DB2 Version 10.1 for Linux, UNIX, and Windows

DB2 サーバーのアップグレード後タスク

DB2® サーバーをアップグレードした後、DB2 サーバーが最適なレベルで正しく稼働することを確認するために、いくつかのアップグレード後タスクを行う必要があります。

手順

ご使用の DB2 サーバーに該当する、以下のようなアップグレード後タスクを行ってください。

  1. DB2 サーバーのアップグレード前タスクで diaglevel データベース・マネージャー構成パラメーターを推奨値 3 以上に設定した場合には、アップグレード前に設定されていた値にこのパラメーターを再設定します。
  2. DB2 バージョン 10.1 より前のデータベースの、行圧縮が有効になっている既存の表では、クラシック行圧縮が有効になります。 アダプティブ圧縮を使用する場合には、アップグレードを行った後にアダプティブ圧縮を有効にする必要があります。 詳しくは、アダプティブ圧縮設定の調整を参照してください。
  3. ログ・スペース・サイズを調整します。 DB2 サーバーのアップグレード前タスクでログ・スペースの設定を推奨に従って変更した場合、logfilsizlogprimary、および logsecond データベース構成パラメーターをアップグレード前の値に再設定してください。 ご使用の DB2 サーバーに対して十分なログ・スペースが割り振られるようにしてください。
  4. 外部ルーチンの既存のライブラリーが、アップグレード前の元の位置から変わっていないことを確認してください。必要に応じて、DB2 サーバーの構成および診断情報のバックアップで実行するバックアップからそれらのライブラリーを復元してください。
  5. アップグレード後にデータベースをアクティブにして、データベースとすべての必要なデータベース・サービスを開始します。
  6. 自動ストレージ表スペースは、デフォルトで使用しているストレージ・グループから、メディアの属性値 (オーバーヘッド、デバイス読み取り速度、データ・タグ属性など) を継承します。 DB2 バージョン 10.1 にアップグレードした後、既存の表スペースは設定を保持し、そのストレージ・グループの OVERHEAD 属性と DEVICE READ RATE 属性は未定義に設定されます。 メディア属性は ALTER STOGROUP ステートメントを使って設定できます。 詳しくは、ストレージ・グループ属性を参照してください。
  7. DB2 サーバーの動作に関する変更点を管理します。 DB2 バージョン 10.1 では、新しいレジストリー変数、新しい構成パラメーター、レジストリー変数と構成パラメーターの新しいデフォルト値があります。それらは、DB2 サーバーの動作に影響を与える可能性があります。 さらに、データベースの物理設計の特性やセキュリティーにも変更が加えられており、これらの変更も影響を与える可能性があります。
  8. データベースのアップグレード中に統計の自動収集が特定のシステム・カタログ表で失敗した場合、 それらのシステム・カタログ表の統計を更新してください。
  9. アップグレードしたデータベースのパッケージを再バインドします。 UPGRADE DATABASE コマンドで REBINDALL オプションを使用しなかった場合は、パッケージを検証し、更新された統計または新しい索引情報を使用するために、アップグレードされたデータベース内でパッケージを再バインドします。
  10. REFRESH TABLE ステートメントを使用して、既存のマテリアライズ照会表のデータをリフレッシュします。 言語認識照合を使用する Unicode データベースのマテリアライズ照会表 (MQT) の場合、MQT 定義が LIKE 述部、または基本述部に関係するサブストリング関数に影響します。これらの MQT はリフレッシュする必要があります。
  11. 以前に収集した Explain 表の情報を保持するには、DB2 Explain 表をマイグレーションします。
  12. DB2 バージョン 9.5 のリリースで作成された XML 列を持つ表がある場合、これらの表を再作成することによって、XML ストレージ・オブジェクトを DB2 バージョン 10.1 形式に変換します。これにより、XML データの圧縮や、XML 列のインライン長を見積もるための統計の収集など、新機能を利用できるようになります。
  13. DB2 サポート・サービスからカスタマイズ済みのコード・ページ変換表を取得した場合、これらの表のすべてのファイルを DB2OLD/conv から DB2DIR/conv にコピーします (DB2OLD は DB2 バージョン 9.5 または バージョン 9.7 のコピーの場所、DB2DIRDB2 バージョン 10.1 コピーの場所)。 標準のコード・ページ変換表をコピーする必要はありません。

    Windows オペレーティング・システム上で既存の DB2 バージョン 9.5 または バージョン 9.7 のコピーをアップグレードした場合、 DB2 サーバーのためのアップグレード前タスクの一部としてバックアップしたカスタマイズ済みコード・ページ変換表を、DB2PATH¥conv ディレクトリーにリストアできます。ここで、DB2PATHDB2 バージョン 10.1 コピーのある場所です。

  14. 新規 EVMON_UPGRADE_TABLES プロシージャーを使用して、表および未フォーマット (UE) イベント表に書き込むイベント・モニターの既存のターゲット表をアップグレードします。 詳しくは、アップグレードできるようになったイベント・モニター表を参照してください。
  15. DB2 サーバーのアップグレードを検証して、成功したかどうかを確認します。 アプリケーションとツールをテストすることにより、DB2 サーバーが正しく動作していることを確認してください。 詳しくは、DB2 サーバーのアップグレードの検証を参照してください。
  16. DB2 サーバーのアップグレードの完了後に、データベースをバックアップします。
  17. リカバリー可能データベースがある場合、UPGRADE DATABASE コマンドは、アクティブ・ログ・パスにあるすべてのログ・ファイルを、拡張子 .MIG を使って名前変更します。 データベースのアップグレードが正常に行われたことを確認し、データベースをバックアップした後、アクティブ・ログ・パスにある S*.MIG ファイルを削除することができます。
  18. まだこれを行っていない場合は、新規 LSN フォーマットをサポートするために、SQL レプリケーションをマイグレーションする必要があります。 詳しくは、SQL レプリケーション・バージョン 10.1 へのマイグレーションを参照してください。

次のタスク

DB2 データベース製品またはアドオン・フィーチャーに適用する以下のアップグレード後タスクを実行します。
  • 既存の DB2 バージョン 9.5 または バージョン 9.7 コピーをアップグレードした場合、データベース・ログ・ディレクトリーは変更されることになります。 db2diag.log ファイルで、新規ログ・ディレクトリーの詳細を記載するエントリーを確認してください。 ユーザー定義のログ・ディレクトリー (例えば、/usr/logpath) が使用されている場合は、アップグレード後のログ・ファイルの場所は /usr/logpath/NODE0000/LOGSTREAM0000 になります。 古いログ・ディレクトリーには、名前変更されたログ・ファイルのみが含まれます。 デフォルト・データベース・ディレクトリー (例えば、/home/db2user/db2inst/NODE0000/SQL00001/SQLOGDIR が使用されている場合は、アップグレード後のログ・ファイルの場所は /home/db2user/db2inst/NODE0000/SQL00001/LOGSTREAM0000 になります。 古いログ・ディレクトリーには、名前変更されたログ・ファイルのみが含まれます。
  • 高可用性災害時リカバリー (HADR) レプリケーションを実行している DB2 サーバーをアップグレードした場合、HADR レプリケーションを初期化します。 高可用性災害時リカバリー (HADR) レプリケーション環境で DB2 バージョン 10.1 にアップグレードする際に、データベースの役割が 1 次から標準に変更されます。 スタンバイ・データベースのアップグレードはサポートされていません。スタンバイ・データベースはロールフォワード・ペンディング状態になっているからです。
  • DB2 サーバーのパフォーマンスが安定したとき、 オプティマイザーの改善点を活用して新機能に関する統計を収集するために、 アップグレードしたデータベースの統計を更新してください。 DB2 バージョン 10.1 へのデータベースのアップグレードの際、既存のデータベース表から収集された統計の値は保持されます。 表および索引の新しい特性に関する統計は、収集された情報がないことを示す -1 という値になります。 ただし、これらの統計は、新機能を使用する場合にのみ必要です。
  • アップグレード後のデータベースの統計を更新した後、REORGCHK コマンドを実行して、索引または表の再編成が必要かどうかを判別します。 表と索引を再編成すれば、パフォーマンスが改善される可能性があります。

この時点で、データベースのバックアップ、統計の更新などの保守アクティビティーをすべて再開します。 必要ではなくなった DB2 バージョン 9.5バージョン 9.7 のコピー、または DB2 バージョン 9.8 のコピーがあればそれらも削除してください。