mkdev コマンド

目的

システムにデバイスを追加します。

構文

mkdev { -c Class -s Subclass -t Type } [ -l Name ] [ -a Attribute=Value ] ... [ -d | -S | -R ] [ -f File ] [ -h ] [ -p ParentName ] [ -q ] [ -w ConnectionLocation ]

mkdev -l Name [ -h ] [ -q ] [ -S ]

説明

重要: 構成データベースを保護するには、mkdev コマンドは割り込み可能であってはなりません。このコマンドを完了前に 停止すると、データベースが破壊される恐れがあります。
mkdev コマンドは次のことを実行します。
  • 所定のデバイス・クラス (-c Class フラグ)、 タイプ (-t Type フラグ)、 サブクラス (-s Subclass フラグ)、 接続位置 (-w ConnectionLocation フラグ)、 および親のデバイス論理名 (-p ParentName フラグ) を使ってデバイスを定義し、 使用可能にします。
  • 所定のデバイス論理名 (-l Name フラグ) で指定された、既に定義済みのデバイスを使用可能にします。
必要に応じて -c-s-t フラグを組み合わせて使用し、事前定義されたデバイスを一意的に識別できます。

-d フラグが指定されると、mkdev コマンドはそのデバイスだけを定義します。-S フラグが指定されると、mkdev コマンドはそのデバイスを停止状態にし、この状態がサポートされている場合は、そのデバイスを使用不可にします。-d フラグも -S フラグも指定しなければ、mkdev コマンドはそのデバイスを使用可能にします。

-R フラグを指定した場合、mkdev コマンドは、 指定された未構成のデバイスの、定義済みの親を構成します。 -R フラグは、-d および -S フラグと互換性がありません。

-c-s-t フラグと共に -l フラグを使用すると、デバイスの名前を指定できます。-l フラグを使用しない場合、 名前が自動的に生成されて割り当てられます。 必ずしもすべてのデバイスがユーザー指定の名前をサポートするわけではありません。

注: キュー・デバイスの名前は、英字で始まらなければなりません。

mkdev コマンドを使用する際は、 フラグはコマンド・ラインで指定するか、 指定した -f File フラグで指定します。

このコマンドは、System Management Interface Tool (SMIT) smit mkdev 高速パスを使用して実行することができます。

フラグ

項目 説明
-a Attribute=Value デフォルトの代わりに使用するデバイスの属性値の対を指定します。Attribute=Value 変数は、1 つの -a フラグに対して 1 つ以上対の属性値を指定する場合に使用できます。複数の属性値の対は引用符で囲み、 対ごとにブランク・スペースで区切らなければなりません。例えば、「-aAttribute=Value」と入力すると、 フラグごとに 1 つの属性値の対がリストされます。 また、「-a 'Attribute1=Value1 Attribute2=Value2'」と入力すると、複数の属性値の対がリストされます。 このフラグは、-c-s、 および -t フラグも使用しない限り、 -l フラグと一緒に使用することはできません。
-c Class デバイス・クラスを指定します。
-d デバイスをカスタマイズ・デバイス・オブジェクト・クラスに定義します。-d フラグを指定すると、mkdev コマンドはそのデバイスを使用可能にしません。 このフラグは、-S フラグと併用することはできません。
-f File File パラメーターから必要なフラグを読み取ります。
-h コマンドの使用メッセージを表示します。
-l Name -c-s、 および -t フラグと一緒に使用しない場合、 カスタマイズ・デバイス・オブジェクト・クラス内に既に定義されているデバイス (Name 変数で示される) を指定します。 この場合、-a-p、 および -w フラグは使用できません。 キュー・デバイスの名前は、英字で始まらなければなりません。
-p ParentName -c-s、 および -t フラグと一緒に使用する場合、 デバイスに割り当てたいデバイス名 (ParentName 変数) を指定します。 すべてのデバイスがこの機能をサポートしているわけではありません。 このフラグは、-c-s、 および -t フラグも使用しない限り、 -l フラグと一緒に使用することはできません。
-q 標準出力ならびに標準エラーからのコマンド出力メッセージを抑制します。
-R まだ構成されていないデバイスの親を構成します。 このフラグを -d および -S フラグと共に使用することはできません。
-S デバイスを Available (使用可能) 状態にしません。このフラグは Stopped (停止) 状態をサポートするデバイスだけに意味を持ちます。このフラグは -d フラグとは併用できません。
-s Subclass Subclass 変数で示されたデバイスのサブクラスを指定します。
-t Type デバイスのタイプを事前定義デバイス・オブジェクト・クラスから指定します。
-w ConnectionLocation ConnectionLocation 変数で示された親上の接続位置を指定します。 このフラグは、-c-s、 および -t フラグも使用しない限り、 -l フラグと一緒に使用することはできません。

終了状況

このコマンドは以下の終了値を返します。
項目 説明
0 正常終了。
>0 エラーが発生しました。

セキュリティー

特権制御: このコマンドに対する実行 (x) アクセス権は、root ユーザーとシステム・グループのメンバーだけが持ちます。

RBAC ユーザーおよび Trusted AIX ユーザーへの注意: このコマンドは特権命令を実行できます。 特権命令を実行できるのは特権ユーザーのみです。 権限および特権についての詳細情報は、「セキュリティー」の『特権コマンド・データベース』を参照してください。 このコマンドに関連した特権および権限のリストについては、lssecattr コマンドまたは getcmdattr サブコマンドの項を参照してください。

監査イベント:

イベント 情報
DEV_Create メソッド名、パラメーター
DEV_Configure エラー
DEV_Start デバイス名
DEV_Change パラメーター

  1. SCSI アダプター scsi0 に接続され、SCSI ID 5 および LUN 0 を使用する 4.0 GB 4mm テープ・ドライブを定義する (ただし、構成しない) には、次のように入力します。
    mkdev -d -c tape -t4mm2gb -s scsi -p scsi0 -w 5,0
    システムは、次のようなメッセージを表示します。
    rmt4 defined
  2. 定義済みのテープ装置 rmt0 を使用可能にするには、次のように入力します。
    mkdev -l rmt0
    システムは、次のようなメッセージを表示します。
    rmt0 available
  3. スピード属性を 19200 に設定し、 その他の属性を foo ファイルから設定して、IBM® 8-Port EIA-232/RS-422A (PCI) アダプターのポート 0 に接続された RS-232 TTY デバイスを定義して構成するには、次のように入力します。
    mkdev -t tty -s rs232 -p sa3 -w 0 -a speed=19200 -f foo
    システムは、次のようなメッセージを表示します。
    tty0 available

ファイル

項目 説明
/usr/sbin/mkdev mkdev コマンドを指定します。