rmt コマンド
目的
磁気テープ・デバイスのリモート・アクセスを可能にします。
構文
rmt
説明
rmt コマンドを使用すると、磁気テープ・デバイスにリモート・アクセスすることができます。リモート・ダンプおよび復元を行うプログラムは、リモート磁気テープ・プロトコル・モジュールとして rmt コマンドを使用します。rmt コマンドは通常 rexec または rcmd サブルーチンによって開始されます。
rmt コマンドは、磁気テープの操作に特有の要求を受け入れて、 コマンドを実行し、状況を示して応答します。 応答はすべて ASCII 表記で、次の 2 つのフォーマットで行われます。 正常コマンドは、Axxx という応答を受け取ります。 ここで、xxx は 10 進数の ASCII 表記です。 コマンドが異常終了すると、応答 Eyyy error-message を受け取ります。 ここで、yyy は errno.h ファイルに記述されている可能なエラー番号の 1 つであり、 error-message は perror サブルーチンのコールから印刷されるエラー文字列です。 このプロトコルは以下のサブコマンドから構成されています。
サブコマンド
項目 | 説明 |
---|---|
ODeviceMode | Mode パラメーターで指定したモードを使用して、Device パラメーターで指定したデバイスをオープンします。Device パラメーターの値はフル・パス名です。また、Mode パラメーターの値は、open サブルーチンに渡すのに適した、 10 進数の ASCII 表記です。オープン・デバイスは、新しいオープン操作が行われる前にクローズされます。 |
CDevice | オープン・デバイスをクローズします。Device パラメーターで指定したデバイスは無視されます。 |
LWhenceOffset | 指定されたパラメーターを使用して、lseek 操作を行います。lseek サブルーチンは応答値を戻します。 |
WCount | データをオープン・デバイスに書き込みます。rmt コマンドは接続から、Count パラメーターによって指定されたバイト数を読み取り、途中にファイル終わりがあると終了します。write サブルーチンは応答値を戻します。 |
RCount | Count パラメーターで指定したデータのバイト数をオープン・デバイスから読み取ります。次に、rmt コマンドは要求された読み取り操作を行って、Azzz という値で応答します。 ここで、zzz は、操作が成功した場合に読み込まれたバイト数です。読み取られたデータは次に送信されます。 読み取り操作が失敗すると、標準フォーマットのエラーが戻されます。 |
IOperationCount | 指定したパラメーターを使用して、STIOCTOP ioctl サブルーチンを実行します。パラメーターは 10 進数の ASCII 表記として解釈され、ioctl サブルーチンで使われる構造の mt op および mt count フィールドに配置されます。操作が終了すると、Count パラメーターの値が戻されます。 |
その他のサブコマンドを指定すると、rmt コマンドは終了します。
注: R および W サブコマンドでは、Count パラメーターで指定したバイト数が接続時に処理可能なバイト数を超えていると、データは処理可能なサイズに切り捨てられます。
終了状況
このコマンドは、以下の終了値を戻します。
項目 | 説明 |
---|---|
0 | 正常終了。 |
>0 | エラーが発生しました。 |
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/usr/sbin/rmt | rmt コマンドが入っています。 |
/usr/include/sys/errno.h | 発生する可能性のあるエラー番号を記述します。 |