RECOVER 制御ステートメントの構文とオプション

RECOVER ユーティリティー制御ステートメントは、複数のオプションを使用して、 ユーティリティー・ジョブが実行する機能を定義します。

制御ステートメントは、ISPF/PDF 編集機能を使って作成することができます。 制御ステートメントを作成した後、それを順次データ・セットまたは区分データ・セットに 保管します。 ジョブを実行するための JCL を作成するときは、SYSIN DD ステートメントを使用して、ユーティリティー 制御ステートメントを格納するデータ・セットの名前を指定してください。

構文図

>>-RECOVER------------------------------------------------------>

>--+-+-LIST--listdef-name----------------+--list-options-spec-+-->
   | | .-------------------------------. |                    |   
   | | V        .-DSNUM--ALL---------. | |                    |   
   | '---object-+--------------------+-+-'                    |   
   |            |                (1) |                        |   
   |            '-DSNUM--integer-----'                        |   
   +-recover-options-spec-------------------------------------+   
   '-object--PAGE--page-number--+----------+------------------'   
                                '-CONTINUE-'                      

                                .-LOGRANGES--YES----.   
>--+-------+--+--------------+--+-------------------+----------><
   '-CLONE-'  +-LOCALSITE----+  |               (2) |   
              '-RECOVERYSITE-'  '-LOGRANGES--NO-----'   

注:
  1. DSNUM integer は、非パーティション化索引に対しては無効です。
  2. LOGRANGES NO オプションは、IBM® ソフトウェア・サポートからの指示のもとでのみ使用してください。 このオプションのもとでは、LOGAPPLY フェーズの実行にかなりの時間がかかり、 場合によっては、本来は適用すべきでないログ・レコードが適用される可能性があります。

object:

>>-+-TABLESPACE--+----------------+-table-space-name-+---------><
   |             '-database-name.-'                  |   
   +-INDEXSPACE--+----------------+-index-space-name-+   
   |             '-database-name.-'                  |   
   '-INDEX--+-------------+-index-name---------------'   
            '-creator-id.-'                              

list-options-spec:

   .-BACKOUT--NO------.   
>>-+------------------+----------------------------------------->
   |          .-YES-. |   
   '-BACKOUT--+-----+-'   

>--+------------------------------------------------------------------+-->
   |                        .-VERIFYSET--YES-.  .-ENFORCE--YES-.      |   
   +-TORBA--X'byte-string'--+----------------+--+--------------+------+   
   |                        '-VERIFYSET--NO--'  '-ENFORCE--NO--'      |   
   |                             .-VERIFYSET--YES-.  .-ENFORCE--YES-. |   
   '-TOLOGPOINT--X'byte-string'--+----------------+--+--------------+-'   
                                 '-VERIFYSET--NO--'  '-ENFORCE--NO--'     

>--+-non-LOGONLY-options-spec-+--------------------------------><
   '-LOGONLY------------------'   

non-LOGONLY-options-spec:

>>-+-------+--+-----------------+------------------------------->
   '-REUSE-'  '-CURRENTCOPYONLY-'   

>--+----------------------------------------------------------------+-->
   '-PARALLEL-+---------------+-+---------------------------------+-'   
              '-(num-objects)-' '-TAPEUNITS--(--num-tape-units--)-'     

>--+-------------------------------+---------------------------->
   '-RESTOREBEFORE--X'byte-string'-'   

>--+--------------------------------+--------------------------><
   '-FROMDUMP--+------------------+-'   
               '-DUMPCLASS--(dcl)-'     

recover-options-spec:

           .-DSNUM--ALL---------.   
>>-object--+--------------------+------------------------------->
           |                (1) |   
           '-DSNUM--integer-----'   

                                                                            .-ENFORCE--YES-.     
>--+-TOCOPY--data-set--+-----------------+--+-------+--+-----------------+--+--------------+-+-><
   |                   '-image-copy-spec-'  '-REUSE-'  '-CURRENTCOPYONLY-'  '-ENFORCE--NO--' |   
   |                                             .-ENFORCE--YES-.                            |   
   +-TOLASTCOPY--+-------+--+-----------------+--+--------------+----------------------------+   
   |             '-REUSE-'  '-CURRENTCOPYONLY-'  '-ENFORCE--NO--'                            |   
   |                                                 .-ENFORCE--YES-.                        |   
   +-TOLASTFULLCOPY--+-------+--+-----------------+--+--------------+------------------------+   
   |                 '-REUSE-'  '-CURRENTCOPYONLY-'  '-ENFORCE--NO--'                        |   
   '-ERROR--RANGE----------------------------------------------------------------------------'   

注:
  1. DSNUM integer は、非パーティション化索引に対しては無効です。ただし、TOCOPY に指定されたデータ・セットが FlashCopy イメージ・コピーである場合は除きます。

image-copy-spec:

>>-TOVOLUME-+-CATALOG----------------------+-------------------><
            '-vol-ser-+------------------+-'   
                      '-TOSEQNO--integer-'     

オプションの説明

TABLESPACE、INDEX、または INDEXSPACE キーワードを繰り返すことにより、 オブジェクトのリストを指定することができます。 オブジェクトのリストを使用する場合、有効なキーワード は、DSNUM、TORBA、TOLOGPOINT、LOGONLY、 PARALLEL、および LOCALSITE または RECOVERYSITE の いずれかです。

オプション TOCOPY、TOLASTCOPY、TOLASTFULLCOPY、TORBA および TOLOGPOINT は、 すべてポイント・イン・タイム・リカバリー・オプションと呼ばれます。

LIST listdef-name
前に定義された LISTDEF リスト名の名前を指定し ます。このユーティリティーでは、RECOVER のそれぞれの制御ステートメントごとに、LIST キーワード を 1 つ使用することができます。 リストには、表スペースと索引スペースを混ぜて指定できます。 RECOVER はリスト全体に対して、一度呼び出されます。

変更の始まりこのユーティリティーでは、32,000 を超えるオブジェクトを指定するリストはサポートされません。PARTLEVEL キーワード・カウントにより個別のオブジェクトとして含まれる表スペースまたは索引スペースのパーティション。変更の終わり

このユーティリティーは、CLONE キーワードが指定されている場合のみクローン・データを処理します。LISTDEF ステートメントで CLONED YES を使用するのでは不十分です。

変更の始まりパーティションまたは パーティション範囲をリストに指定できます。変更の終わり

TABLESPACE database-name.table-space-name
リカバリーする表スペース (およびオプションで、それが属しているデータベース) を指定します。
TABLESPACE キーワードを繰り返すことにより、表スペースのリストを指定することができます。 リスト中の 1 つの個別のカタログまたはディレクトリー表スペースを、それぞれの IBM 定義の索引で リカバリーできます。
database-name
表スペースが属しているデータベースの名前です。

デフォルト値は、DSNDB04 です。

table-space-name
リカバリーする表スペースの名前です。
INDEXSPACE database-name.index-space-name
リカバリーする索引スペースを指定します。
database-name
索引スペースが属しているデータベースの名前を指定します。

デフォルト値は、DSNDB04 です。

index-space-name
リカバリーする索引スペースの名前を指定します。
INDEX creator-id.index-name
リカバリーする索引スペース内の索引を指定します。RECOVER ユーティリティー は、COPY YES 属性で定義され、その後コピーされた索引だけを リカバリーできます。
creator-id
オプションで、索引の作成者を指定します。

デフォルト値は、ユーティリティーのユーザー ID です。

index-name
索引スペース内のリカバリーする索引の名前を指定します。 名前にブランクが含まれている場合は、索引名を引用符で囲みます。
DSNUM
パーティション化表スペース内のパーティションまたはパーティション化索引を指定します。 あるいは、リカバリーする非パーティション化表スペース内のデータ・セット を指定します。その代わりに、 このオプションは、表スペースまたは索引スペース全体をリカバリーできます。

変更の始まり非パーティション化索引の論理パーティションを指定することはできません。TOCOPY に指定されたデータ・セットが FlashCopy イメージ・コピーでない場合、非パーティション化索引の単一データ・セットを指定することはできません。しかし、整合性を確保するためには、非パーティション化索引のすべてのデータ・セットを同じポイント・イン・タイムまでリカバリーする必要があります。変更の終わり

ALL
表スペースまたは索引スペース全体をリカバリーすることを指定します。
整数
リカバリーするパーティションまたはデータ・セットの番号です。 最大値は 4096 です。
パーティション化表スペースまたは索引スペースの場合:
変更の始まり整数は、その物理パーティション番号です。変更の終わり
非パーティション化表スペースの場合:

データ・セット名の終わりで整数を見つけてください。 データ・セット名の形式は以下のとおりです。

catname.DSNDBx.dbname.tsname.y000z.Annn
catname
VSAM カタログ名または別名
x
C または D
dbname
データベース名
tsname
表スペース名
y
I または J
z
1 または 2
nnn
データ・セット整数
PAGE page-number
リカバリーする特定のページを指定します。並行コピーからリカバリーする場合、この オプションを指定することはできません。
page-number は、10 進または 16 進表記によるページ番号です。 例えば、999 と X'3E7' は両方とも同じページを表します。PAGE は、LIST 仕様と 一緒に用いると無効です。
CONTINUE
リカバリー処理を続行することを指定します。このオプションは、何らかのエラーが原因で RECOVER がページを再構成中に終了する場合だけ使用してください。 この場合、そのページに"損傷"のマークが付きます。 ページの修復後、CONTINUE オプションを使用して、 リカバリー・ログ上の障害ポイントから開始して、そのページをリカバリーすることができます。

変更の始まりPAGE CONTINUE キーワードを指定して RECOVER ユーティリティーを実行する場合は、その前に IBM サポートに連絡してください。変更の終わり

TORBA X'byte-string'
非データ共用環境で、RECOVER がそのポイントまでリカバリーするログ上 のポイントを指定します。RBA 値を指定してください。 相対バイト・アドレス (RBA) が X'byte-string' を超えない最後のログ・レコードで、リカバリー・プロセスは終了します。 X'byte-string' が、ログ・レコードの先頭バイトの RBA である場合、そのレコードはリカバリーに組み込まれます。

変更の始まりRBA は 20 桁までの 16 進文字のストリングであり、6 バイト RBA フォーマットまたは拡張 10 バイト RBA フォーマットを表します。 値は、必要に応じて、左側にゼロが埋め込まれます。 X'FFFFFFFFFFFF' より大きい値は無効です。変更の終わり

データ共用環境では、最初のメンバーがデータ共用グループに加わる前のポイントまでリカバリーする場合にのみ、TORBA を使用してください。このポイント以降で RBA を指定すると、 リカバリーは失敗します。

NOT LOGGED 表スペースの場合、この値はリカバリー可能ポイントでなければ なりません。

指定された RBA でアクティブなリカバリー単位によってコミットされていない作業は、各オブジェクトが整合状態を保つように RECOVER によってバックアウトされます。

TOLOGPOINT X'byte-string'
そのポイントまで RECOVER がリカバリーするログ上のポイントを指定し ます。RBA または LRSN のいずれかの値を指定します。

変更の始まりRBA または LRSN は 12 桁または 20 桁の 16 進文字のストリングであり、6 バイト RBA フォーマットまたは拡張 10 バイト RBA フォーマットを表します。 データ共有環境では、6 バイト LRSN 値は X'00FFFFFFFFFF' より大きくなければならず、10 バイト値は X'0000FFFFFFFFFFFFFFFF' より大きくなければなりません。変更の終わり

変更の始まり12 桁の 16 進数字よりも短い値のサポートは、DB2® 11 では非推奨になっています。 DB2 11 との互換性のため、すべての値を 12 桁の 16 進数字または 20 桁の 16 進数字として指定してください。変更の終わり

NOT LOGGED 表スペースの場合、この値はリカバリー可能ポイントでなければ なりません。

指定された LRSN または RBA でアクティブなリカバリー単位によって コミットされていない作業は、RECOVER によってバックアウトされ、その際、各オブジェクトは整合状態のままになります。

REUSE
RECOVER が DB2 管理対象データ・セットを、削除して再定義せずに、論理的にリセットして再使用 することを指定します。REUSE が指定されていない場合、DB2DB2 管理対象データ・セットを 削除してから再定義することで、それらをリセットします。

メディア障害のためにオブジェクトをリカバリーする場合は、REUSE を指定しないでください。

データ・セットに複数エクステントがある場合、REUSE パラメーターを使用すると、 そのエクステントは解放されません。

CURRENTCOPYONLY
RECOVER が、並行コピー (CONCURRENT オプションを用いた COPY ユーティリティーで 作成されたコピー) をリストアする際のパフォーマンスを改善させる指定を行います。 リストのそれぞれのオブジェクトごとに最新の 1 次コピーのみを使用することによって パフォーマンスを改善します。

並行コピーに対して CURRENTCOPYONLY を指定した場合、 RECOVER は、1 つの並行コピー・データ・セット名に関連付けられた各オブジェクト・グループごとに、1 つの DFSMSdss RESTORE コマンドを作成します。RESTORE が失敗した場合は、RECOVER が次に最新のコピーまたはバックアップ・コピーを自動的に 使用することはありません。そのオブジェクトは失敗し ます。CURRENTCOPYONLY を用いて DSNUM ALL を指定し、リストア処理の際に 1 つのパーティションが失敗した 場合は、そのオブジェクトに関するユーティリティー・ジョブ全体が失敗します。

CURRENTCOPYONLY が指定されていて、リカバリー対象のオブジェクトの最新の 1 次コピーが並行コピー ではない場合、DB2 はこのキーワードを無視します。

リカバリーのベースがシステム・バックアップであるようなリカバリー・リカバリー内のオブジェクトの場合、デフォルトは CURRENTCOPYONLY です。

PARALLEL

ディスクまたはテープ上のイメージ・コピーから 並列にリストアする、リスト中のオブジェクトの 最大数を指定します。PARALLEL キーワードが指定されている場合、RECOVER はスタックされたイメージ・コピーが 入ったテープをマウントしたままの状態にしようとします。 さらに、パフォーマンスを最大化するために、RECOVER はオブジェクトがリストアされる 順序を判別します。PARALLEL は、テープにダンプされたシステム・レベル・バックアップから 並列にリストアする、リスト中のオブジェクトの 最大数も指定します。この処理は DFSMShsm によって制限されることがあります。

TAPEUNITS を PARALLEL と併用すれば、リカバリー機能に動的に割り振られる 磁気テープ装置数を制御できます。TAPEUNITS キーワードは、動的に割り振られる磁気テープ装置 にのみ、適用されます。TAPEUNITS キーワードは、JCL が割り振る磁気テープ装置には適用されま せん。RECOVER ジョブ用に割り振られる磁気テープ装置の総数は、JCL で割り振られる磁気テープ装置の台数と、動的に割り振られる磁気テープ装置の台数との合計です。 動的に割り振られる磁気テープ装置の台数は、次のように決定されます。

  • TAPEUNITS に指定された値
  • TAPEUNITS キーワードの指定を省略した場合、RECOVER ユーティリティーによって決定される値。 RECOVER が割り振ろうとする磁気テープ装置数は、磁気テープ装置を最も多く必要とする リスト中のオブジェクトによって決まります。

PARALLEL 指定時は、TOCOPY、TOLASTCOPY、または TOLASTFULLCOPY を指定できません。

(num-objects)
リストにあるオブジェクトで、並列処理するオブジェクトの数を指定し ます。ストレージの制約がある場合は、この値をより小さい値に調整 することができます。

0 が指定されているか、 TAPEUNITS キーワードが指定されていない場合、並列処理する最適なオブジェクト数を RECOVER が 決定します。

TAPEUNITS
並列処理されるオブジェクトのリストに対して、ユーティリティーが動的に割り振る必要のある 磁気テープ装置数を指定します。 このキーワードを省略した場合は、ユーティリティーが、リカバリー機能に割り振る磁気テープ装置 数を決定します。

TAPEUNITS オプションは、システム・レベル・バックアップからのリカバリーには適用されません。 そのような場合には、リカバリーに使用される磁気テープ装置数を DFSMShsm が 決定します。

(num-tape-units)
割り振る磁気テープ装置数を指定します。 num-tape-units に 0 が指定されているか、値が何も指定されていない場合、 一度に使用する磁気テープ装置の最大数を RECOVER が決定します。RECOVER TAPEUNITS の 最大値は 32767 です。
RESTOREBEFORE X'byte-string'
指定された X'byte-string' 値よりも早い RBA または LRSN 値の、イメージ・コピー、並行コピー、またはシステム・レベル・バックアップ (SYSTEM_LEVEL_BACKUPS サブシステム・パラメーターに YES が指定されている場合) を、RESTORE フェーズで使用するために RECOVER が検索することを指定します。

変更の始まりRBA または LRSN は 12 桁または 20 桁の 16 進文字のストリングであり、6 バイト RBA フォーマットまたは拡張 10 バイト RBA フォーマットを表します。 10 バイト値は、すぐに 6 バイト・フォーマットに変換されます。 以降のすべての RECOVER 処理は、6 バイト・フォーマットで実行されます。 データ共有環境では、6 バイト LRSN 値は X'00FFFFFFFFFF' より大きくなければならず、10 バイト値は X'0000FFFFFFFFFFFFFFFF' より大きくなければなりません。変更の終わり

変更の始まり12 桁の 16 進数字よりも短い値のサポートは、DB2 11 では非推奨になっています。 DB2 11 との互換性のため、すべての値を 12 桁の 16 進数字または 20 桁の 16 進数字として指定してください。変更の終わり

同じかもっと新しい RBA または LRSN 値が START_RBA に入っている、 特定のイメージ・コピー、並行コピー、またはシステム・レベル・バックアップを回避するため、 RECOVER ユーティリティーは、ログ・レコードを適用し、オブジェクトを現行状態または指定 された TORBA または TOLOGPOINT 値までリストアします。それらのコピーについて、RESTOREBEFORE 値 が SYSIBM.SYSCOPY レコードの START_RBA 列内の RBA または LRSN 値と比較され ます。システム・レベル・バックアップの場合、RESTOREBEFORE 値 はデータ完了 LRSN と比較されます。

RESTOREBEFORE オプションと共に TORBA または TOLOGPOINT 値が指定されている場合、RESTOREBEFORE の RBA または LRSN 値は、 指定された TORBA または TOLOGPOINT 値よりも小さくなければなりません。 RESTOREBEFORE を指定する場合、TOCOPY、TOLASTCOPY、または TOLASTFULLCOPY を指定することはできません。

FROMDUMP
データ・セットのリストアに、データベース・コピー・プールのダンプのみを 使用することを指定します。
DUMPCLASS (dcl)
データ・セットをリストアするために使用する DFSMShsm ダンプ・クラスを 指定します。
RECOVER ユーティリティーに指定された FROMDUMP オプションと DUMPCLASS オプションは、インストール・パネル DSNTIP6 で指定するインストール・オプション RESTORE/RECOVER および DUMP CLASS NAME をオーバーライドします。
LOGONLY
データ・セットにログ・レコードのみを適用して、ターゲット・オブジェクトを その既存のデータ・セットからリカバリーすることを指定します。DB2 は、データ・セット自体に記録されているポイントよりも後に書き込まれたすべてのログ・レコードを適用します。

RECOVER LOGONLY を使用して索引スペースをリカバリーするには、COPY YES 属性で索引スペース を定義しておく必要があります。

LOGONLY オプション は、ターゲット・オブジェクトのデータ・セットが、DFSMSdss 並行コピーなど の別オフライン処理によって、ある整合点まで既にリストアされている場合に使用してください。

LOGONLY は、 NOT LOGGED 属性の表スペースまたは索引スペースに対しては許可されません。

TOCOPY data-set
DB2 がリカバリーのソースとして使用する、特定のイメージ・コピー・データ・セット を指定します。

data-set は、データ・セットの 名前です。

データ・セットがフル・イメージ・コピーの場合は、 それがリカバリーで使用される唯一のデータ・セットです。増分イメージ・コピーの場合は、 RECOVER は、前のフル・イメージ・コピーおよび中間のイメージ・コピーがあればそれらも使用 します。

このデータ・セットがローカル・バックアップ・コピーとして指定 されている場合、DB2 は、 まずローカル 1 次コピーの割り振りを試みます。ローカル 1 次コピーが使用不可の場合、DB2 は ローカル・バックアップ・コピーを使用します。

単一のデータ・セットまたは 非パーティション化表スペースをリカバリーするために TOCOPY または TORBA が使用されている場合、 DB2 はメッセージ DSNU520I を発行して、 その表スペースが RECOVER ジョブの後で不整合になる可能性があることを警告します。このようなポイント・イン・タイム・リカバリーが行われると、ディクショナリー のない圧縮データが存在することになったり、現行ディクショナリーが入っているデータ・セットが 上書きされてしまう可能性さえ生じることになります。

1 つの特定のパーティションまたは データ・セット (DSNUM で指定される) と共に TOCOPY を使用する場合、 そのイメージ・コピーは、同じパーティションまたはデータ・セットのものであるか、 あるいは、表スペースまたは索引スペース全体のものでなければなりません。DSNUM ALL 指定の TOCOPY を使用する場合、そのイメージ・コピーは DSNUM ALL 用でなければ なりません。LIST 指定と合わせて TOCOPY を指定することはできません。変更の始まりイメージ・コピーが Flash Copy イメージ・コピー・データ・セットで、オブジェクトがパーティション化されている場合は、リカバリーされるパーティションの番号を DSNUM パラメーターで指定する必要があります。変更の終わり

イメージ・コピー・データ・セット が z/OS® 世代別データ・セットの場合は、 絶対世代番号とバージョン番号を含む完全修飾のデータ・セット名を指定してください。

イメージ・コピー・データ・セットが世代別データ・セットではなく、しかも 同じデータ・セット名のイメージ・コピー・データ・セットが複数存在する場合は、 次のいずれかのオプションを使用してデータ・セットを正確に示します。

TOVOLUME
イメージ・コピー・データ・セットを示します。
CATALOG
データ・セットがカタログされることを示します。 このオプションは、カタログ式データ・セットとして作成されたイメージ・コピーの場合に のみ使用します。(そのボリューム通し番号は、SYSIBM.SYSCOPY に記録されません。)

RECOVER は、実行中に SYSIBM.SYSCOPY カタログ表を 参照します。TOVOLUME CATALOG を使用する場合は、データ・セットはカタログされている必要があります。 データ・セットを作成後にカタログから除去する場合は、そのデータ・セットを再度カタログ して、SYSIBM.SYSCOPY に現れるこのコピーのレコードと整合性を保つ必要があります。

vol-ser
データ・セットを、その最初のボリュームの、英数字ボリューム通し番号 ID で示します。 このオプションは、非カタログ式データ・セットとして作成された イメージ・コピーの場合にのみ使用します。1 つのデータ・セットが 複数のテープ・ボリュームに保管されている場合にそのデータ・セットを 位置指定するには、SYSCOPY レコードの最初の vol-ser を指定します。
TOSEQNO integer
イメージ・コピー・データ・セットを、そのファイル・シーケンス番号で示します。 integer はファイル・シーケンス番号です。
TOLASTCOPY
作成された最後のイメージ・コピーまで RECOVER がオブジェクトを リストアすることを指定します。最後のイメージ・コピーがフル・イメージ・コピーの場合、そのコピーがオブジェクトにリストアされます。 最後のイメージ・コピーが増分イメージ・コピーの場合、最新のフル・コピーが任意の増分コピーとともに オブジェクトにリストアされます。
変更の始まりイメージ・コピーが Flash Copy イメージ・コピー・データ・セットで、オブジェクトがパーティション化されている場合は、リカバリーされるパーティションの番号を DSNUM パラメーターで指定する必要があります。変更の終わり
TOLASTFULLCOPY
作成された最後の フル・イメージ・コピーまで RECOVER ユーティリティーがオブジェクトをリストアすることを指定します。 フル・イメージ・コピー後にとられた増分イメージ・コピーは、いずれもオブジェクトには リストアされません。
変更の始まりイメージ・コピーが Flash Copy イメージ・コピー・データ・セットで、オブジェクトがパーティション化されている場合は、リカバリーされるパーティションの番号を DSNUM パラメーターで指定する必要があります。変更の終わり
ERROR RANGE
報告された入出力エラーの範囲内のすべてのページをリカバリーすることを指定します。 エラー範囲のリカバリーは、その範囲が、それを含んでいるオブジェクトと比較して小さい場合に 有用です。そうでない場合は、オブジェクト全体をリカバリーする方が望ましい と言えます。並行コピーからリカバリーする場合、この オプションを指定することはできません。

状況によっては、ERROR RANGE オプションを 使用するリカバリーが不可能な場合があります。例えば、エラー範囲内の不良レコードを全部入れるのに 十分な量の代替トラックが得られないような場合です。この状況の有無を判別するのに、 IBM 装置サポート機能 の ICKDSF サービス・ユーティリティーを使用することができます。このような状況では、 エラー・データ・セットをそのボリューム上の別のロケーション、または別のボリューム上で再定義してから、ERROR RANGE オプションなし で RECOVER ユーティリティーを実行してください。

ERROR RANGE は、LIST 指定と一緒に指定することはできません。

変更の始まりVERIFYSET変更の終わり
変更の始まりポイント・イン・タイム・リカバリーで必要なすべての関連オブジェクトが RECOVER 制御ステートメントに含まれていることを RECOVER ユーティリティーで検証するかどうかを指定します。このオプションは、基本オブジェクトと以下の関連オブジェクトのポイント・イン・タイム・リカバリーに適用されます。
  • LOB オブジェクト
  • XML オブジェクト
  • 履歴オブジェクト

変更の始まりVERIFYSET オプションは、カタログおよびディレクトリー・オブジェクト のポイント・イン・タイム・リカバリーには適用されません。VERIFYSET NO の動作は、カタログおよびディレクトリー・オブジェクトのポイント・イン・タイム・リカバリーには常に有効です。変更の終わり

VERIFYSET YES
ポイント・イン・タイム・リカバリーの実行に必要なすべての関連オブジェクトが RECOVER 制御ステートメントに含まれていることを RECOVER ユーティリティーで検証します。VERIFYSET YES がデフォルトです。
VERIFYSET NO
ポイント・イン・タイム・リカバリーの実行に必要なすべての関連オブジェクトが RECOVER 制御ステートメントに含まれていることを RECOVER ユーティリティーで検証しません。
VERIFYSET NO を指定すると、ポイント・イン・タイム・リカバリーを複数ジョブに分割することや、選択したリカバリー・ポイント以降に変更されたオブジェクトをリカバリーしないようにすることができます。
変更の終わり
変更の始まりENFORCE YES変更の終わり
変更の始まり関連オブジェクト (BASE、LOB、XML、および RI) のサブセットのみがポイント・イン・タイムへリカバリーされた場合に、ポイント・イン・タイム・リカバリーに対して CHKP ペンディング状況および ACHKP ペンディング状況を設定することを指定します。カタログ・オブジェクトまたは ディレクトリー・オブジェクトでは、ENFORCE YES がデフォルトです。カタログおよびディレクトリー・オブジェクト の場合、ENFORCE YES オプションに対するオーバーライドはありません。変更の終わり
変更の始まりENFORCE NO変更の終わり
変更の始まり関連オブジェクト (BASE、LOB、XML、および RI) のサブセットのみがポイント・イン・タイムへリカバリーされた場合に、ポイント・イン・タイム・リカバリーに対して CHKP ペンディング状況および ACHKP ペンディング状況を設定しないことを指定します。変更の終わり
CLONE
クローン表の索引を含んでいる、指定された表スペース、索引スペース、または索引内のクローン表データのみを RECOVER がリカバリーすることを指示します。CLONE キーワードが指定されている場合、このユーティリティーはクローン・データのみを処理します。 LISTDEF ステートメントで CLONED YES を使用するのでは不十分です。
LOCALSITE
RECOVER がローカル・サイトからのイメージ・コピーを使用することを指定し ます。LOCALSITE または RECOVERYSITE のいずれも指定されていない場合は、RECOVER は、呼び出し の現行サイトからのイメージ・コピーを使用します。(現行サイトは、DSNTIPO インストール・ パネルの中で SITE TYPE フィールドの下、および DSN6SPRM マクロの中で SITETYP の下に指定します。)
RECOVERYSITE
RECOVER が、リカバリー・サイトからのイメージ・コピーを使用することを指定します。LOCALSITE または RECOVERYSITE のいずれも指定されていない場合は、RECOVER は、呼び出し の現行サイトからのイメージ・コピーを使用します。(現行サイトは、DSNTIPO インストール・ パネルの中で SITE TYPE フィールドの下、および DSN6SPRM マクロの中で SITETYP の下に指定します。)
LOGRANGES YES
RECOVER が LOGAPPLY フェーズの SYSLGRNX 情報を使用する必要があることを指定します。 このオプションがデフォルトです。
LOGRANGES NO
RECOVER が LOGAPPLY フェーズの SYSLGRNX 情報を使用する必要のないことを指定します。 このオプションは、IBM ソフトウェア・サポートからの指示のもとでのみ使用してください。

このオプションを使用すると、RECOVER の実行時間がかなり長くなります。 データ共用環境では、このオプションによって、最後のイメージ・コピー以後に 作成されたすべてのメンバーからのすべてのログをマージすることができます。

また、このオプションのもとでは、RECOVER が本来適用すべきでないログを 適用することがあります。 例えば、ある表スペースのイメージ・コピーをとり、次いで同じ表スペースで REORG LOG YES を 実行したとします。 さらに、その REORG ユーティリティーが異常終了したため、 その REORG ジョブに対して TERM UTILITY コマンドを出したとします。 この REORG ジョブの関連 SYSLGRNX レコードは削除されるため、LOGRANGES YES オプション (デフォルト) を用いた RECOVER ジョブは、REORG ジョブからのログ・レコードをスキップします。 ただし、RECOVER LOGRANGES NO を実行すると、ユーティリティーはそのログ・レコードも適用します。

変更の始まりBACKOUT変更の終わり
変更の始まりログのみのバックアウトを使用して、オブジェクトを前のポイント・イン・タイムまでリカバリーするかどうかを指定します。指定したリカバリー・ポイントが比較的最近の場合は、ログのみのバックアウトによって、ポイント・イン・タイム・リカバリー中にオブジェクトが使用不可になる時間が短縮される可能性があります。
NO
バックアウト処理を使用しないことを指定します。

変更の始まりBACKOUT NO がデフォルトの動作です。変更の終わり

YES
RECOVER がログを使用して、リカバリー・ポイント以降に行われた変更をバックアウトすることを指定します。(リカバリー・ポイントは、TOLOGPOINT または TORBA オプションによって指定されます。)変更内容は、オブジェクトの現行状態からバックアウトされます。イメージ・コピーは、リストアされません。指定したリカバリー・ポイントにおいてコミットされていなかったすべての作業は、オブジェクトがトランザクション的に整合した状態になるようにバックアウトされます。

変更の始まりBACKOUT YES を指定する場合、メンバーごとの BSDS 内に記録されている最新の DB2 システム・チェックポイント内にリカバリー・ポイントがなければなりません。この場所にない場合は、リカバリーを続行できず、エラーが返されます。変更の終わり

変更の始まりYES または NO を指定せずに BACKOUT キーワードを指定すると、YES がデフォルトになります。(BACKOUT キーワードを指定しないと、BACKOUT NO がデフォルトになります。)変更の終わり

変更の終わり