時間的因果モデル

時間的因果モデリングでは、時系列データ内の重要な因果関係を検出しようとします。時間的因果モデリングでは、対象系列セットおよびその対象への入力候補セットを指定します。そうすると、プロシージャーにより、各対象の自己回帰時系列モデルが作成され、対象に対して因果関係を持つ入力のみが含まれます。このアプローチは、対象系列の予測変数を明示的に指定する必要がある従来の時系列モデリングとは異なります。時間的因果モデリングでは通常、複数の関連時系列のモデルを作成する必要があるため、結果は、モデル システム と呼びます。

時間的因果モデリングのコンテキストでは、因果 という用語は、グレンジャー因果性を指します。時系列 X が別の時系列 Y の「グレンジャー因果」であると言うのは、X と Y の両方の過去値の観点における Y の回帰により、Y の過去値のみの観点における回帰よりも優れた Y のモデルが得られる場合です。

ビジネスの意思決定者は、時間的因果モデリングを使用して、ビジネスについて説明する大規模な時間ベースの測定基準のセット内の因果関係を検出できます。分析により、重要業績評価指標に最も大きな影響を与える、いくつかの制御可能な入力が明らかになることがあります。

大規模な IT システムの管理者は、時間的因果モデリングを使用して、相互関係のある大規模運用測定基準セット内の異常を検出できます。その後、因果モデルにより、異常検出に加えて、異常の根本原因として最も可能性が高いものを検出できます。

フィールド要件

1 つ以上の対象がなければなりません。デフォルトでは、事前定義された役割が「なし」のフィールドは使用されません。

データ構造

時間的因果モデリングでは、2 つのタイプのデータ構造がサポートされます。

列ベースのデータ
列ベースのデータの場合、各時系列フィールドには、単一の時系列のデータが含まれます。この構造は、時系列モデラーで使用される、従来型の時系列データの構造です。
多次元データ
多次元データでは、各時系列フィールドに、複数の時系列のデータが含まれます。その場合、特定のフィールド内の別個の時系列は、次元 フィールドと呼ばれるカテゴリ フィールドの値セットによって識別されます。 例えば、2 つの異なる販売チャネル (小売と Web) の売上データを単一の sales フィールドに保管できます。channel という次元フィールド (「retail」(小売) と「web」(Web) という値が含まれる) により、2 つの販売チャネルのそれぞれに関連したレコードを識別します。

このプロシージャでは TCM MODEL コマンド シンタックスを貼り付けます。

注: 時間的因果モデルを作成するには、十分なデータ点が必要です。この製品では、制約を使用します。
m>(L + KL + 1)
ここで m はデータ点の数、L はラグの数、K は予測変数の数です。データ点の数 (m) が条件を満たすように、データ・セットが十分に大きいことを確認してください。