偏最小二乗回帰

「偏相関最小二乗法回帰」手続きは、偏相関最小二乗法 (PLS。潜在的構造投影方法 (projection to latent structure) とも呼ばれます) 回帰モデルを推定します。PLS は、通常最小二乗法 (OLS) 回帰、正準相関、構造方程式モデリングに対する代替の予測技術で、予測変数が密接に相関している場合や、予測数がケース数を超えている場合に特に役立ちます。

PLS は、主成分分析と多重回帰の機能を結合したものです。PLS は、従属変数と独立変数の間の共分散を可能な限り説明する潜在的因子のセットを最初に抽出します。その後の回帰ステップで、独立変数の分解を使用して、従属変数の値が予測されます。

テーブル。デフォルトでは、(潜在的因子によって) 説明された分散の比率、潜在的因子の重み、潜在的因子負荷、投影の独立変数の重要度 (VIP)、回帰パラメーター推定値 (従属変数による) のすべてが作成されます。

図表: 投影の変数の重要度 (VIP)、因子得点、最初の 3 つの潜在的因子の因子の重み、モデルへの距離は、すべて「オプション」タブで生成されます。

偏相関最小二乗法回帰データの考慮事項

測定レベル: 従属変数と独立 (予測) 変数は、スケール変数、名義変数、順序変数のいずれかにすることができます。この手続きは、すべての変数に適切な尺度が割り当てられていることを前提とします。ただし、ソース変数リストで変数を右クリックし、ポップアップ・メニューから尺度を選択することにより、変数の尺度を一時的に変更することができます。この手続きでは、カテゴリー (名義または順序) 変数は同等に扱われます。

カテゴリー変数のコード化: この手続きは、手続きの期間について、one-of-c コード化を使用してカテゴリー従属変数を一時的に再割り当てします。変数の c カテゴリーが存在する場合、その変数は c ベクトルとして格納され、最初のカテゴリー (1,0,...,0)、次のカテゴリー (0,1,0,...,0) などのように、最後のカテゴリー (0,0,...,0,1) までが示されます。カテゴリー従属変数は、ダミー・コードを使用して表わされます。つまり、参照カテゴリーに対応する指標は単純に省略されます。

度数による重み付け: 重み変数は、最も近い整数に丸められてから使用されます。欠損重みを持つケースや重みが 0.5 未満のケースは、分析では使用されません。

欠損値。ユーザー欠損値とシステム欠損値は、無効な値として処理されます。

再調整: カテゴリー変数を表す指示変数を含め、すべてのモデル変数について中心化と標準化が行われます。

偏相関最小二乗法回帰を取得するには

メニューから次の項目を選択します。

「分析」 > 「回帰」 > 「偏相関最小二乗法...」

  1. 1 つ以上の従属変数を選択します。
  2. 1 つ以上の独立変数を選択します。

オプションとして、以下を行うことができます。

この手続きは、PLS コマンド・シンタックスを貼り付けます。

前提条件

偏相関最小 2 乗法回帰手続きは、Python 拡張コマンドであり、IBM® SPSS® Statistics - Essentials for Python が必要です。これは、デフォルトで IBM SPSS Statistics 製品とともにインストールされます。また、無料で入手可能な NumPy および SciPy の各 Python ライブラリーも必要です。
注: ディストリビュート・アナリシス・モードで作業 (IBM SPSS Statistics Server が必要) を行うユーザーについては、NumPy と SciPy がサーバーにインストールされている必要があります。詳しくは、システム管理者に問い合わせてください。
Windows および Mac のユーザー

Windows および Mac の場合は、IBM SPSS Statistics とともにインストールされたバージョンとは別のバージョンの Python 2.7 に、NumPy と SciPy をインストールする必要があります。Python 2.7 の別のバージョンがない場合は、http://www.python.org からダウンロードできます。その上で、Python バージョン 2.7 用の NumPy と SciPy をインストールします。インストーラーは http://www.scipy.org/Download から入手できます。

NumPy と SciPy を使用できるようにするには、NumPy と SciPy をインストールしたバージョンの Python 2.7 に、Python の場所を設定する必要があります。Python の場所は、「オプション」ダイアログ (「編集」>「オプション」) の「ファイルの場所」タブから設定します。

Linux ユーザー

ソースをダウンロードして NumPy と SciPy をユーザー自身で作成することをお勧めします。ソースは http://www.scipy.org/Download から入手できます。NumPy と SciPy は、IBM SPSS Statistics とともにインストールされたバージョンの Python 2.7 にインストールできます。これは、IBM SPSS Statistics のインストール場所にある Python ディレクトリー内にあります。

NumPy と SciPy を、IBM SPSS Statistics とともにインストールされたバージョンとは別のバージョンの Python 2.7 にインストールすることを選択する場合は、Python の場所がそのバージョンを指すように設定する必要があります。Python の場所は、「オプション」ダイアログ (「編集」>「オプション」) の「ファイルの場所」タブから設定します。

Windows および Unix サーバー

NumPy と SciPy は、サーバーで、IBM SPSS Statistics に付属してインストールされるバージョンとは別個のバージョンの Python 2.7 にインストールする必要があります。別個のバージョンの Python 2.7 がサーバーにない場合、http://www.python.org からダウンロードできます。Python 2.7 用の NumPy と SciPy は、http://www.scipy.org/Download から入手できます。NumPy と SciPy を使用できるようにするには、サーバーに対する Python の場所を、NumPy と SciPy がインストールされているバージョンの Python 2.7 に設定する必要があります。Python の場所は、IBM SPSS Statistics Administration Console から設定します。