ディレクトリー

ディレクトリー とは、ファイルやほかのディレクトリーにアクセスするために必要な情報のみが入っている独特なタイプのファイルです。 結果として、ディレクトリーの占有するスペースは、ほかのタイプのファイルよりも少なくて済みます。

ファイルシステム は、ディレクトリーと、そのディレクトリー内のファイルのグループから構成されます。 ファイルシステムは、普通、逆向きのツリーで表されます。 スラッシュ (/) 記号で表されるルート・ディレクトリーによって、ファイルシステムは定義され、このルート・ディレクトリーが、ファイルシステム・ツリー構造の図の上端になります。

ツリー構造の図では、ルート・ディレクトリーから各ディレクトリーが下方へブランチしており、これらのディレクトリーには、それぞれファイルとサブディレクトリーの両方を含めることができます。 ブランチにより、ディレクトリー構造を通してファイルシステム内のすべてのオブジェクトにいたる固有のパスが作成されます。

ディレクトリー には、ファイルのコレクションが保管されます。 多くの場合、このようなファイルのコレクションは、相互に関連しています。これらのコレクションをディレクトリー構造に保管することにより、編成が保持されます。

ファイル とは、読み取りと書き込みが可能なデータのコレクションです。 ファイルの内容は、作成されたプログラム、記述されたテキスト、獲得されたデータ、使用されるデバイスのいずれかです。 コマンド、プリンター、端末装置、通信文、アプリケーション・プログラムなどはすべて、ファイルに保管されます。 これにより、ユーザーは、一貫した方法でシステムの各種のエレメントにアクセスできます。またこのことにより、ファイルシステムの柔軟性が高められます。

ディレクトリーは、ファイルとほかのディレクトリーをグループ化して、ファイルシステムをモジュラー階層に編成し、さらに、ファイルシステム構造に柔軟性と奥行きを与えます。

ディレクトリーには、ディレクトリー項目が入っています。 各項目には、ファイル名またはサブディレクトリー名と、索引ノード参照番号 (i ノード 番号) が含まれています。 スピードを早め、ディスク・スペースの使用を拡張するために、ファイルのデータは、コンピューターのメモリーのさまざまな位置に保管されています。 i ノード番号には、ファイルに関連する分散されたデータ・ブロックすべての位置を示すアドレスが入っています。 また、i ノード番号には、ファイルについてのその他の情報も記録されます。例えば、修正とアクセスの回数、アクセス・モード、リンク数、ファイル所有者、ファイル・タイプなどが記録されます。

コマンドの特殊セットでディレクトリーを制御します。 例えば、ln コマンドを使ってディレクトリー項目を作成すると、1 つのファイルの複数の名前を同一の i ノード番号にリンクすることができます。

多くの場合、ディレクトリーには、システムの一部のユーザーしか使用してはならない情報が入っているので、ディレクトリーへのアクセスをプロテクトできます。 ディレクトリーの許可を設定して、そのディレクトリーへアクセスできるユーザーを制限することができます。また、ディレクトリー内の情報を変更できるユーザー (ただし、このようなユーザーが存在する場合) を決めることもできます。