savewpar コマンド
目的
指定された ワークロード区画 に属するすべてのファイルを見つけ、 バックアップを取ります。
構文
savewpar [ -a ] [ -A ] [ -B ] [ -b Blocks ] [ -e ] [ -f Device ] [ -i | -m ] [ -N ] [ -p ] [ -T ][ -v ] [ -V ] [ -X ] [ -Z ] [ -P ] WparName
説明
/tmp/wpardata/WparName/image.data
WparName 変数はWPAR名を反映したものです。
savewpar コマンドは、このファイルを使用して、restwpar コマンドが ワークロード区画 の再作成に使用するバックアップ・イメージを作成します。詳しくは、restwpar コマンドを参照してください。
カスタマイズされた (rootvg は含まない) ボリューム・グループをバックアップするには、savevg コマンドを参照してください。
savewpar
コマンドは、ブート可能テープの作成には使用できません。 パフォーマンスを最高にするために、savewpar
コマンドを実行する前に、ファイルのオープンとクローズを頻繁に行うアプリケーションを正しく終了してください。- AIX ライブ・カーネル・アップデート操作中、
savewpar
コマンドを実行してはなりません。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-a | 拡張属性または NFS バージョン 4 (NFS4) アクセス制御リスト (ACL) をバックアップしません。 |
-A | データ管理アプリケーション・プログラミング・インターフェース (DMAPI) のファイルシステムのファイルをバックアップします。 |
-B | 書き込み可能な namefs-mounted ファイルシステムに存在するファイルは、バックアップしません。デフォルトでは、書き込み可能な namefs-mounted ファイルシステムからのファイルが、バックアップに含められます。 |
-b Blocks | 1 回の出力操作で書き込む 512 バイト単位のブロック数を指定します。 このパラメーターを指定しなければ、backup コマンドは、 選択した物理デバイスにデフォルト値を使用します。 大きい値を指定すると、テープ・デバイスへの物理転送量が大きくなります。 指定する値は、使用するデバイスの物理ブロック・サイズの倍数でなければなりません。 |
-e | /etc/exclude.WparName ファイルで指定されたファイルをこのコマンドによるバックアップ対象から除外します。
ヒント: バックアップから特定のファイルを除く場合は、ASCII エディターを用いて /etc/exclude.WparName ファイルを作成し、WPAR バックアップ・イメージに組み込まないファイル名のパターンを入力します。
このファイル内のパターンは、grep コマンドのパターン・マッチング規則へ入力され、
バックアップから除かれるファイルを判別します。
すべてのファイルが、WPAR のベース・ディレクトリー (ドット文字 "." のマークが付いている) から相対的にバックアップされます。除外するファイルやディレクトリーについて、検索文字列を文字列先頭と 一致させることが重要である場合は、検索文字列の最初に脱字記号 (^)、続いてドット文字 (.)、そして 除外するファイル名またはディレクトリーを指定します。 例えば、/tmp ディレクトリーの内容のすべてを除外し、パス名に /tmp が存在する、その他のディレクトリーは除外させないようにするには、除外ファイルを以下のように編集します。
除外するファイル名またはディレクトリーが他のファイル名またはディレクトリーの文字列の一部である場合は、 脱字記号 (^) とそれに続けてドット文字 (.) を使用し、検索が行の開始から始まることを示すか、ドル記号 ($) を使用して、 検索が行の終わりで終了することを示します。 |
-f Device | イメージを保管するデバイス名またはファイル名を指定します。 デフォルト値は /dev/rmt0 デバイスです。 |
-i | mkwpardata コマンドを呼び出すことによって、データ・ファイルを作成します。 |
-m | -m フラグを指定して mkwpardata コマンドを呼び出すことによって、 マップ・ファイル付きのデータ・ファイルを作成します。 |
-N | ワークロード区画のマウント・グループの書き込み可能 NFS マウント・ファイルシステムからファイルをバックアップします。
デフォルトでは、コマンドは、書き込み可能 NFS マウント・ファイルシステムからファイルをバックアップしません。
要件: NFS4 マウント・ファイルシステムの場合、リモート・サーバー上にファイルの所有権を正しく確立するには、ローカル・システムとリモート・システムが同じセキュリティー・ドメインに属している必要があります。
これが当てはまらない場合は、-N フラグを使用しないでください。
|
-p | ファイルがバックアップされるとき、ファイルのソフトウェア・パッキングを使用不可にします。 磁気テープ・ドライブのなかには、独自のパッキングおよび圧縮アルゴリズムを使用するものもあります。 |
-T | スナップショットを使用することにより、バックアップを作成します。このフラグが適用されるのは JFS2 ファイルシステムの場合のみです。 ワークロード区画のバックアップの作成にスナップショットを使用するよう -T フラグに指定すると、外部 JFS2 スナップショットが作成されます。スナップショットによって JFS2 ファイルシステムのポイント・イン・タイム・イメージが作成できるため、システムを一時的に非アクティブ状態に設定する必要はありません。 スナップショットのサイズは、ファイルシステムのサイズの 2% から 15% です。バックアップ操作が完了すると、スナップショットの論理ボリュームは除去されます。ただし、ファイルシステムに既に他のスナップショットがある場合は、スナップショットが除去されません。 さらに、ファイルシステムに内部スナップショットがある場合、外部スナップショットを作成できないため、ファイルシステムのバックアップの作成にスナップショットが使用されません。-T フラグの使用は、バックアップ中のボリューム・グループに存在する JFS ファイルシステムに影響を及ぼすことはありません。 |
-v | 冗長モードを指定します。 バックアップされるとき、ファイルをリストします。 |
-V | テープ・バックアップを検証します。 -V フラグを指定した savewpar コマンドは、バックアップ・テープ上の各ファイル・ヘッダーを検査し、読み取りエラーが発生するとすべて報告します。 |
-X | /tmp ファイルシステムは、必要に応じて自動的に解凍される必要があることを指定します。 要件: -X フラグを適用できるのは、必要に応じて -i または -m フラグと併用される場合のみです。
注: このファイルシステム拡張は、デバイス・ファイルシステムの解凍には使用されません。後者では、デバイス・ファイルシステムが /tmp ファイルシステムと同じであっても、バックアップ・イメージは保存されます。
|
-Z | すべてのファイル、ディレクトリー、およびファイルシステムに関する暗号化ファイルシステム (EFS) 情報をバックアップしないように指定します。このフラグは、-Z フラグ付きの backup コマンドを実行します。 |
-P | /etc/exclude_packing ディレクトリーにリストされたパッキング・オプションからファイルを除外します。 |
パラメーター
項目 | 説明 |
---|---|
WparName | バックアップする ワークロード区画 の名前を指定します。 |
例
- userwpar ワークロード区画をデフォルトのテープ・ドライブ (dev/rmt0) にバックアップし、新規 /tmp/wpardata/userwpar/image.data ファイルを作成するには、以下のコマンドを入力します。
savewpar -i userwpar
- wpar2 ワークロード区画をバックアップし、rmt1 デバイス上の新規 /tmp/wpardata/wpar2/image.data ファイルとともにマップ・ファイルを作成するには、以下のコマンドを入力します。
savewpar -mf/dev/rmt1 wpar2
- /etc/exclude.wpar2 ファイルにリストされたファイルを除外して、wpar2 ワークロード区画をバックアップするには、以下のコマンドを入力します。
savewpar -ief/dev/rmt1 wpar2
- my_wpar ワークロード区画をテープ・ドライブ /dev/rmt0 のテープにバックアップしてから、ファイル・ヘッダーの読み取りやすさを調べるには、以下のコマンドを入力します。
savewpar -f /dev/rmt0 -V my_wpar
- スクラッチ・ディレクトリーの内容のすべてを除外するには、除外ファイルを以下のように編集します。
/scratch/
- /tmp ディレクトリーの内容をすべて除外し、パス名に /tmp が存在する、その他のディレクトリーは除外させないようにするには、除外ファイルを以下のように編集します。
^./tmp/
- wpar2 ワークロード区画をバックアップし、UDFS 対応デバイス /dev/usbms0 に /tmp/wpardata/userwpar/image.data ファイルを新規作成するには、以下のコマンドを入力します。
savewpar -f /dev/usbms0 wpar2
SMIT 高速パス
- ワークロード区画のバックアップを作成するには、次の SMIT 高速パスを入力します。
smit savewpar
- savewpar コマンドで作成した、ワークロード区画 のバックアップの内容をリストするには、
次の SMIT 高速パスを入力します。
smit lssavewpar
- ワークロード区画 のバックアップから個々のファイルを復元するには、
次の SMIT 高速パスを入力します。
smit restwpar
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/tmp/wpardata/ WparName / WparName.data | WparName の値がワークロード区画の名前と同じである場合に使用されます。 |
/etc/exclude.WparName | バックアップから除外されるファイルが入っています。 |