トレーニングと能力開発とは

トレーニングと能力開発プログラムは、従業員が学習して新しいスキルを取得すると共に、キャリアを発展させるのに必要な専門知識を獲得できるようにするものです。

Man looking at computer code on a laptop while working from his small office.

トレーニングと能力開発の種類

トレーニングと能力開発のイニシアチブは、個人またはグループの仕事のパフォーマンスを向上させるよう設計された、組織内の教育活動です。 これらのプログラムには通常、労働者の知識とスキル・セットを進展させることと、仕事のパフォーマンスの向上への動機付けを高めて浸透させることが含まれます。

トレーニング・プログラムは、従業員の長期的な能力開発を目標として、個別に、あるいは学習管理システムを使用して、作成することができます。 一般的なトレーニングの実践には、オリエンテーション、教室での講義、事例研究、ロール・プレイング、シミュレーション、コンピューター・ベース・トレーニング(e-learningなど)が含まれます。

人材開発(HRD)と呼ばれることもあり、ほとんどの従業員トレーニングと能力開発の取り組みは、組織のHRD部門によって推進されます。 これらの取り組みは、以下の2つのタイプのプログラムに大きく分けられます。

従業員のトレーニングと能力開発
従業員の成長と定着を推進する社内教育プログラムを導入することにより、ビジネス成果を向上させるための戦略的ツール。

マネジメントのトレーニングと能力開発
特定の知識、スキル、能力を継続的に強化することにより、従業員をマネージャーに、マネージャーを効果的なリーダーに成長させる実践。


トレーニングと能力開発が重要な理由

成功する企業は、新しい人材を探し求めるよりも、既存の従業員の能力を開発する方が有益で費用対効果が高いことを理解しています。

従業員のトレーニングと能力開発プログラムのメリットのトップ10には以下のものが含まれます。

  1. 生産性の向上: 従業員が新しい方法やテクノロジーに精通していると、全体のアウトプットを向上させることができます。

  2. マイクロマネジメントの削減: タスクを実行する力があると労働者が感じている場合、一般に監視の必要性は低くなり、より自立して働くようになります。 1

  3. 将来のリーダーのトレーニング: 組織はよく訓練された、革新的なリーダー候補者を時間をかけて育成して適応させる、強固なパイプラインを持つ必要があります。

  4. 仕事の満足度と定着度の向上: よく訓練された従業員は自分の能力に自信を得ることで、仕事の満足度が高まり、常習欠勤が減り、全体的な従業員の定着につながります。

  5. 高度なスキルを持つ従業員の誘引: 優秀な新人は、一貫性のあるトレーニングと能力開発に基づく識別可能なキャリア・パスのある企業に魅力を感じます。  

  6. 一貫性の向上: うまく編成されたトレーニングによって、タスクが均一に実施されるようになり、その結果エンド・ユーザーに信頼してもらえる厳しい品質管理が実現します。

  7. 仲間意識の向上: トレーニングと能力開発によって、チームワークとコラボレーションの意識が生まれます。

  8. 安全の強化: 継続的なトレーニングと能力開発により、従業員はタスクを安全に実行するための知識とスキルを持てるようになります。

  9. 相互トレーニングの能力: 一貫性のあるトレーニングを提供することにより、全体的に知識が豊富なチームが生まれ、従業員は必要に応じて互いにトレーニングや手助けができるようになります。

  10. イノベーションの向上: 一貫してトレーニングを受けた従業員は、新しい戦略や製品の開発を支援することができて、会社の収益と継続的な成功に貢献できます。

IBMが学習の文化を構築する方法

従来型の企業のトレーニングと能力開発のモデルがなくなった理由と、IBMがパーソナライズされた学習体験を生み出している方法をお読みください。


トレーニングと能力開発の現在のトレンド

企業の市場は急速に変化しており、企業は柔軟になって変化に容易に適応する必要があります。 テクノロジーはこの急速な変化の主な推進要因のひとつであり、自動化と人工知能(AI)がその最前線です。

組織がどのようにトレーニングと能力開発を再考しなければならないかに影響を与える、4つの主なトレンドは以下のとおりです。

リモートとモバイルのトレーニング

今日の企業は、従業員が何を知っておく必要があるかだけではなく、いつ、どこで、どのように、能力開発体験がパフォーマンスを実現するかということであると気がつきました。 モバイル・テクノロジーの進化によって、企業はモバイル労働力により多くに依存するようになりました。 トレーニングはモバイル・デバイスに移行しつつあり、そこではアプリがさまざまな業界の労働者に「ジャストインタイム」の情報や推奨を提供しています。

AIトレーニング

AIシステムは、人間と同じような方法で非構造化情報を処理できます。 これらのシステムは、言語のパターンや知覚入力(テキスト、写真、聴覚による手がかりを含む)を理解します。 AIベースのソフトウェアは、学習スタイルに基づいて、学習者にトレーニングのコンテンツを提供する方法をカスタマイズし、学習者の過去のパフォーマンスに基づいてコンテンツを提案し、次に学習するのに最も重要な情報を予測することができます。

アジャイルな学習

アジャイルな学習は、従業員が頻繁に実行して反復することによって学習することを奨励するプロセスであり、組織的な変化と取り組みに刺激を与えます。 たとえば、IBMは組織の複数の変革のイニシアチブを実行、拡大、管理するツールである、IBM Garage を導入しました。 Ford Motor Company社やTravelport社のような企業が世界中でIBM Garageを使用して、オープンなコラボレーションと継続的学習の文化を創出しています。

リモートの柔軟な学習モデル

遠隔学習は以前からずっとありましたが、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって、企業が回復力のある、柔軟な、モバイルの労働力を管理する必要性がはっきりと示されました。 組織は、リモート労働力が生産的で、積極的に関与し、学習と改善に向けて継続的に取り組む必要があることを学びました。


トレーニングと能力開発の課題

最近の記事や業界の調査では、多くの企業トレーニングは効果的ではないことが示唆されています。 ほとんどのトレーニングは、学習者が完全に記憶していることはありません。 企業は、遠隔学習プログラムとモバイルの「ジャストインタイム」トレーニングに焦点を合わせた、継続的で自主的、自発的な学習の文化を構築する必要があります。

組織はまた、近い将来に何のスキルが必要となるかについて、より大きな枠組みで再考する必要があります。  IBMによる最近のメタレベルの研究 (PDF、916 KB)では、世界の12の経済大国の1億2000万人を超える労働者は、AI対応の自動化のために、今後3年以内に再トレーニングが必要になる可能性があると予測されています。
 

その研究で示された洞察には以下のものがあります。

  • スキルのある人間がグローバル経済を活性化する:デジタル・スキルは依然としてが重要ですが、ソフト・スキルの重要性が高まってきています。

  • スキルの有用性と品質が危険にさらされている:スキルの半減期が縮小し続けている一方で、スキル・ギャップをなくすのにかかる時間は急増しており、組織はスキルの関連性の先を行く方法を探さなくてはならなくなっています。

  • インテリジェントな自動化が経済のゲームのチェンジャーである:何百万人もの労働者が再トレーニングと新しいスキルの習得を必要とする可能性が高く、ほとんどの企業や国はそのための準備が整っていません。

  • 組織文化が変化している:デジタル時代によって、新しいビジネス・モデル、新しい働き方、重要な新しいスキルの開発を促進する柔軟な文化の必要性が生じています。
     

この研究では、従来型の雇用とトレーニングはもはや効果的ではないこと、さまざまな戦略と戦術がスキル・ギャップの解消に強い影響を与えることができることを結論付けています。 戦略と戦術には以下のものが含まれます。

  • 個人に合わせる:従業員の目標や興味に合わせて独自に、キャリア、スキル、学習開発体験を調整します。

  • 透明性の向上:スキルをトレーニング戦略の中心に置き、組織全体でスキルの位置付けの可視化を深めることを目指します。

  • 内外に注目:オープン・テクノロジー・アーキテクチャーや、最新の進歩を活用できるパートナーのセットを採用します。

スキル・ギャップを解消するための企業ガイド

IBM Institute for Business Valueの調査から、熟練労働力を構築して維持するための新しい戦略を学んでください。


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トレーニングと能力開発の参考情報


出典

1 The 6 key secrets to increasing empowerment in your team (ibm.comの外部へのリンク)。  Joe Folkman。 フォーブスの記事。 2017年3月。 
Where Companies Go Wrong with Learning and Development (ibm.comの外部へのリンク)。  Steve Glaveski。 Harvard Business Reviewのブログ。 2019年10月2日。