[z/OS]

初期設定入力データ・セットをカスタマイズする

サンプル初期設定入力データ・セットの作業用コピーを作成し、システム要件に合わせて調整します。

  • この作業は、 IBM® MQ キュー・マネージャーごとに繰り返してください。
  • 旧バージョンから移行する際に、この作業を実行する必要があります。

IBM MQ キュー・マネージャーは、 IBM MQ 初期設定入力データ・セットに含まれている一連のコマンドから初期定義を取得します。 このデータ・セットは、キュー・マネージャー開始タスク・プロシージャーの中で定義される DD 名 CSQINP1、CSQINP2、および CSQINPT によって参照されます。

これらのコマンドに対する応答は、DD 名 CSQOUT1、CSQOUT2、および CSQOUTT で参照される初期設定出力データ・セットに書き込まれます。

元のサンプルを保存するために、各サンプルの作業用コピーを作成します。 次に、これらの作業用コピー内のコマンドを、システムの要件に合わせて調整できます。

複数の IBM MQ サブシステムを使用する場合、初期設定入力データ・セット名の高位修飾子にサブシステム名を含めると、各データ・セットに関連付けられた IBM MQ サブシステムをより簡単に識別できます。

サンプルについて詳しくは、以下のトピックを参照してください。

初期設定データ・セットの形式

初期設定入力データ・セットは、区分データ・セット (PDS) メンバーでも順次データ・セットでも構いません。 初期設定入力データ・セットは、一連のデータ・セットを連結できます。 レコード長 80 バイトで定義しますが、次の条件があります。
  • 1 桁目から 72 桁目までだけが有効です。 73 桁目から 80 桁目は無視されます。
  • 1 桁目にアスタリスク (*) が付いたレコードは注釈として解釈され、無視されます。
  • ブランクのレコードは無視されます。
  • 各コマンドは、新しいレコードから開始しなければなりません。
  • 行末の - は、次レコードの 1 桁目に継続することを意味します。
  • 行末の + は、次レコードの最初のブランク以外の桁に継続することを意味します。
  • 1 つのコマンドに使用できる最大文字数は、32 762 です。

初期設定出力データ・セットは順次データ・セットです。レコード長は 125、レコード形式は VBA、ブロック・サイズは 629 です。

CSQINP1 サンプルの使用

データ・セット thlqual.SCSQPROC は、バッファー・プール、バッファー・プール関連ページ・セット、および ALTER SECURITY コマンドの定義が含まれている 2 つのメンバーを保持しています。

メンバー CSQ4INP1 は、メッセージのクラスごとに 1 つのページ・セットを使用します。 メンバー CSQ4INPR は、メッセージの主要クラス用に複数のページ・セットを使用します。

適切なサンプルを、キュー・マネージャー開始タスク・プロシージャーの CSQINP1 連結に組み込みます。
注:
  1. IBM MQ は、0 から 99 までの範囲の最大 100 個のバッファー・プールをサポートします。 DEFINE BUFFPOOL コマンドは、CSQINP1 初期設定データ・セットのみから発行できます。 サンプル内の定義では、4 つのバッファー・プールを指定しています。
  2. キュー・マネージャーで使用される各ページ・セットは、DEFINE PSID コマンドを使用して、CSQINP1 初期設定データ・セットに定義しなければなりません。 ページ・セット定義は、バッファー・プール ID とページ・セットを関連付けます。 バッファー・プールを指定しなかった場合、バッファー・プール・ゼロ (0) がデフォルトとして使用されます。

    ページ・セット・ゼロ (00) は、必ず定義する必要があります。 このページ・セットには、すべてのオブジェクト定義が入ります。 キュー・マネージャーごとに最大で 100 のページ・セットを定義できます。

  3. ALTER SECURITY コマンドは、セキュリティー属性の TIMEOUT および INTERVAL を変更するのに使用できます。 CSQ4INP1 では、デフォルトは TIMEOUT が 54、INTERVAL が 12 に定義されています。
バッファー・プールおよびページ・セットの編成については、「 Planning on z/OS® 」を参照してください。

キュー・マネージャーの実行中にバッファー・プールおよびページ・セットの定義を動的に変更する場合は、CSQINP1 定義も更新する必要があります。 変更は、バッファー・プール定義に REPLACE 属性が含まれていない限り、 IBM MQのコールド・スタートの場合にのみ保持されます。

CSQINP2 サンプルの使用

次の表では、キュー・マネージャー開始タスク・プロシージャーの CSQINP2 連結に組み込むことができる thlqual.SCSQPROC のメンバーをリストし、その機能について説明します。 命名規則は CSQ4INS* です。 ご使用の構成に合わせて CSQ4INY* を変更する必要があります。 ただし、CSQINS* メンバーは変更しないでください。次のリリースへのマイグレーション時に変更を再適用する必要があるためです。 代わりに、CSQ4INY* メンバーに DEFINE コマンドまたは ALTER コマンドを入れてください。

表 1. thlqual.SCSQPROC のメンバー
メンバー名 説明
CSQ4INSG システム・オブジェクト定義。
CSQ4INSA チャネル認証のシステム・オブジェクトおよびデフォルト・ルール。
CSQ4INSX システム・オブジェクト定義。
CSQ4INSS キュー共有グループを使用する場合は、このメンバーをカスタマイズして組み込む。
CSQ4INSJ JMSを使用してパブリッシュ/サブスクライブを使用する場合は、このメンバーをカスタマイズして組み込みます。
CSQ4INSM 拡張メッセージ・セキュリティーのためのシステム・オブジェクト定義。
CSQ4INSR または、IBM MQV7以降のキュー発行/購読デーモンでサポートされるキュー発行/購読インターフェイスまたWebSphere® Application Serverを使用している場合は、このメンバーをカスタマイズして含めます。
CSQ4DISP オブジェクト定義を表示する CSQINP2 サンプル。
CSQ4INYC クラスター化定義。
CSQ4INYD 分散キューイング定義。
CSQ4INYG 一般定義。
CSQ4INYR メッセージの主要クラスに複数のページ・セットを使用するストレージ・クラス定義。
CSQ4INYS メッセージの各クラスに 1 つのページ・セットを使用するストレージ・クラス定義。

オブジェクトの定義は 1 回のみ必要です。キュー・マネージャーを始動するたびに定義する必要はありません。そのため、これらの定義を毎回 CSQINP2 に含める必要はありません。 それらを毎回含めると、すでに存在しているオブジェクトを定義することになり、次のようなメッセージを受け取ります。


CSQM095I +CSQ1 CSQMAQLC QLOCAL(SYSTEM.DEFAULT.LOCAL.QUEUE) ALREADY EXISTS
CSQM090E +CSQ1 CSQMAQLC FAILURE REASON CODE X'00D44003'
CSQ9023E +CSQ1 CSQMAQLC ' DEFINE QLOCAL' ABNORMAL COMPLETION

オブジェクトが、このエラーによって損傷することはありません。 CSQINP2 連結の中に SYSTEM 定義データ・セットを残しておきたい場合は、各オブジェクトに対して REPLACE 属性を指定することにより、このエラー・メッセージを回避できます。

CSQINPX サンプルの使用

サンプル thlqual.SCSQPROC(CSQ4INPX) には、チャネル・イニシエーターの始動のたびに実行する必要がある一連のコマンドが入っています。 これらは一般的に、START LISTENER などのチャネル関連コマンドです。これらのコマンドは、キュー・マネージャーが開始されるときではなく、チャネル・イニシエーターが開始されるときに毎回必要になります。また、入力データ・セット CSQINP1 あるいは CSQINP2 内では許可されません。 このサンプルは使用前にカスタマイズする必要があり、カスタマイズしたあとでチャネル・イニシエーター用の CSQINPX データ・セットに組み込むことができます。

データ・セットに含まれている IBM MQ コマンドは、チャネル・イニシエーターの初期化の終了時に実行され、出力は CSQOUTX DD ステートメントで指定されたデータ・セットに書き込まれます。 出力は、 IBM MQ ユーティリティー・プログラム (CSQUTIL) の COMMAND 機能によって生成される出力と似ています。 詳しくは、 CSQUTIL ユーティリティー を参照してください。

チャネル・コマンドだけでなく、CSQUTIL から発行できる任意の IBM MQ コマンドを指定することができます。 CSQINPX が処理されている間、他のソースからコマンドを入力できます。 すべてのコマンドは、前のコマンドが正常に実行されたかどうかにかかわらず、順次に発行されます。

コマンド応答時間を指定するには、データ・セットの中の最初のコマンドとして疑似コマンドの COMMAND を使用できます。 これは 1 つのオプションのキーワード RESPTIME (nnn) を取ります。ここで、nnn は、各コマンドに応答する場合の待ち時間 (秒単位) です。 これは 5 ~ 999 の範囲にあります。デフォルト値は 30 です。

IBM MQ が、4 つのコマンドへの応答に時間がかかりすぎたことを検出すると、CSQINPX の処理は停止し、それ以上のコマンドは出されない。 チャネル・イニシエーターは停止されませんが、メッセージCSQU052EはCSQOUTXデータ・セットに書き込まれ、メッセージ CSQU013Eがコンソールに送信されます。

IBM MQがCSQINPXの処理を正常に完了すると、メッセージCSQU012Iがコンソールに送られます。

CSQINPT サンプルの使用

次の表では、キュー・マネージャー開始タスク・プロシージャーの CSQINPT 連結に組み込むことができる thlqual.SCSQPROC のメンバーをリストし、その機能について説明します。

表 2. thlqual.SCSQPROC のメンバー
メンバー名 説明
CSQ4INST システム・デフォルト・サブスクリプション定義。
CSQ4INYT パブリッシュ/サブスクライブ定義。

パブリッシュ/サブスクライブの初期設定が完了すると、データ・セットに含まれている IBM MQ コマンドが実行され、CSQOUTT DD ステートメントで指定されたデータ・セットに出力が書き込まれます。 出力は、 IBM MQ ユーティリティー・プログラム (CSQUTIL) の COMMAND 機能によって生成される出力と似ています。 詳しくは、 CSQUTIL ユーティリティー を参照してください。