INTERFACE - IPAQENET OSA-Express QDIO インターフェース・ステートメント
INTERFACE ステートメントは IPv4 の OSA-Express QDIO イーサネット・インターフェースを指定する場合に使用します。
制約事項: このステートメントは、IPv4 IP アドレスにのみ適用されます。
OSA-Express のマイクロコード・レベルを判別するためには、DISPLAY TRL コマンドを使用します。 特定の OSA-Express 関数が最小マイクロコード・レベルで文書化されている場合は、 上記のコマンドを使用して、この関数がサポートされているかどうかを判別できます。 IBM® サービスは、 問題診断のためにマイクロコード・レベルを要求する場合があります。 DISPLAY TRL コマンドについて詳しくは、「 z/OS Communications Server: SNA オペレーション」を参照してください。
QDIO モードをサポートする OSA-Express フィーチャーについて詳しくは、「 z Systems: Open Systems Adapter-Express お客様ガイドおよび解説書」を参照してください。
IPAQENET インターフェースを開始すると (そして、ROUTEALL 指定の VMAC を指定しなかった場合)、 TCP/IP はこの TCP/IP インスタンスに関するすべての非ループバック・ローカル (ホーム) IPv4 アドレスを OSA-Express 機構に登録します。 次に、この TCP/IP インスタンスのホーム IPv4 アドレスを追加、削除、または変更すると、TCP/IP は、それらの変更を OSA-Express 機構に動的に登録します。OSA アダプターは、これらの IPv4 アドレスあてに送られたデータグラムをこの TCP/IP インスタンスにルーティングします。
OSA アダプターで未登録の IPv4 アドレス宛のデータグラムを受け取った場合、OSA-Express 機構は仮想 MAC (VMAC) アドレスの設定、あるいは PRIROUTER または SECROUTER 指定のインスタンス定義に応じて、 このデータグラムを TCP/IP インスタンスに経路指定します。 データグラムが仮想 MAC アドレス宛でなく、 このインスタンスを使用するアクティブな、いずれの TCP/IP インスタンスも PRIROUTER または SECROUTER として定義されていない場合、OSA-Express 機構はデータグラムを廃棄します。 詳しくは、「 z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」のルーター情報および「 z/OS Communications Server: SNA ネットワーク・インプリメンテーション・ガイド」の『1 次および 2 次ルーティング』を参照してください。
OSA-Express 機構のセットアップに関する詳しい手順については、「 z Systems: Open Systems Adapter-Express お客様ガイドおよび解説書」を参照してください。
TCP/IP インターフェースに関する未着割り込みハンドラー (MIH) の考慮事項については、未着割り込みハンドラー要因を参照してください。
構文
規則: 必須パラメーターと CHPIDTYPE パラメーターは、ここに示されている順序で指定してください。 OSD インターフェース定義パラメーターと OSX インターフェース 定義パラメーターは、任意の順序で指定できます。
>>-INTERFace--intf_name-----------------------------------------> .-CHPIDTYPE OSD | OSD interface definition |-. >--+-DEFINE--IPAQENET--+--------------------------------------------+--| Common parameters |-+->< | '-CHPIDTYPE OSX | OSX interface definition |-' | '---DELEte--------------------------------------------------------------------------------' OSD Interface Definition |--PORTNAME portname--------------------------------------------> .-NONRouter-. >--+-IPADDR-+-ipv4_address/0-------------+-+-----------+-+------> | +-ipv4_address---------------+ +-PRIRouter-+ | | '-ipv4_address/num_mask_bits-' '-SECRouter-' | '-TEMPIP----------------------------------------------' .-INBPERFBALANCED----------------------. >--+-----------+--+--------------------------------------+------> '-VLANID id-' | .-NOWORKLOADQ-. | '-INBPERF--+-DYNAMIC-+-------------+-+-' | '-WORKLOADQ---' | +-MINCPU------------------+ '-MINLATENCY--------------' .-SMCR---. >--+---------------------------------+--+--------+--------------> | .-ROUTEALL-. | '-NOSMCR-' '-VMAC--+---------+--+----------+-' '-macaddr-' '-ROUTELCL-' .-SMCD---. >--+--------+---------------------------------------------------| '-NOSMCD-' OSX Interface Definition |--+-CHPID -chpid--------+--------------------------------------> '-PORTNAME --portname-' >--IPADDR ipv4_address/num_mask_bits--VLANID id-----------------> .-INBPERF DYNAMIC NOWORKLOADQ----------. >--+--------------------------------------+---------------------> '-INBPERF--+-BALANCED----------------+-' +-MINCPU------------------+ +-MINLATENCY--------------+ | .-NOWORKLOADQ-. | '-DYNAMIC-+-------------+-' '-WORKLOADQ---' .-VMAC ROUTEALL------. >--+--------------------+---------------------------------------| | .-ROUTEALL-. | '-VMAC--+----------+-' '-ROUTELCL-' Common parameters for OSD and OSX interface definitions |--+--------------------------------+--+--------+---------------> '-SOURCEVIPAINTerface -vipa_name-' '-MTUnum-' .-READSTORAGEGLOBAL----. >--+----------------------+--+---------+------------------------> '-READSTORAGE--+-MAX-+-' '-IPBCAST-' +-AVG-+ '-MIN-' .-SECCLASS 255------------. .-NOMONSYSPLEX-. >--+-------------------------+--+--------------+----------------> '-SECCLASS security_class-' '-MONSYSPLEX---' .-NODYNVLANREG-. .-NOOLM-. .-NOISOLATE-. >--+--------------+--+-------+--+-----------+-------------------| '-DYNVLANREG---' '-OLM---' '-ISOLATE---'
パラメーター
- intf_name
- インターフェースの名前。最大長は 16 文字です。
要件: この名前は、PORTNAME パラメーターに指定している名前とは異なっている必要があります。
- DEFINE
- この定義が、定義済みのインターフェースのリストに追加されることを指定します。
- DELETE
- この定義が、定義済みのインターフェースのリストから削除されることを指定します。 intf_name の値は、以前に INTERFACE ステートメントによって定義されたインターフェースの名前でなければなりません。INTERFACE DELETE を指定すると、当該インターフェースのホーム IP アドレスを削除します。
- IPAQENET
- インターフェースが IP 補助機能ベースのインターフェースを使用 し、QDIO インターフェース・ファミリーに属していて、イーサネット・プロトコルを使用することを指示します。
- CHPIDTYPE
- OSA-Express®
QDIO インターフェースの CHPID タイプを示すオプションのパラメーター。
- OSD
- 外部データのネットワーク・タイプを示します。これはデフォルト値です。
- OSX
- イントラアンサンブル・データ・ネットワーク。OSX の稼働に必要な要件については、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」を参照してください。
規則: このインターフェースがリモート直接メモリー・アクセスによる共用メモリー通信 (SMC-R) または Shared Memory Communications - Direct Memory Access (SMC-D) を使用する資格を持てるようにするためには、OSD インターフェース定義を指定する必要があります。
- CHPID chpid
- このパラメーターは、CHPIDTYPE OSX のインターフェースのみに適用され、インターフェースの CHPID を指定するのに使用されます。この値は 2 文字の 16 進値 (00 - FF) です。
- PORTNAME portname
- このパラメーターを使用して、QDIO インターフェースの TRLE 定義にある PORT 名を指定してください。
TRLE は、MPCLEVEL=QDIO と定義しなければなりません。TRLE の定義についての詳細は、
「z/OS Communications Server: SNA リソース定義解説書」を参照してください。
要件: portname の値は、intf_name に指定された名前とは異なっている必要があります。
- IPADDR
-
- ipv4_address
- このインターフェースのホーム IP アドレス。
要件: IP アドレスは、小数点付き 10 進数フォーマットで指定する必要があります。
- num_mask_bits
- インターフェースのサブネット・マスクの左端の有効ビット数を表す 0 から 32 の範囲の整数値です。
この値により、このインターフェースに対する VIPA の ARP の処理方法についても制御されます。
非ゼロ値を指定すると、VIPA が OSA と同じサブネット内に構成されている場合 (このサブネット・マスクで定義されている)、
TCP/IP スタックは VIPA の ARP 処理のみ実行するように OSA に伝えます。
デフォルトは 0 です (CHPIDTYPE OSD の場合)。このパラメーターは、CHPIDTYPE OSX では必須です。
要件: 複数の IPv4 VLAN インターフェースを同一 OSA-Express 機構に構成している場合は、 これらの各インターフェースの num_mask_bits 変数には非ゼロ値を指定し、 その結果のサブネットは、これらの各インターフェースに対して固有でなければなりません。
規則: OMPROUTE を使用しようとして、 OMPROUTE がこのインターフェースを無視するように構成されていない場合は、 このパラメーターで定義するサブネット・マスク値が、 OMPROUTE によってこのインターフェースに使用されるサブネット・マスクと一致していることを確認してください。 このインターフェースに対して、OMPROUTE によって使用されるサブネット・マスクは、対応する OMPROUTE ステートメント (OSPF_INTERFACE、RIP_INTERFACE、または INTERFACE) で定義されたサブネット・マスク値です。 このインターフェースに指定されている OMPROUTE ステートメントがない場合、OMPROUTE によって使用されるサブネット・マスクは、 インターフェース IP アドレスのクラス・マスクです。
- TEMPIP
- インターフェースが IP アドレス 0.0.0.0 で始まるよう指定します。このインターフェースはブロードキャスト・トラフィックに使用できます。このパラメーターは、CHPIDTYPE OSD で定義されたインターフェースにのみ適用されます。ガイドライン: TEMPIP インターフェースを単体テスト環境で使用して、IBM Rational® Developer for System z® Unit Test 機能 (Rdz-UT) などの DHCP クライアントを提供するアプリケーションをサポートします。TEMPIP インターフェースの構成について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」の『TEMPIP インターフェースの使用』を参照してください。
- NONROUTER
- このインターフェースで未知の IP アドレスあてのデータグラムを受け取った場合、そのデータグラムはこの TCP/IP インスタンスにルーティングされません。
これはデフォルト値です。
PRIROUTER および SECROUTER パラメーターは、VLANID パラメーターと相互作用します。 この関係を理解するために、VLANID パラメーター定義を参照してください。
規則: このキーワードは、CHPIDTYPE OSD のインターフェースのみに適用され、INTERFACE ステートメントで VMAC パラメーターが構成されている場合は無視されます。
- PRIROUTER
- このインターフェースで不明の IP アドレスあてのデータグラムを受け取り、
仮想 MAC アドレスあてになっていない場合、データグラムはこの TCP/IP インスタンスに経路指定されます。このパラメーターは、VLANID パラメーターと相互に作用します。
この関係を理解するために、VLANID パラメーター定義を参照してください。
規則: このキーワードは、CHPIDTYPE OSD のインターフェースのみに適用され、INTERFACE ステートメントで VMAC パラメーターが構成されている場合は無視されます。
- SECROUTER
- このインターフェースで不明の IP アドレスあてのデータグラムを受け取り、
仮想 MAC あてになっていない場合、PRIROUTER として定義されたアクティブな TCP/IP インスタンスがない場合には、
そのデータグラムはこの TCP/IP インスタンスに経路指定されます。
このパラメーターは、VLANID パラメーターと相互に作用します。
この関係を理解するために、VLANID パラメーター定義を参照してください。
規則: このキーワードは、CHPIDTYPE OSD のインターフェースのみに適用され、INTERFACE ステートメントで VMAC パラメーターが構成されている場合は無視されます。
- VLANID id
- OSA-Express インターフェースに割り当てられる 10 進数の仮想 LAN ID を指定します。このフィールドは、OSA-Express インターフェースに接続された LAN の
スイッチによって認識された仮想 LAN ID でなければなりません。有効な範囲は 1 から 4094 までです。この
パラメーターは、CHPIDTYPE OSD ではオプションで、CHPIDTYPE
OSX では必須です。
ガイドライン: 他のプラットフォームでのインストール構成およびアンサンブル・ネットワーキングに関連するインストール構成では、VLANID を最大 4096 に制限できます。
VLANID パラメーターは、PRIROUTER および SECROUTER パラメーターと相互作用します。 VLANID パラメーターと、PRIROUTER または SECROUTER のいずれか一方、の両者を構成した場合、 この TCP/IP インスタンスは、この VLAN (ID) に対してのみルーターとしての役割を果たします。 この装置インスタンスで不明の IP アドレスあてのデータグラムを受け取り、仮想 MAC が宛先でない場合は、 そのデータグラムがこの VLAN ID のタグが付いた VLAN であれば、 この TCP/IP インスタンスにのみ経路指定されます。 VLANID パラメーターの相互作用について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」で『OSA VLAN』を参照してください。
規則: 同一 OSA-Express 機構に対して複数の VLAN インターフェースを構成している場合は、これらの各インターフェースの INTERFACE ステートメントに (デフォルトの ROUTEALL 属性を指定して) VMAC パラメーターを指定する必要があります。
制約事項: スタックは同一 OSA-Express ポートに対して、最大 32 個の IPv4 VLAN インターフェースをサポートします。このインターフェースをリモート直接メモリー・アクセスによる共用メモリー通信 (SMC-R) で使用できる場合は、追加の VLANID 制限が存在することがあります。 詳しくは、「 z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」の『VLANID に関する考慮事項』を参照してください。
- INBPERF
-
QDIO インターフェースのインバウンド・トラフィックの処理が実行される方法を示すオプションのパラメーター。
インバウンド・トラフィックでアダプターがホストに割り込む頻度を示す BALANCED、MINCPU、および MINLATENCY の 3 つの静的設定がサポートされます。 静的設定には静的割り込みタイミング値が使用されます。 この静的な値はワークロード・タイプまたはトラフィック・パターンのすべてに必ずしも最適とは限りません。 しかし、静的な値がトラフィック・パターンの変更の原因になっているとは言い切れません。
1 つの動的設定 (DYNAMIC) も サポートされます。装置がアクティブ状態で使用されているときに、この設定により、ホスト (スタック) でタイマー割り込み調整を動的に行わせます。 この機能は動的 LAN アイドルと呼ばれる OSA ハードウェア機能を活用します。 静的設定値とは違って、DYNAMIC 設定にはトラフィック・パターンに関する変更に対処して、 スループットが最大化される時点の割り込みタイミング値が設定されます。 動的設定では、静的設定のいずれかを指定するときに起こる場合がある CPU 消費量の増加を招くことはありません。 さらに、 DYNAMIC 設定は OSA 動的ルーター・アーキテクチャー 機能を使用して、特定のインバウンド・トラフィック・タイプに対して QDIO インバウンド・ワークロード・キューを使用可能にします。
結果: INTERFACE ステートメントで OLM を指定すると、INBPERF パラメーターは無視されて、ステートメントは DYNAMIC 値を使用します。
INBPERF の有効な値は次のとおりです。
- BALANCED
- この設定は静的割り込みタイミング値を使用するもので、 スループットを適度に高めて CPU 使用量を無理なく低くする場合に選択されます。 これは CHPIDTYPE OSD のデフォルト値です。
- DYNAMIC
- この設定では、ホストでのインバウンド・ワークロード状態に基づいて、
タイマー割り込み値を変更するために、ホストで OSA-Express 機構へのシグナル通知が動的に発生します。
DYNAMIC の設定は、対応する動的 LAN アイドル機能付きの IBM System z9® に装備された OSA-Express2 以降の機構にのみ有効です。この機能をサポートする OSA-Express3 アダプターについて詳しくは、「2097DEVICE 予防サービス計画 (PSP) バケット」を参照してください。
DYNAMIC 設定は多くのワークロード組み合わせに使用される他の 3 つの静的設定よりパフォーマンスが優れています。これは、CHPIDTYPE OSX のデフォルト値です。
この DYNAMIC 設定が動的 LAN アイドル機能をサポートしない OSA-Express アダプターに指定されると、スタックは BALANCED 設定の使用に戻ります。
- WORKLOADQ | NOWORKLOADQ
-
このサブパラメーターは、インターフェースの QDIO インバウンド・ワークロード・キューイング機能を制御します。QDIO インバウンド・ワークロード・キューイングは、対応するデータ・ルーター・アーキテクチャーをサポートする QDIO モードの OSA-Express 機構にのみ有効です。ワークロード・キューイングをサポートする OSA-Express 機構は、可能なすべてのトラフィック・タイプで、ワークロード・キューイングを必ずしもサポートするわけではありません。QDIO インバウンド・ワークロード・キューイング機能およびこの機能をサポートする OSA-Express 機構について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」の『QDIO インバウンド・ワークロード・キューイング』を参照してください。
- NOWORKLOADQ
- QDIO インバウンド・ワークロード・キューイングを、インバウンド・トラフィックで使用できないように指定します。このインターフェースのすべてのインバウンド・トラフィックでは、 単一の入力キューが使用されます。これがデフォルト値です。
- WORKLOADQ
- QDIO インバウンド・ワークロード・キューイング (IWQ) を、インバウンド・トラフィックで使用できるように指定します。
WORKLOADQ サブパラメーターが指定されると、 特定のインバウンド・トラフィック・タイプに対して QDIO インバウンド・ワークロード・キューイングが使用可能になります。他のすべてのトラフィック・タイプに対しては、 プライマリー入力キューが予約されます。
OSA-Express 機構によってサポートされている場合、次のインバウンド・トラフィック・タイプに対して補助入力キュー (AIQ) が作成されます。
- シスプレックス・ディストリビューター
- ストリーミング・ワークロード (例えば FTP)
- Enterprise Extender (EE)
要件: VMAC パラメーターを WORKLOADQ とともに指定し、QDIO インバウンド・ワークロード・キューイングを使用可能にする必要があります。
制約事項:- バルク・モード TCP 接続の登録は、単一のインバウンド・インターフェースでバルク・モード TCP 接続をサービスしている構成でのみサポートされます。 バルク・モード TCP 接続で複数のインターフェースにまたがるデータを受信していることが検出されると、QDIO IWQ は TCP 接続に対して無効化され、その時点からインバウンド・データは 1 次入力キューに配信されます。
- 間接経路 (ネクスト・ホップと宛先 IP アドレスが異なる経路) が使用されている場合、QDIO IWQ は、受信 TCP/IP スタックによって共用される OSA ポートを介して送信されるトラフィックには適用されません。このトラフィックは、1 次入力キューに配置されます。 共用 OSA パス上のトラフィックが直接経路 (ネクスト・ホップと宛先 IP アドレスが同じ経路) を使用する場合は、QDIO IWQ が適用されます。
この WORKLOADQ 設定がデータ・ルーター・アーキテクチャー機能をサポートしない OSA-Express アダプターに指定されると、スタックは単一の入力キューの使用に戻ります。
- MINCPU
- この設定は静的割り込みタイミング値を使用するもので、 スループットにかまわずにホスト割り込みを最小化する場合に選択されます。 この操作モードでは、ホストに流れ込むパケットをキューイングする際に若干の遅れ (待ち時間) が生じることがあります。 そのため、待ち時間要件の厳しいワークロードの場合には、この操作モードは最適ではありません。
- MINLATENCY
- この設定は静的割り込みタイミング値を使用するもので、 受信パケットをホストへ積極的に送信することによって待ち時間 (遅れ) を最小化する場合に選択されます。 この操作モードでは、他の 3 つの設定の場合よりも CPU 使用量が多くなるのが普通です。 この設定は、ホスト CPU の使用量が問題にならない場合にのみ使用してください。
- VMAC macaddr
- 12 桁の 16 進文字で表される仮想 MAC アドレスを指定します。
この TCP/IP スタックとすべての IPv4 パケットの送受信を行うために、
OSA-Express 装置は装置の物理 MAC アドレスではなく、このアドレスを使用します。
CHPIDTYPE OSD では、仮想 MAC アドレスの使用はオプションです。CHPIDTYPE
OSX では、仮想 MAC アドレスの使用は必須であるため、VMAC パラメーターがデフォルトです。macaddr 値はオプションです。macaddr 値は、CHPIDTYPE OSD ではオプションですが、CHPIDTYPE OSX では指定できません。 macaddr 値を指定しないと、OSA-Express 装置は仮想 MAC アドレスを生成します。 macaddr 値を指定する場合は、 ローカル管理される個別の MAC アドレスとして定義する必要があります。 これは、MAC アドレスは先頭のバイト・セットのビット 6 (ユニバーサル/ローカル・フラグ U ビット) は 1、 先頭のバイト・セットのビット 7 (グループ/個別のフラグ G ビット) は 0 でなければならないことを意味しています。 2 番目の 16 進文字は 2、6、A、または E でなければなりません。 12 桁の 16 進文字のビット位置については、下図に示します。
| 1|1 3|3 4| |0 5|6 1|2 7| +----------------+----------------+----------------+ |xxxxxxUGxxxxxxxx|xxxxxxxxxxxxxxxx|xxxxxxxxxxxxxxxx| +----------------+----------------+----------------+
規則:- インターフェース活動化中に OSA-Express 装置により生成される同じ仮想 MAC アドレスは、 インターフェースが停止されているか、または操作不能 (INOP) であっても、この TCP/IP スタック用のこの OSA-Express には引き続き有効です。 新規の仮想 MAC アドレスは、INTERFACE ステートメントを削除して再定義するか、 または TCP/IP スタックがリサイクルされる場合のみ生成されます。
- NONROUTER, PRIROUTER、および SECROUTER パラメーターは、OSA-Express インターフェースに対しては、VMAC パラメーターが INTERFACE ステートメントに構成される場合は無視されます。
ガイドライン: TCP/IP が終了して再開された後でも、 この OSA-Express 装置を表す仮想 MAC アドレスが同じである必要がなければ、 macaddr 値を指定しないで VMAC を構成し、OSA-Express 装置がこのアドレスを生成できるようにします。 これにより VMAC アドレスは、他のすべての物理 MAC アドレス、 および OSA-Express 機構で生成された他のいずれの VMAC アドレスとも固有であることが保証されます。
- ROUTEALL
- 仮想 MAC を宛先とするすべての IP トラフィックは、OSA-Express 装置によって TCP/IP スタックに転送されます。 これはデフォルト値です。詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」のルーター情報を参照してください。
- ROUTELCL
- 仮想 MAC を宛先とするトラフィック、およびこの宛先 IP アドレスがこの TCP/IP スタックによって OSA-Express 装置に登録されている場合のみ、OSA-Express 装置によって転送されることを指定します。 詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」のルーター情報を参照してください。
- SMCR | NOSMCR
- 外部データ・ネットワークの通信用に、このインターフェースをリモート直接メモリー・アクセスによる共用メモリー通信 (SMC-R) で使用できるかどうかを指定します。
- NOSMCR
- SMC-R を使用する新規 TCP 接続で、外部データ・ネットワークの通信用にこのインターフェースを使用できないように指定します。
- SMCR
- SMC-R を使用する新規 TCP 接続で、外部データ・ネットワークの通信用にこのインターフェースを使用できるように指定します。これはデフォルトの設定です。
規則:- SMCR および NOSCMR は CHPIDTYPE OSD 定義のみで有効です。
- SMCR は、GLOBALCONFIG ステートメントで SMCR パラメーターの PFID サブパラメーターを使用して Peripheral Component Interconnect Express (PCIe) の機能 ID (PFID) の値が少なくとも 1 つ指定されていない限り、無効です。
- INTERFACE ステートメントでゼロ以外のサブネット・マスクが構成されていない限り、SMCR は無効です。
ガイドライン: マルチパスが有効になっていて、同等コストのインターフェースが異なる IP サブネットに関連付けられている場合、それらのインターフェースの (すべてではなく) 一部に SMC を有効にすると、予測不能な SMC 使用が発生する可能性があります。 同等コストのインターフェースすべてに SMCR または NOSMCR のいずれかを指定する必要があります。 - SMCD | NOSMCD
- このインターフェースをShared Memory Communications - Direct Memory Access (SMC-D) で使用できるかどうかを指定します。
- NOSMCD
- SMC-D を使用する新規 TCP 接続で、このインターフェースを使用できないように指定します。
- SMCD
- SMC-D を使用する新規 TCP 接続で、このインターフェースを使用できるように指定します。これはデフォルトの設定です。
規則:- SMCD および NOSMCD は CHPIDTYPE OSD 定義のみで有効です。
- INTERFACE ステートメントでゼロ以外のサブネット・マスクが構成されていない限り、SMCD は無効です。
ガイドライン: マルチパスが有効になっていて、同等コストのインターフェースが異なる IP サブネットに関連付けられている場合、それらのインターフェースの (すべてではなく) 一部に SMC を有効にすると、予測不能な SMC 使用が発生する可能性があります。 同等コストのインターフェースすべてに SMCD または NOSMCD のいずれかを指定する必要があります。 - SOURCEVIPAINTERFACE vipa_name
- SOURCEVIPA 用に使用するための、以前に定義された静的 VIPA インターフェースを指定します
(IPCONFIG SOURCEVIPA が有効な場合)。vipa_name 値は、VIRTUAL インターフェースのインターフェース名 (またはリンク名) です。このパラメーターはオプションです。
要件: VIRTUAL インターフェースは、この INTERFACE ステートメントを TCP/IP スタックに指定する前に定義する必要があります。このインターフェースは既に定義されているか、または静的な VIPA を定義する INTERFACE ステートメント (または DEVICE および LINK ステートメント) が、プロファイル・データ・セット内でこの INTERFACE ステートメントよりも前になければなりません。
ヒント: SOURCEVIPAINTERFACE 設定をオーバーライドすることができます。アウトバウンド・パケットのソース IP アドレスを決める方法の階層については、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」のソース IP アドレスの選択に関する情報を参照してください。 - MTU num
- バイト単位で表した最大伝送単位 (MTU)。この値は、576 から 8992 までの範囲が可能です。IPv4 の場合の最小 MTU は 576 です。
スタックは、構成された値と装置でサポートされる値 (OSA により戻される) の中、最小値を採用します。
MTU デフォルトは装置でサポートされる値に依存し、次の値になります。
- ギガビット・イーサネットのデフォルト MTU = 8992
- 高速イーサネットのデフォルト MTU = 1492
高速イーサネットの場合、MTU デフォルトは 1492 です。それ以外は 8992 です。
規則: OMPROUTE を使用しようとして、 OMPROUTE がこのインターフェースを無視するように構成されていない場合は、 このパラメーターで定義する MTU が、OMPROUTE によってこのインターフェースに使用される MTU と一致していることを確認してください。 このインターフェースに対して、OMPROUTE によって使用される MTU は、対応する OMPROUTE ステートメント (OSPF_INTERFACE、RIP_INTERFACE、 または INTERFACE) で定義された MTU です。 このインターフェースに対して、MTU 値が対応する OMPROUTE ステートメントで定義されていないか、 または指定されている OMPROUTE ステートメントがない場合、OMPROUTE によって使用される MTU は、IPv4 の場合には最小 MTU (576) です。
ヒント: TCP/IP で、送信するフレームの最大サイズを、MTU を使用して決定する方法について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」の『最大伝送単位に関する考慮事項』のセクションを参照してください。
- READSTORAGE
- 固定記憶装置の容量を示すオプションのパラメーターで、z/OS® Communications
Server は、これをこのアダプターの読み取り処理に使用できるようにしておかなければなりません。
QDIOSTG VTAM® 開始オプション
を使用して、すべての OSA-Express アダプターに QDIO モードで適用する値を指定します。このスタックのこのインターフェースの予想インバウンド・ワークロードに基づき、READSTORAGE キーワードを使用してこのアダプターの
グローバル QDIOSTG 値を指定変更することができます。READSTORAGE の有効な値は次のとおりです。
- GLOBAL
- ストレージの容量は、QDIOSTG VTAM 開始オプションによって決まります。 これがデフォルト値です。
- MAX
- このインターフェースで重いインバウンド・ワークロードが予想される場合は、 この値を使用します。
- AVG
- このインターフェースで中程度のインバウンド・ワークロードが予想される場合は、 この値を使用します。
- MIN
- このインターフェースで軽いインバウンド・ワークロードが予想される場合は、この値を使用します。
ヒント: 上記の各値に対して z/OS Communications Server によって割り振られる正確なストレージの量について詳しくは、「z/OS Communications Server: SNA リソース定義解説書」の QDIOSTG VTAM 開始オプションの説明を参照してください。
- IPBCAST
- インターフェースが、IP ブロードキャスト・パケットの送信と受信の両方を行うことを指定します。 このパラメーターが指定されていない場合は、このインターフェースで IP ブロードキャスト・パケットが 送信または受信されることはありません。
- SECCLASS security_class
- このパラメーターを使用して、IP フィルターのセキュリティー・クラスを
このインターフェースに関連付けます。
このインターフェース上のトラフィックがフィルター規則と一致するためには、
フィルター規則がインターフェースと同じセキュリティー・クラス値であるか、または 0 の値でなければなりません。
フィルター規則は TCP/IP プロファイル、またはポリシー・エージェントによって読み取られる
IP セキュリティーのポリシー・ファイルに指定できます。
フィルター規則は IP セキュリティー・ポリシー・ファイルの IpService ステートメントに、
または TCP/IP プロファイルの IPSECRULE ステートメントの SECCLASS パラメーターに、
セキュリティー・クラスの指定を組み込むことができます。
有効なセキュリティー・クラスは、1 から 255 の範囲の数値として指定します。 デフォルト値は 255 です。セキュリティー・クラス値について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」を参照してください。
IPCONFIG ステートメント上で IPSECURITY が指定されない場合、TCP/IP スタックはこの値を無視されます。
- MONSYSPLEX | NOMONSYSPLEX
- シスプレックス・オートノミックがインターフェースの状況をモニターすべきかどうかを指定します。
- NOMONSYSPLEX
- シスプレックス・オートノミックがインターフェースの状況をモニターすべきでないことを指定します。 これがデフォルト値です。
- MONSYSPLEX
- シスプレックス・オートノミックがインターフェースの状況をモニターすべきであることを指定します。
制約事項: MONSYSPLEX 属性は、MONINTERFACE キーワードが GLOBALCONFIG SYSPLEXMONITOR プロファイル・ステートメントに指定されていない場合は有効ではありません。 DYNROUTE キーワードが GLOBALCONFIG SYSPLEXMONITOR プロファイル・ステートメントにも指定されると、 インターフェースを介する動的経路の存在がモニターされます。
- DYNVLANREG | NODYNVLANREG
- このパラメーターは、このインターフェースの
VLAN ID を動的または静的に LAN 上の物理スイッチに登録するかどうかについて制御します。
制約事項: このパラメーターは VLAN ID がステートメントに指定される場合のみ適用可能です。
VLAN ID の動的登録は OSA-Express 機構およびご使用の LAN 上の物理スイッチによって処理されます。 したがって、上記のいずれも DYNVLANREG パラメーターを有効にするために、 動的 VLAN ID 登録のために必要なハードウェア・サポートを提供するレベルである必要があります。 インターフェースがアクティブになると、この OSA-Express 機構が VLAN 動的登録をサポートできるかどうかを判別するための Netstat DEvlinks/-d 報告書出力を表示できます。この Netstat 報告書は、動的 VLAN ID 登録がインターフェース用に構成されているかどうかも表示します。
- NODYNVLANREG
- このインターフェース用の VLAN ID を構成する場合、 対応する LAN 上の物理スイッチに、この ID を手動で登録する必要があることを指定します。 これはデフォルト値です。このパラメーターが VLAN ID なしで指定された場合は 無視されます。
- DYNVLANREG
- このインターフェース用の VLAN ID を構成する場合、 この ID は対応する LAN 上の物理スイッチに、動的に登録されることを指定します。このパラメーターが VLAN ID なしで指定された場合は、 警告メッセージ EZZ0056I が発行され、代わりに NODYNVLANREG 設定が使用されます。
- OLM | NOOLM
- OSA-Express アダプターが、最適化待ち時間モードで作動しているかどうかを示すオプションのパラメーター。
- NOOLM
- OSA-Express アダプターが、最適化待ち時間モードで作動しないことを指定します。これはデフォルト値です。
- OLM
- OSA-Express アダプターが、最適化待ち時間モード (OLM) で作動するように指定します。最適化待ち時間モードは、インバウンドおよびアウトバウンドの両方のデータに関する割り込み処理を最適化します。このモードは、待ち時間要件が必要なワークロードに使用します。このモードは、著しいスループット増加を実現できるため、特に対話式で非ストリーミングのワークロードに適しています。最適化待ち時間モードについて詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」の『最適化待ち時間モード』のトピックを参照してください。
ガイドライン:- 最適化待ち時間モードの作動特性により、トラフィックの宛先を特定の OSA-Express 書き込み優先キューに向けたり、最適化待ち時間モードのために構成された OSA-Express を共用する同時ユーザー数を制限したりするために、構成変更が必要な場合があります。OLM について詳しくは、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」の『最適化待ち時間モード』のトピックを参照してください。
- 最適化待ち時間モード機能は、大容量で対話式のワークロードを伴う z/OS 環境を対象にしています。ただし、最適化待ち時間モードはワークロードのある程度の混合にも対応できますが、過度に大容量のストリーミング・ワークロード (大量データまたはファイル転送など) は CPU 使用量が高くなる可能性があります。
制約事項:- この機能は、IBM System z10™ 以降を使用して稼働する、QDIO モードの OSA-Express3 以降のイーサネット機構に限定されます。詳しくは、「2097DEVICE 予防サービス計画 (PSP) バケット」を参照してください。
- 最適化待ち時間モードを使用するように構成された OSA-Express を介してのインバウンドのトラフィック、またはその OSA-Express へ転送されるトラフィックのいずれも、HiperSockets™ アクセラレーターおよび QDIO アクセラレーターにより提供される加速ルーティング機能に適格ではありません。
- 最適化待ち時間モードを使用するように構成された OSA-Express の場合、スタックは構成された INBPERF 設定またはデフォルトの INBPERF 設定を無視して、DYNAMIC 値を使用します。
- ISOLATE | NOISOLATE
- パケットが OSA アダプターを共用する TCP/IP スタック間で直接ルーティングされるかどうかを指定します。
- NOISOLATE
- パケットが OSA アダプターを共用する TCP/IP スタック間で直接ルーティングされるようにします。このモードでは、ネクスト・ホップ・アドレスが OSA アダプターを共用する別のスタックによって登録された場合、OSA-Express アダプターは、パケットを外部 LAN にルーティングすることなく、共用スタックに直接ルーティングします。
- ISOLATE
- OSA-Express が、OSA アダプターを共用する別の TCP/IP スタックにパケットを直接ルーティングしないようにします。このモードでは、ネクスト・ホップ・アドレスが OSA アダプターを共用する別のスタックによって登録された場合、OSA-Express アダプターはすべてのパケットを破棄します。パケットは、まず、LAN 上のルーターを通過することによってのみ、OSA を共用する 2 つのスタック間でルーティングできます。詳細については、「z/OS Communications Server: IP 構成ガイド」の OSA-Express 接続分離の情報を参照してください。ヒント:
- インターフェースを分離すると、待ち時間について逆効果となる可能性があります。
- OSA-Express 接続分離は、個別の仮想 LAN に選択的に適用できます。
- OSA-Express アダプターでは、直接ルーティングを行うために、ポートを共用する両方のスタックが非分離であることが必要です。このため、OSA アダプターを共用する 2 つのスタック間のトラフィックの場合、少なくともスタックの 1 つが分離している限り、これらのスタック間の双方向のトラフィックの接続分離は有効です。
制約事項: この機能は、QDIO モードの OSA-Express2 以降のイーサネット機構に限定され、少なくとも IBM System z9 Enterprise Class (EC) または z9 Business Class (BC) が稼働している必要があります。詳細については、2094DEVICE、2096DEVICE、2097DEVICE、または 2098DEVICE の予防サービス計画 (PSP) バケットを参照してください。
変更するためのステップ
変更については、INTERFACE ステートメントの要約を参照してください。
例
INTERFACE OSAQDIO24
DEFINE IPAQENET
PORTNAME OSAQDIO2
SOURCEVIPAINT VIPAV4
IPADDR 100.1.1.1/24