wlmcntrl コマンド
目的
ワークロード・マネージャーを始動または停止します。
構文
wlmcntrl [ [ -a | -c | -p ] [ -T [ class | proc ] [ -g ] [ -d Config_Dir ] [ -o | -q ]
説明
wlmcntrl コマンドは、ワークロード・マネージャー (WLM) を停止、開始、更新し、その状態を照会します。WLM の開始または更新時には、ターゲット構成の WLM 属性ファイルにはプリプロセスが実行され、 データはカーネルにロードされています。 WLM は、下記の 2 つの異なるモードで開始できます。
- アクティブ・モード。このモードでは、WLM は、さまざまなクラスのプロセスでの、プロセッサー、メモリー、 およびディスク I/O 使用状況をモニターして調整します。
- パッシブ・モード。このモードでは、WLM は、 標準オペレーティング・システム・リソース割り当てメカニズムを妨げることなく、 リソースの使用状況をモニターするのみです。
アクティブ・モードが、WLM の通常の操作モードです。
クラスとそれらの制限および共用については、それぞれ、classes、limits、および shares ファイルで記述します。 自動割り当て規則は、rules ファイルから受け取ります。 WLM 構成 Config のスーパークラスのクラス属性ファイルは、 サブディレクトリー /etc/wlm/Config に置かれます。 構成 Config のスーパークラス Super のサブクラスのクラス属性ファイルは、 /etc/wlm/Config/Super に置かれます。 このオペレーティング・システムで出荷される標準構成は、 /etc/wlm/standard にあります。 シンボリック・リンク /etc/wlm/current が指すディレクトリーにあるものが、現在の構成です。
-d Config_dir フラグを使用しない場合、wlmcntrl は、 シンボリック・リンク /etc/wlm/current が指すディレクトリーにある構成ファイルを使用します。
-d Config_dir フラグを使用すると、wlmcntrl は /etc/wlm/Config_dir にある構成ファイルを使用して、 /etc/wlm/Config_dir を指すシンボリック・リンク /etc/wlm/current を更新し、 /etc/wlm/Config_dir を現在の構成に転換します。 /etc/wlm/Config_dir を現在の構成に転換するには、この方法をお勧めします。
-u フラグを使用して WLM を更新すると、 下記のように、Config_dir は空文字列が付いた -d フラグとして渡すことができます。
wlmcntrl -u -d ""
これは、クラス定義を再ロードせずに、 現在の構成の割り当て規則をリフレッシュ (再ロード) してカーネルに入れるのみです。 これは、WLM が前の活動化の時点で、 いくつかのアプリケーション・ファイルがアクセス不可であることを検出した場合に役立つことがあります。 システム管理者が、規則またはファイルのいずれかの問題を修正した後、 このコマンドは、規則だけを再ロードするために使用できます。
WLM 構成 Config は、タイム・ベースの構成のセットでもある可能性があります。 この場合、サブディレクトリー /etc/wlm/Config には属性ファイルは含まれず、 構成のリストと、1 週間にそれらを適用する回数が含まれます。 属性ファイルは、そのセット内の通常の構成ごとのサブディレクトリーに入っています。 そのようなセットを WLM が開始または更新する際、 デーモンは、利用可能な構成を変更すると、セットの通常の構成を切り替える責任があります。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-a | WLM をアクティブ・モードで開始するか、またはパッシブ・モードからアクティブ・モードに切り替えます。 -d、-g、または -T 以外のフラグを指定していない場合は、これがデフォルトになります。 |
-c | WLM をプロセッサー専用モードで開始するか、または別のモードからプロセッサー専用モードへ切り替えます。 このモードでは、WLM はすべてのリソースに責任を負っています。しかし、プロセッサー・リソースのみが規制されます。 |
-d Config_dir | /etc/wlm/Config_dir を WLM 構成 (classes、limits、shares、および rules ファイルを含む) 、 または、構成セット (構成のリストやそれらが適用される時刻 tanges を含む) の代替ディレクトリーとして使用します。これは、/etc/wlm/Config_dir を現在の構成にします。WLM をアクティブ、プロセッサー専用またはパッシブ・モードで開始する場合、 または WLM を更新する場合に、このフラグは有効です。 このフラグは、-o および -q フラグと組み合わせて使用したり、 モードを切り替える (アクティブ、プロセッサー専用、およびパッシブの間で) 際には、使用できません。 |
-g | WLM に潜在的なリソース・セット割り当てを無視するように指示します。 これは、すべてのクラスが、制限付きリソース・セットを使用するかどうかに関係なく、 システムのすべてのリソース・セットにアクセスすることを意味します。 |
-o | ワークロード・マネージャーを停止します。 |
-p | WLM をパッシブ・モードで開始するか、または別のモードからパッシブ・モードに切り替えます。 このモードでは、WLM はすべてのリソースに責任を負っています。しかし、どのリソースも規制されません。 |
-q | WLM の現在の状態を照会します。
下記のものを戻します。
WLM の現在の状態を示すメッセージは、STDOUT に出力されます。 |
-S Superclass | スーパークラスのサブクラスに制限されている WLM の更新を要求します。 このフラグは -u フラグとともに使用します。 実行中の構成がタイム・ベースの構成のセットである場合、 スーパークラスは「config/Superclass (構成/スーパークラス)」の形式で指定する必要があります。 この場合の「構成」はスーパークラスが属するセットの通常の構成です。 「構成」が現在アクティブなセットの構成である場合は、 すぐに変更が有効になり、そうでない場合は、「構成」が次回アクティブにされるとき、有効になります。 |
-T | クラスおよびプロセスの制限合計アカウンティングと規定の両方が使用不可になります。 |
-T class | クラスのみの制限合計アカウンティングと規定が使用不可になります。 |
-T proc | プロセスのみの制限合計アカウンティングと規定が使用不可になります。 |
-u | WLM を更新します。 単一の更新操作は、属性を変更することができ、 既存のクラスの制限および共用、クラスの追加または除去の、両方または一方を実行します。 実行中の構成がセットである場合、 この操作によって、セットの説明と、セット内のすべての構成の内容がリフレッシュされます。 更新は、root 権限があるユーザーが、代替の構成または構成セットに切り替えるために使用できます。 さらに、更新は、スーパークラス管理者が、 管理アクセス権限を持つ (-S フラグを使用して) スーパークラスのサブクラスのみを更新するために使用できます。 |
セキュリティー
アクセス制御: 開始、停止、モード間の切り替え、 およびスーパークラスまたは構成セットの更新には、root 権限が必要です。 特定のスーパークラスのサブクラスの更新には、admin user または admin group 特権 (スーパークラス管理者) のみが必要です。 すべてのユーザーは、WLM の状態を照会できます。
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
classes | クラスの名前と定義が含まれます。 |
limits | クラスに課されたリソース制限が含まれます。 |
rules | 自動割り当て規則が含まれます。 |
shares | クラスに割り当てられたリソース共有が含まれます。 |
description | それぞれの構成の記述テキストが含まれます。 |
groupings | その構成用の属性値グループが含まれます。 |