mknfsmnt コマンド

目的

NFS サーバーからディレクトリーをマウントします。

構文

/usr/sbin/mknfsmnt -f PathName -d RemoteDirectory -h RemoteHost [ -t { rw | ro } ] [ -m MountTypeName ] [ -w { fg | bg } ] [ -X | -x ] [ -S | -H ] [ -Y | -y ] [ -Z | -z ] [ -e | -E ] [ -a | -A ] [ -j | [ -J ] [ -q | [ -Q ] [ -g | [ -G ] [ -s | -n ] [ -I | -B | -N ] [ -r TimesToRetry ] [ -R NumRetrans ] [ -b ReadBufferSize ] [ -c WriteBufferSize ] [ -o TimeOut ] [ -P PortNumber ] [ -u AcRegMin ] [ -U AcRegMax ] [ -v AcDirMin ] [ -V AcDirMax ] [ -T AcTimeOut ] [ -p NumBiods ] [ -K { any | 2 | 3 | 4 } ] [ -k { any | tcp | udp } ] [ -l | -L ] [-M security_methods] [ -i { dio | cio [,cior ] } ]

説明

mknfsmnt コマンドは、/etc/filesystems ファイルへ追加するエントリーを構成し、ファイルシステムをマウントできるようにします。マウントが永続的であれば、このエントリーは残ります。 マウントが一時的であれば、mount コマンドにフラグが直接指定されます。マウントがソフトで、サーバーが応答しない場合に、システムはエラーを戻します。 マウントがハードであれば、クライアントはサーバーが応答するまで試行を継続します。ハード・マウントはデフォルトのマウントです。

フラグ

項目 説明
-A このファイルシステムの /etc/filesystems のエントリーは、ファイルシステムがシステム再始動時に自動的にマウントされることを指定します。
-a このファイルシステムの /etc/filesystems のエントリーは、ファイルシステムがシステム再始動時に自動的にマウントされないよう指定します。これはデフォルトのフラグです。
-B /etc/filesystems ファイルにエントリーを追加し、ファイルシステムをマウントしようとします。 これはデフォルトのフラグです。
-b ReadBufferSize ReadBufferSize 変数で指定したバイト数で読み取りバッファーのサイズを示します。
-c WriteBufferSize WriteBufferSize 変数で指定したバイト数で書き込みバッファーのサイズを示します。
-d RemoteDirectory 指定したパス名にマウントするディレクトリーを指定します。
-E ハード・マウントでのキーボード割り込みを可能にします。
-e ハード・マウントでのキーボード割り込みを不可能にします。 これはデフォルトのフラグです。
-f PathName リモート・ディレクトリー用にマウント・ポイントを指定します。
-G ファイルシステム上で作成されたファイルまたはディレクトリーに、親ディレクトリーのグループ ID を継承させます。
-g ファイルシステム上で作成された新規ファイルまたはディレクトリーに、 親ディレクトリーのグループ ID を継承させません。これはデフォルトのフラグです。
-H ハード・マウントを作成します。これは、クライアントはサーバーが応答するまで再試行を継続することを意味します。 これはデフォルトのフラグです。
-hRemoteHost ディレクトリーをエクスポートする NFS サーバーを指定します。
-I エントリーを /etc/filesystems ファイルに追加させます。 ディレクトリーはマウントされません。
-i マウント用の入出力モードを指定します。オプションは以下のとおりです。
cio
並行入出力モードを指定します。並行リーダーおよびライターにマウントされるファイルシステムを指定します。 このファイルシステム内のファイル上での入出力は、ファイルが open() システム・コール内で指定された O_CIO でオープンされたかのように動作します。
dio
直接入出力モードを指定します。ファイルシステムにおける入出力が、すべてのファイルが open() システム・コールで 指定された O_DIRECT でオープンされたかのように作動することを指定します。
cior
読み取り専用による並行入出力モードを指定します。
注: cio オプションおよび dio オプションについて詳しくは、mount コマンドを参照してください。
-J acl がこのマウントで使用されることを示します。
-j acl がこのマウントで使用されないことを示します。これはデフォルトのフラグです。
-K この NFS のマウントで使用する NFS バージョンを指定します。 オプションは以下のとおりです。
any
mount コマンドを使用して、正しい一致を判別します。現在のデフォルトの動作については、mount コマンドを参照してください。
2
NFS バージョン 2 を指定します。
3
NFS バージョン 3 を指定します。
4
NFS バージョン 4 を指定します。
-k マウントに使用するトランスポート・プロトコルを指定します。 オプションは以下のとおりです。
any
mount コマンドを使用して、使用するプロトコルを選択します。 TCP プロトコルが優先プロトコルとなります。
tcp
TCP プロトコルを指定します。
udp
UDP プロトコルを指定します。
L ロック要求は、サーバーに接続することなく、ローカルに処理されることを示します。
l ロック要求がローカルに処理されないことを示します。サーバーがロック要求を処理します。
-M security_methods マウントを試行するときに使用するセキュリティー・メソッドのリスト。 コンマで区切られた値 sysdhkrb5krb5ikrb5p のリストで、それぞれ、UNIX、DES、Kerberos 5、保全性付き Kerberos 5、およびプライバシー付き Kerberos 5 を表します。 複数の値が許可されますが、それが意味があるのは NFS バージョン 4 のマウントの場合だけです。 バージョン 2 または 3 のプロトコルのマウントに対して複数のメソッドが指定された場合、 最初のメソッドが使用されます。NFS バージョン 4 のマウントの場合は、リストされている順序でメソッドが試行されます。
-m MountTypeName マウントするファイルシステムのタイプを指定します。 ファイルシステムのタイプは、/etc/filesystems ファイルの中に type 変数で指定されます。 mount -t MountTypeName コマンドが発行されたとき、MountTypeName と同じタイプの現在マウントされていないファイルシステムをすべてマウントします。
-N 指定されたオプションでディレクトリーをマウントしますが、/etc/filesystems ファイルを変更しません。
-n マウントでより安全なプロトコルを使用しないことを指示します。 これはデフォルトのフラグです。
-o TimeOut NFS タイムアウトの長さを TimeOut 変数で指定した 10 分の 1 秒単位で示します。
-P PortNumber サーバーのインターネット・プロトコル・ポート番号を示します。
-p NumBiods 特定のファイルシステム上での作業を許可される biod デーモンの数を指定します。 biod デーモンはクライアント要求を処理します。デーモンのデフォルト数は、NFS バージョン 2 では 7、NFS バージョン 3 および NFS バージョン 4 では 32 です。
-Q posix pathconf 情報が交換されず、NFS バージョン 2 マウントで使用できないように要求します。NFS サーバーでマウント・バージョン 2 rpc.mountd が必要です。
-q NFS バージョン 2 マウントとしてマウントされる場合は posix pathconf 情報が交換されないように指定します。これはデフォルトのフラグです。
-r TimesToRetry マウントを再試行する回数を示します。 デフォルト値は 1000 です。
-R NumRetrans ソフト・マウントでは、このフラグは、要求がサーバーによって応答されない場合にその要求が送信されなければならない回数を指定します。その要求が NumRetrans 回の送信後も応答されない場合、クライアントは要求を断念します。 このフラグを指定しない場合は、デフォルト値 3 が使用されます。
-S ソフト・マウントを作成します。これは、サーバーが応答しないときシステムはエラーを戻します。
-s より安全なプロトコルを使用するようマウントに指示します。
-T AcTimeOut 正規ファイルおよびディレクトリーに対する最短および最長許可時間を、Actimeo 変数で指定した秒数に設定します。 このフラグが指定される場合、他のキャッシュされた属性時間はオーバーライドされます。
-t Type ディレクトリーが読み取り/書き込みあるいは読み取り専用であるかを指定します。
rw
ディレクトリーを読み取り/書き込みでマウントします。 このタイプがシステムのデフォルトです。
ro
ディレクトリーを読み取り専用でマウントします。
-U AcRegMax ファイル変更後、AcRegMax 変数で指定した秒数以下はキャッシュ内の属性を保持します。
-u AcRegMin ファイル変更後、AcRegMin 変数で指定した秒数以上はキャッシュ内の属性を保持します。
-V AcDirMax ディレクトリー更新後、AcDirMax 変数で指定した秒数以下はキャッシュ内の属性を保持します。
-v AcDirMin ディレクトリー更新後、AcDirMin 変数で指定した秒数以上はキャッシュ内の属性を保持します。
-w Location マウントをどこで行うべきかを示します。 Location 変数には次のいずれかの値を指定できます。
fg
フォアグラウンドでマウントが行われます。 これはデフォルト値です。
bg
バックグラウンドでマウントが行われます。 バックグラウンドを指定して、ディレクトリーをマウントする試みが失敗すると、マウントはもう一度バックグラウンドで再試行されます。
-x サーバーが長いデバイス番号をサポートしないことを指定します。

このフラグを使用するのは、32 ビット長のデバイス番号を正しく処理しない NFS サーバーからマウントする場合です。

-X サーバーが長いデバイス番号をサポートすることを指定します。 これはデフォルトのフラグです。
-y このファイルシステムで suid と sgid プログラムが実行不可能であることを示します。
-Y このファイルシステムで suid と sgid プログラムが実行可能であることを示します。 これはデフォルトのフラグです。
-z このマウントを介したデバイス・アクセスが不許可であることを示します。つまり、このマウント・ポイントでデバイスをオープンしません。
-Z このマウントによるデバイス・アクセスが許可であることを示します。これはデフォルトのフラグです。

リモート・ディレクトリーのマウントを追加するには、次のように入力します。

mknfsmnt -f /usr/share/man -d /usr/share/man -h host1

この例では、mknfsmnt コマンドは、 リモート・ディレクトリー /usr/share/manhost1 にある /usr/share/man ディレクトリーにマウントします。

ファイル

項目 説明
/etc/filesystems システムの再始動時にマウントするリモート・ファイルシステムをリストします。

セキュリティー

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。