rdump コマンド
目的
リモート・マシンのデバイス上にファイルのバックアップを取ります。
構文
rdump [ -b Blocks ] [ -B ] [ -c ] [ -d Density ] [ -L Length ] [ -s Size ] [ -u ] [ -w ] [ -W ] [ -Level ] -f Machine:Device [ FileSystem | DeviceName]
説明
rdump コマンドは、ローカル・コンピューターのファイルシステムを i ノードによってリモート・コンピューターにコピーします。ファイルは、backup コマンド・フォーマットを使用して、リモート・コンピューターのデバイスにコピーされます。デバイスへのアクセスには、リモート・マシン上のリモート・サーバーを使います。 rdump コマンドを実行するには、root 権限を持っていなければなりません。また、宛先のリモート・コンピューターの /.rhosts ファイル内に、rdump コマンドを実行するローカル・コンピューターを定義しておかなければなりません。
ファイルシステムをバックアップするには、-Level およびFileSystem パラメーターを指定して、バックアップしたいファイルを示します。-Level パラメーターを使用すると、システム上のすべてのファイルをバックアップするか (フル・バックアップ)、特定のフル・バックアップ以降に修正されたファイルのみをバックアップ (増分バックアップ) することができます。指定可能なレベルは 0 から 9 までです。レベルの指定がないと、デフォルト・レベルの 9 が使われます。レベル 0 のバックアップには、ファイルシステム上のすべてのファイルが含まれます。 レベル n のバックアップには、最後のレベル n - 1 (n マイナス 1) のバックアップ以降に修正されたすべてのファイルが含まれます。レベルを -u フラグと一緒に使用すると、ファイルシステムごと増分バックアップの階層を維持することができます。
- 増分バックアップ (-Level パラメーター) を実行して、 増分バックアップごとに最終日、時刻、およびレベルに関する情報が /etc/dumpdates ファイルに書き込まれるようにするには、-u フラグを使用します。
- リモート・コンピューター上の rmt コマンドが /usr/sbin/rmt に入っていなければ、リモート・コンピューター上で /usr/sbin/rmt から実際の位置 (通常は /etc/rmt) へのリンクを作成する必要があります。
フラグ
項目 | 説明 |
---|---|
-bBlocks | 一回の出力操作で書き込むブロック数を指定します。Blocks 変数を指定しなければ、rdump コマンドは選択された物理デバイス用の適切なデフォルト値を使用します。Blocks 変数の値が大きくなるほど、テープ・デバイスへの物理的な転送は大きくなります。 |
-B | エラーの発生時に、ユーザーに照会せずにコマンドを終了させます。-B フラグを指定した場合、rdump コマンドはゼロ以外の値を戻します。 |
-c | テープが 9 トラック・フォーマットではなくカートリッジ・フォーマットであることを指定します。 |
-d Density | テープ密度を 1 インチ当たりのビット数 (bpi) 単位で指定します。 この値は、ボリューム当たりのテープ使用量を計算するときに使われます。 Density 変数の値を指定しなければ、デフォルト密度は 1600 bpi となります。テープ密度を指定せずに -c フラグを使用すると、デフォルト密度は 8000 bpi になります。 |
-fMachine:Device | Machine 変数をリモート・コンピューターのホスト名として指定します。指定したデバイスに出力を送信するには、 Device 変数をファイル名 (/dev/rmt0 ファイルなど) として指定します。Device 変数には、テープ・デバイスのみを指定してください。 |
-L Length | テープの長さをバイト単位で指定します。このフラグは、-c、-d、および -s フラグを上書きします。それぞれブロック (512 バイト)、キロ (1024 バイト)、メガ (1024 キロバイト)、またはギガ (1024 メガバイト) を示す接尾部 b、k、m、または g でサイズを指定できます。2 ギガバイトのテープの長さを表すには、-L 2g と入力します。 |
-sSize | Size 変数を使用して、テープのサイズをフィート単位で指定します。テープ・サイズを指定しなければ、デフォルト・サイズは 2300 フィートとなります。 テープ・サイズを指定せずに -c フラグを使用すると、デフォルト・サイズは 1700 フィートとなります。 テープ・ドライブが指定されたサイズに達すると、rdump コマンドはテープが交換されるまで待ちます。 |
-u | /etc/dumpdates ファイル内でリモート・バックアップの時刻、日付、およびレベルを更新します。このファイルには、増分バックアップの維持に必要な情報が入っています。 |
-w | 現在使用不可。 |
-W | /etc/dumpdates ファイルで検出されたファイルシステムを表示します。 |
-Level | リモート・バックアップ・レベル (0 から 9 まで) を指定します。Level 変数のデフォルト値は 9 です。 |
-? | 使用方法メッセージを表示します。 |
パラメーター
項目 | 説明 |
---|---|
DeviceName | 物理デバイス名 (ブロック名またはロー名) を指定します。 |
FileSystem | ファイルシステムが通常マウントされるディレクトリーの名前を指定します。rdump コマンドは、物理デバイス名として /etc/filesystems を読み込みます。ファイルシステムを指定しないと、デフォルトは、ルート (/) ファイルシステムになります。 |
終了状況
このコマンドは、以下の終了値を戻します。
項目 | 説明 |
---|---|
0 | コマンドが正常終了したことを示します。 |
>0 | エラーが発生したことを示します。 |
セキュリティー
RBAC ユーザーおよび Trusted AIX® ユーザーへの注意: このコマンドは特権操作を実行できます。特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権について詳しくは、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。
例
- ローカル・コンピューター上の /usr ディレクトリー内のファイルをリモート・コンピューターにバックアップするには、以下のように入力します。 -u フラグは、システムに対して、 /etc/dumpdates ファイル内の現行バックアップ・レベル・コードを更新するように指示します。-Level フラグをバックアップ・レベル 0 に設定すると、/usr ディレクトリー内のすべてのファイルをバックアップするように指定したことになります。リモート・コンピューターの ID は canine で、デバイスは /dev/rmt0 デバイスです。
- 8mm、2.3 ギガバイトのテープを使用して、ローカル・コンピューター上の /usr ディレクトリー内のファイルをリモート・コンピューターにバックアップするには、以下のように入力します。
rdump -fcanine:/dev/rmt0 -L 2200m /usr
注: ここでは、2.3 ギガバイトの代わりに 2.2 ギガバイトを使用して、テープの実際の終わりをヒットしないようにします。 - 0.25 インチ・テープを使用してローカル・コンピューター上の /usr ディレクトリー内のファイルをリモート・コンピューターにバックアップするには、以下のように入力します。
-c フラグを使用すると、rdump コマンドはデフォルトとして 0.25 インチ・テープに合ったサイズ値と密度値を使用します。rdump -fcanine:/dev/rmt0 -c /usr
ファイル
項目 | 説明 |
---|---|
/etc/dumpdates | リモート・ダンプをとった最新の日付のログが入っています。 |
/etc/filesystems | ファイルシステムの情報が入っています。 |
/dev/rhd4 | デフォルトのファイルシステム (ルート) が配置されているデバイスが入っています。 |
/usr/sbin/rdump | rdump コマンドが入っています。 |