rrestore コマンド

目的

既にバックアップを取っているファイルシステムを、リモート・マシンのデバイスからローカル・マシンへコピーします。

構文

rrestore-bNumber ] [  -h ] [  -i ] [  -m ] [  -sNumber ] [  -t ] [  -v ] [  -y ] [  -x ] [  -r ] [  -R ] -fMachine:DeviceFileSystem ... ] [ File ... ]

説明

rrestore コマンドは、i ノードのバックアップを使用して、リモート・マシンのデバイスからローカル・マシン上のファイルシステムへバージョン 3 を復元します。rrestore コマンドは、リモート・マシン上にサーバーを作成し、これをバックアップ・メディアとして使用します。

rrestore コマンドは、ファイルシステムのバックアップが i ノードにより作成された場合に、作成されたバックアップ・フォーマットだけを受け入れます。

注: ユーザーは、このコマンドを実行するための root 権限を持っていなければなりません。

フラグ

項目 説明
-b Number 1 回の入力操作で読み取るブロック数を指定します。このフラグを指定しない場合、rrestore コマンドにより、選択した物理デバイスに適切なデフォルト値が選択されます。Number 変数の値が大きいほど、テープ・デバイスからの物理転送量が多くなります。
-fMachine:Device リモート・マシンの入力デバイスを指定します。特定のデバイスから入力するには、Device 変数にファイル名 (/dev/rmt0 ファイルなど) を指定してください。テープ・デバイスの使用について詳しくは、rmt スペシャル・ファイルを参照してください。
-h File パラメーターで指定されたディレクトリーに入っているファイルではなく実ディレクトリーだけを復元します。このオプションは、-r フラグまたは -R フラグが指定されている場合は無視されます。
-i 対話モードを開始します。このフラグを使用すれば、 File パラメーターで表されたディレクトリーから選択したファイルだけを復元することができます。-i フラグ用のサブコマンドは、下記のとおりです。
ls [Directory]
Directory パラメーターに指定されたディレクトリー名の後に / (スラッシュ) が付けられた場合には、そのディレクトリー内のディレクトリー名を表示し、 ディレクトリー名の前に * (アスタリスク) を付けて復元するファイルを表示します。 -v フラグを使用すると、それぞれのファイルおよびディレクトリーの i ノード番号も表示されます。 Directory1 パラメーターを指定しないと、現行ディレクトリーが使用されます。
cd Directory
現行ディレクトリーを Directory パラメーターに変更します。
pwd
現行ディレクトリーの絶対パス名を表示します。
add [File]
復元する File パラメーターを指定します。 File パラメーターがディレクトリーの場合には、 そのディレクトリーとディレクトリー内の全ファイルが復元されます (ただし、 -h フラグが使用されている場合は除きます)。 復元されるファイルは、 ls サブコマンドにより名前の前に * (アスタリスク) を付けて表示されます。File パラメーターを指定しないと、現行ディレクトリーが使用されます。
delete [File]
復元時に無視すべき File パラメーターを指定します。 File パラメーターがディレクトリーの場合には、 そのディレクトリーとディレクトリー内の全ファイルが復元されません (ただし、 -h フラグが使用されている場合は除きます)。 File パラメーターを指定しないと、現行ディレクトリーが使用されます。
extract
ls サブコマンドを使用して、名前の前に * (アスタリスク) が付けられた場合に表示されるファイルをすべて復元します。
setmodes
バックアップ・メディアに入っている復元ファイルのオーナー、モード、回数の情報を使用せずに、これらを設定します。
verbose
ls サブコマンドで復元されるファイルすべての i ノード番号を表示します。ファイルが復元されると、各ファイルの情報も表示されます。 verbose サブコマンドを再度呼び出すと、verbose がオフになります。
help
サブコマンドの要約を表示します。
quit
要求されたファイルがすべて復元されていなくても、rrestore コマンドの実行を即座に終了します。
-m パス名ではなく、i ノード番号を使用してファイルを復元します。
-r ファイルシステム全体を復元します。

重要: よく注意してこの手順に従わないと、ファイルシステム全体を破壊してしまうことがあります。(レベル 0) のフル・バックアップを復元する場合には、mkfs コマンドを実行して、復元を行う前に空のファイルシステムを作成してください。例えば、レベル 2 の増分バックアップを復元するには、mkfs コマンドを実行して、該当のレベル 0 のバックアップを復元し、次にレベル 1 のバックアップを復元し、最後にレベル 2 のバックアップを復元してください。安全に対する予防措置として、それぞれのバックアップ・レベルを復元したら、fsck コマンドを実行してください。

-R rrestore コマンドでファイルシステム全体を復元する際に、バックアップ・メディアの複数のボリューム・セットの中から特定のボリュームを要求します。-R フラグを使用すると、rrestore コマンドを中断、再開することができます。
-s Number 複数のバックアップ・メディアから復元するバックアップを指定します。番号は 1 から始まります。
-t バックアップを作成したファイルの目次を表示します。rrestore コマンドは、ファイル名を表示します。この名前は、バックアップが作成されたファイルシステムのルート ( /) ディレクトリーに対する相対名です。ただし、ルート (/) ディレクトリーのみは例外です。
-v 復元が進行するにつれて、その進行状況を報告します。
-x 個々に指定されたファイルを復元します。名前が指定されていない場合には、そのメディア上の全ファイルが復元されます。 名前は、 -t フラグで表示された名前と同じフォーマットのものでなければなりません。
-y rrestore コマンドの実行時にテープのエラーが発生しても、復元を中止するかどうかを尋ねないように指定します。rrestore コマンドは、可能な限り不良ブロックをスキップしようとします。
-? 使用方法メッセージを表示します。

終了状況

このコマンドは、以下の終了値を戻します。

項目 説明
0 正常終了。
>0 エラーが発生しました。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX® ユーザーへの注意: このコマンドは特権操作を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権について詳しくは、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

  1. リモートのテープ・デバイス上のファイルをリストするには、次のように入力します。
    rrestore  -fmachine1:/dev/rmt0  -t
    このコマンドにより、リモートの machine1 上の /dev/rmt0 デバイスの情報が読み取られます。ファイル名が表示されます。
  2. ファイルを復元するには、次のように入力します。
    rrestore  -x  -fmachine1:/dev/rmt0 /home/mike/file1 
    このコマンドにより、リモートの machine1 上の /dev/rmt0 デバイス上にあるバックアップ・メディアから /home/mike/file1 ファイルが取り出されます。
  3. ディレクトリー内の全ファイルを復元するには、次のように入力します。
    rrestore -fhost:/dev/rmt0 -x /home/mike
    このコマンドにより、ディレクトリー /home/mike と、そのディレクトリー内の全ファイルが復元されます。
  4. ディレクトリー内のファイルは復元せず、ディレクトリーだけを復元するには、次のように入力します。
    rrestore -fhost:/dev/rmt0 -x -h /home/mike
  5. 複数バックアップのメディア上の特定のバックアップから、ディレクトリー内の全ファイルを復元するには、 次のように入力します。
    rrestore -s3 -fhost:/dev/rmt0.1 -x /home/mike
    このコマンドにより、バックアップ・メディア上の 3 番目のバックアップから、ディレクトリー /home/mike と、そのディレクトリー内の全ファイルが復元されます。

ファイル

項目 説明
/dev/rfd0 デフォルトの復元デバイスを指定します。
/usr/sbin/rrestore rrestore コマンドが入っています。