DB2 Version 10.1 for Linux, UNIX, and Windows

インスタンスおよびデータベースをアップグレードするための DB2 コマンド・アクション

インスタンスやデータベースをアップグレードするためのコマンドを呼び出すとどんなアクションが実行されるのかが分かると、DB2® サーバーのアップグレード・プロセスについての理解が深まります。

インスタンスのアップグレード
インスタンスのアップグレード操作を db2iupgrade コマンドを使用して明示的に呼び出すか、あるいは Windows に DB2 バージョン 10.1 をインストールして「既存の処理」オプションを選択した後、バージョン 10.1 より前のコピーと「アップグレード」アクションを選択することにより暗黙的にインスタンスのアップグレード操作を呼び出すと、コマンドは以下を行います。
  • db2ckupgrade コマンドを呼び出します。
  • 既存のインスタンスを DB2 バージョン 10.1 のコピーにある新しいインスタンスにアップグレードします。
  • インスタンス・プロファイル・レジストリー変数をアップグレードします。 ユーザーによって設定されたグローバル・プロファイル・レジストリー変数はアップグレードされません。
  • データベース・マネージャー構成ファイルをアップグレードします。
  • データベース・マネージャー構成パラメーターの jdk_path を設定します。
  • 監査機能が有効になっている場合は、db2audit.cfg 監査構成ファイルをアップグレードします。
  • SSLconfig.ini SSL 構成ファイルを使用して、 このファイルで新しいデータベース・マネージャー構成パラメーターを対応する SSL パラメーター値に設定し、 インスタンス・プロファイル・レジストリー設定 DB2COMM=SSL をアップグレードします。
インスタンスのアップグレードを正常に完了するためには、すべてのインスタンスのすべてのファイルがあり、そのすべてのファイルに書き込みアクセスが付与されていなければなりません。

このコマンドと指定可能オプションについて詳しくは、db2iupgrade コマンドを参照してください。

データベース・ディレクトリーのアップグレード

データベース・ディレクトリーに最初にアクセスする際には、必要に応じて暗黙的にそのアップグレードが実行されます。 データベース・ディレクトリーへのアクセスがあるのは、LIST DATABASE DIRECTORYUPGRADE DATABASE コマンドなどのコマンドが発行されたときです。

データベースのアップグレード
UPGRADE DATABASE コマンドを使用してデータベースのアップグレードを明示的に呼び出すと、データベースのアップグレード中に以下のデータベース・エンティティーが変換される場合があります。
  • データベース構成ファイル
  • ログ・ファイルのヘッダー
  • すべての表の表ルート・ページ
  • すべての表の索引ルート・ページ
  • カタログ表
  • バッファー・プール・ファイル
  • ヒストリー・ファイル

リカバリー可能データベースの場合、UPGRADE DATABASE コマンドはアクティブ・ログ・パスにあるすべてのログ・ファイルを、拡張子 .MIG を使って名前変更します。 データベースのアップグレードが正常に完了した後、すべての S*.MIG ファイルを削除できます。 詳しくは、DB2 サーバーのアップグレード後タスクを参照してください。

UPGRADE DATABASE コマンドは、 ファイル SQLSPCS.1、 SQLSPCS.2、 SQLSGF.1、および SQLSGF.2 をアップグレードして 自動ストレージ表スペースの新しい機能をサポートするようにします。例えば、 データベースに対してストレージ・パスの追加またはドロップを行った場合、 その後にストレージ・パスをデータベースから除去し、自動ストレージ表スペースの リバランスを行うなどです。

UPGRADE DATABASE コマンドは、データベースのアップグレード中に、 すべてのシステム・カタログ表の統計を自動的に収集します。 以下の表は、統計の自動収集のために呼び出される RUNSTATS コマンドを示しています。
表 1. 統計の自動収集のための RUNSTATS コマンド
auto_runstats ユーザー・
プロファイル
RUNSTATS コマンド
有効 存在する SYSCAT.TABLES の STATISTICS_PROFILE 列にある情報を使用して、 RUNSTATS コマンドに SET PROFILE パラメーターを指定。
有効 存在しない RUNSTATS コマンドにデフォルト・パラメーターを指定
無効 N/A 最新の RUNSTATS コマンドの呼び出しに基づいた RUNSTATS コマンド。1
注:
  1. 表の統計が以前に収集されている場合、RUNSTATS コマンドは表に示されているとおりに発行されます。 表の統計が収集されていない場合、RUNSTATS コマンドは発行されません。

すべてのシステムカタログ表に対する統計の自動収集は、ヘルス・モニターに定義された除外ポリシーを無視します。 さらに、SYSSTATS ビューへの更新を介してシステム・カタログ表統計を手動で変更した場合、SYSSTATS ビューへの更新を手動で再発行してください。