ワークロード・マネージャー

ワークロード・マネージャー (WLM) は、スケジューラー仮想メモリー・マネージャー (VMM)、およびディスク入出力サブシステムがリソースをプロセスに割り当てる方法に対するシステム管理者の制御が増加する設計になっています。

WLM を使用すれば、さまざまなクラスのジョブが相互に妨害し合うことを防止し、さまざまなユーザー・グループの要件に応じてリソースを割り当てることが可能になります。

重要: WLM を有効に使用するには、既存システムのプロセスおよびパフォーマンスについての幅広い知識が必要です。 システム管理者が極端な値または不正確な値 で WLM を構成すると、パフォーマンスが著しく低下します。

WLM は、主に、ラージ・システムでの使用を目的としています。 ラージ・システムは、サーバー統合によく使用されます。 このサーバー統合では、数多くの異なるサーバー・システム (プリンター、データベース、一般ユーザー、トランザクション処理システムなど) からのワークロードが単一のラージ・システムに結合され、システムの維持管理のコストが削減されます。 これらのワークロードは、相互に妨害し合う場合が多くあり、しかも、 それぞれの目標とサービスの契約が異なります。

また、WLM では、非常に異なるシステム動作をもつユーザー群を分離します。 これによって、特定の動作 (例えば、対話式ジョブまたは低 CPU 使用ジョブ) をするワークロードのリソースが、その他の動作 (例えば、バッチ・ジョブまたは高メモリー使用ジョブ) をするワークロードによって使われて足りなくなることを防ぐことができます。

さらに、WLM がアカウンティング・サブシステムに接続すると、ユーザーは、ユーザーまたはグループごとの標準アカウンティングに加えて、WLM クラスごとにリソース使用状況のアカウンティングを行うこともできます。