長につなげられる活動を今後も継続していきたいと思っています。

(*1)Watsonは、コンピューターでありながら、人と同じように自然言語を解釈し、根拠をもとに仮説を生成し、経験から学習するコグニティブ・テクノロジーです。Watsonを活用すれば、企業は、ビジネスを取り巻くデータをより深く理解して活用し、より適切な意思決定を行えるようになります。

(*2)IBMの調査によると、経営者の66%が「業界の統合・融合」というトレンドが、今後3年から5年で自社に大きな影響を与えると回答しています。