カタログおよびディレクトリー・オブジェクトのリカバリー
カタログおよびディレクトリーをリカバリーする必要がある場合、ユーザー表スペースをリカバリーする前にこれらをリカバリーしなければなりません。また、特定の順序でカタログおよびディレクトリー・オブジェクトをリカバリーしなければなりません。
始める前に
カタログおよびディレクトリー・オブジェクトをリカバリーする場合、その前に以下の要件を満たしていなければなりません。
- APAR PI11316 が適用済みで、++HOLD アクションが完了していることを確認します。
- カタログおよびディレクトリー・オブジェクトをリカバリーおよび再作成するには、インストール SYSADM 権限またはインストール SYSOPR 権限が必要です。
- リモート・サイトでリカバリーを実行する場合は、START DB2 コマンドに ACCESS(MAINT) を指定し、DSNZPARM ロード・モジュールに DEFER ALL を指定して、リモート DB2® for z/OS® サブシステムを始動してください。(インストール・パネル DSNTIPS および DSNTIPO3 を参照してください。) ACCESS(MAINT) を指定して DB2 を始動していない場合、カタログおよびディレクトリー索引に関する REBUILD INDEX(ALL) の実行中に、リアルタイム統計 (RTS) カタログ索引でのリソース使用不可状態が発生することがあります。
- ログ記録環境で、アクティブ・ログの追加や復元、アーカイブ・ログの復元、あるい は BSDS のログ目録に影響する何らかのアクションが要求される場合は、 カタログおよびディレクトリー・オブジェクトの前に BSDS をリカバリーしてください。 アクティブ・ログ・データ・セットをコピーするには、アクセス方式サービス・プログラム の REPRO 機能を使用します。
カタログとディレクトリーの完全なリカバリーをお勧めします。しかし、ポイント・イン・タイム・リカバリーを行う必要がある場合は、カタログ、ディレクトリー、およびユーザー・オブジェクトのポイント・イン・タイム・リカバリーを行うことに関連する影響に注意してください。カタログ、ディレクトリー、およびすべてのユーザー・オブジェクトのポイント・イン・タイム・リカバリーを参照してください。
ヒント: 最善の結果を得るために、マイグレーション・プロセスには含まれなくても、DB2 カタログとディレクトリーの整合性を定期的に確認してください。詳しい手順については、『DB2 表スペースの整合性の検査』および『カタログ表間の整合性の検査』を参照してください。
このタスクについて
以下の表スペースは、SYSIBM.SYSLGRNX 内に項目がありません。これらの表スペースに関連する索引も、たとえ COPY YES で定義されている場合であっても、SYSIBM.SYSLGRNX 内に項目がありません。これらのオブジェクトは、最後にイメージ・コピーがとられた時点からオープンしていると 見なされます。したがって、RECOVER ユーティリティーはその時点以降のログを処理します。
- DSNDB01.SYSUTILX
- DSNDB01.DBD01
- DSNDB01.SYSLGRNX
- DSNDB06.SYSCOPY
- DSNDB06.SYSGROUP (SYSGROUP は、変換モードおよび一部の新機能使用可能モードでの処理中には SYSLGRNX 内に項目がありません。 新機能使用可能モードで処理された後、SYSGROUP カタログ表スペースは 2 つの新しい表スペースである DSNDB06.SYSTSSTG と DSNDB06.SYSTSVOL によって置き換えられます。これらの新しい表スペースには SYSLGRNX 項目があります。)
- DSNDB01.SYSDBDXA
要件: このタスクで指定されている順序で、カタログおよびディレクトリー・オブジェクトをリカバリーしなければなりません。リストに含まれているオブジェクトの
いずれかのサブセットをリカバリーする場合は、最初にリストされているオブジェクトから開始し、リストの順番にリカバリーを行ってください。例えば、SYSLGRNX、SYSUTILX、および SYSUSER をリカバリーする必要がある場合、最初に SYSUTILX、次に SYSLGRNX、それから SYSUSER をリカバリーします。オブジェクト全部をリカバリーする必要はありません。
リカバリーが必要なものだけをリカバリーします。
一般ガイドライン: このタスクのすべてのステップで、以下の一般ガイドラインを使用してください。
- カタログまたはディレクトリー索引をコピーする場合は、RECOVER ユーティリティーを使用して、索引をリカバリーします。それ以外の場合は、REBUILD INDEX ユーティリティーを使用して、 これらの索引を再作成します。
- すべてのカタログおよびディレクトリー表スペースの場合、同じ RECOVER ユーティリティー・ステートメントで COPY YES 属性を持つ IBM® 定義の索引をリストすることができます。
- リストの項目のリカバリーを、並行して実行したり、
同一ジョブ・ステップに組み込むことができます。
しかし、以下の制限が適用されます。
- 以下の表スペースまたは索引をリカバリーする場合、RECOVER ステートメントのある
ジョブ・ステップには、これ以外のユーティリティー・ステートメントが入っていては
なりません。
RECOVER ユーティリティーが実行している間は、他のユーティリティーを実行する
ことはできません。
- DSNDB01.SYSUTILX
- SYSUTILX のすべての索引
- DSNDB01.DBD01
- 以下の表スペースのリカバリーを行っている場合、RECOVER ユーティリティーが
実行している間は、他のユーティリティーを実行することはできません。
他のユーティリティー・ステートメントが、同じジョブ・ステップにあっても構いません。
- DSNDB06.SYSCOPY
- DSNDB01.SYSLGRNX
- 以下の表スペースまたは索引をリカバリーする場合、RECOVER ステートメントのある
ジョブ・ステップには、これ以外のユーティリティー・ステートメントが入っていては
なりません。
RECOVER ユーティリティーが実行している間は、他のユーティリティーを実行する
ことはできません。
変換モード 8 に関する特別な指示: DB2 for z/OS サブシステムが CM8 である場合は、バージョン 8 (DB2 UDB for z/OS バージョン 8 ユーティリティー・ガイドおよび解説書 SC88-9818-06) で規定されている順序を以下のように変更して、カタログ・オブジェクトおよびディレクトリー・オブジェクトをリカバリーします。
- ステップ 12 とステップ 13 の間に以下のステップを追加します。
- DSNDB06.SYSRTSTS をリカバリーします。
- DSNDB06.SYSRTSTS 上のすべての索引をリカバリーするか再作成します。STOGROUP 管理対象のユーザー定義の索引が SYSRTSTS で定義されていない場合は、次のユーティリティー・ステートメントを実行して、IBM 定義および任意のユーザー定義の索引を SYSRTSTS で再作成します。
STROGROUP 管理対象のユーザー定義の索引が SYSRTSTS で定義されている場合は、個々に IBM 定義の索引を再作成してから、ステップ 16 でユーザー定義の索引を再作成します。REBUILD INDEX (ALL) TABLESPACE DSNDB06.SYSRTSTS
- ステップ 15 (『その他のカタログおよびディレクトリー表スペースとその IBM 定義の索引』) で、以下のオブジェクトを追加します。
表 1. バージョン 8 からの変換モード (CM8) でリカバリーする追加の表スペース バージョン 8 からの変換モード (CM8) でリカバリーする追加の表スペース SYSROLES
SYSPLUXA
SYSCONTX
SYSXMLSYSTARG
SYSTSUNI
SYSTSASC
変換モード 9 に関する特別な指示: DB2 for z/OS サブシステムが CM9 である場合は、バージョン 9 (DB2 9 for z/OSカタログおよびディレクトリー・オブジェクトのリカバリー) で規定されている順序を 1 カ所変更して、カタログ・オブジェクトおよびディレクトリー・オブジェクトをリカバリーします。
ステップ 17 (『その他のカタログおよびディレクトリー表スペースとその IBM 定義の索引をリカバリーする』) で、以下のオブジェクトを追加します。
バージョン 9 からの変換モード (CM9) でリカバリーする追加の表スペース | |||
---|---|---|---|
SYSTSUNI
SYSTSASC |
手順
カタログおよびディレクトリー・オブジェクトをリカバリーするには、次のようにします。
タスクの結果
受け取る可能性があるメッセージ:
- DSNU1530I
- 新規バージョンへの移行中にカタログおよびディレクトリーをリカバリーしている場合は、RC0 を使用したメッセージ DSNU1530I を受け取ることがあります。このメッセージは、RECOVER ステートメントまたは REBUILD INDEX ステートメントで、新バージョンに存在しなくなったか新バージョンでまだ作成されていないカタログ・オブジェクトまたはディレクトリー・オブジェクトを指定した場合に発行されます。この場合、DB2 はそのオブジェクトをスキップします。アクションは不要です。
- DSNT500I
- 次のリストにあるいくつかの表スペースが使用不可の場合にカタログまたはディレクトリー
内の表スペースをリカバリーしようとすると、権限を付与されている ID は、メッセージ DSNT500I RESOURCE UNAVAILABLE を
受け取ります。
- DSNDB06.SYSTSFAU
- DSNDB06.SYSTSCOL
- DSNDB06.SYSTSTSP
- DSNDB06.SYSTSTPT
- DSNDB06.SYSTSTAB
- DSNDB06.SYSTSIXS
- DSNDB06.SYSTSIXT
- DSNDB06.SYSTSIXR
- DSNDB06.SYSTSIPT
- DSNDB06.SYSTSREL
- DSNDB06.SYSTSFOR
- DSNDB06.SYSTSSYN
- DSNDB06.SYSTSFLD
- DSNDB06.SYSTSTAU
- DSNDB06.SYSTSKEY
- DSNDB06.SYSUSER
メッセージ DSNT500I を受け取った場合は、次のいずれかのアクションを取る必要があります。
- これらの表スペースを使用可能にします。
- インストール SYSADM またはインストール SYSOPR の権限のある 許可 ID を使用して、カタログまたはディレクトリーに対して RECOVER ユーティリティーを実行します。
- DSNT501I
- 権限を付与された ID が、カタログまたはディレクトリー内の索引を再作成 しようとして、DSNDB06 内の特定の表スペースが使用不可の場合、 DB2 はメッセージ DSNT501I を出します。
次のタスク
DB2 のカタログとディレクトリーのリカバリー後、以下のアクションを実行してください。
- カタログおよびディレクトリー に対するポイント・イン・タイム・リカバリーの後で、そのオブジェクトに対して CHECK DATA ユーティリティーを実行することにより、整合性を確保してください。
- XML スキーム・リポジトリー・オブジェクトをリカバリーしてください。XML スキーマ・リポジトリー・データベース DSNXSR は DB2 カタログの一部ではありませんが、DB2 カタログをリカバリーした直後に、DSNXSR データベース内のすべての表スペースをリカバリーし、これらの表スペース上のすべての索引を再作成する必要があります。カタログのポイント・イン・タイム・リカバリーを実行する場合は、DSNXSR データベース内のオブジェクトを同じポイント・イン・タイムまでリカバリーする必要があります。