OEE(総合設備効率)とは

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OEEとは

OEE(Overall equipment effectiveness、設備設備効率)とは、製造工程や個々の設備の効率とパフォーマンスの測定に使用される指標のことです。これにより、設備がどの程度活用されているか、また商品の生産やサービスの提供においてどの程度効率的に稼働しているかについての洞察を得ることができます。

OEEを算出するにあたって、次の3つの主な要素が考慮されます。

  1. 可用性:可用性スコアは、計画された実動時間と比較した実際の実動時間を測定します。設備の故障、切り替え、定期メンテナンスなどの要因を考慮します。

  2. パフォーマンス:パフォーマンス・スコアは、設備がその最大の可能性と比較してどの程度優れたパフォーマンスを発揮しているかを評価します。設備の速度、軽度の停止、アイドリング時間などの要素が考慮されます。

  3. 品質:製品の「良品質」つまりどれだけ欠陥や、やり直しの必要がない良品を生産しているかを評価します。この評価にはスクラップ、不合格品、再加工などの要因が含まれます。

OEEは、可用性、パフォーマンス、品質の各要素を乗算して計算されます。

OEE = 可用性 × パフォーマンス × 品質

結果は、設備やプロセスの全体的な効率を示す割合になります。OEEの割合が高いほどパフォーマンスと効率が優れていることを示し、割合が低いほど改善の余地があることを示します。

OEEは、製造業界において最適化の対象となる領域を特定し、長期にわたる改善を追跡し、さまざまな設備や生産ラインのベンチマークを行うための性能指標として一般的に使用されています。インダストリー4.0においては、クラウド、エッジコンピューティング、モノのインターネット(IoT)デバイスなどの技術を通じて、OEEの測定と改善に役立つリアルタイムデータが得られます。

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OEE向上メリット

OEEを改善することで、製造部門の組織にいくつかの大きなメリットがもたらされます。主なメリットを以下に紹介します。

  • 生産性の向上:OEEを改善することは、生産性の向上に直接影響を与えます。ダウンタイムを削減し、設備のパフォーマンスを最適化し、品質の問題を最小限に抑えることで、追加のリソースや投資を必要とせずとも、より高い生産率と生産量を達成できるようになります。
  • 効率の向上:OEEを強化すると、非効率な生産プロセスを特定して対処することができます。設備の使用率を最適化し、アイドル時間を削減し、製造業務を合理化することで、組織はリソースをより有効に活用でき、全体的な効率の向上につながります。
  • コスト削減:OEEが高くなると、多くの場合コストが削減され、収益が向上します。設備のダウンタイムを最小限に抑えることで、組織はコストのかかる生産の遅延を回避できます。品質を向上させ、欠陥を減らすことで、スクラップ、再加工、材料の無駄を最小限に抑え、結果的にコストの削減につながります。
  • 品質の向上:OEE改善の取り組みは通常、欠陥の削減、プロセスの安定性の向上、一貫した製品品質の確保に焦点を当てています。品質問題を特定して対処することで、組織はお客様の期待を満たす、またはそれを超える製品を提供でき、顧客満足度やロイヤルティの向上につながります。
  • より良い意思決定:OEEメトリックのモニタリングと分析は、設備と生産プロセスのパフォーマンスに関する貴重な洞察を提供します。データ主導の意思決定が可能になり、組織が改善すべき分野を特定し、投資の優先順位をつけ、リソースを効果的に配分し、的を絞ったプロセスの最適化を実施できるようになります。
  • 生産能力の向上:機器の使用率を最適化し、ボトルネックを軽減することで、OEEを改善し、生産システム全体の生産能力を向上させることができます。これにより、組織は多額の資本投資をすることなく、より多くの量を処理し、増大する顧客の需要に対応し、ビジネスを拡大できる可能性があります。
  • 機器の信頼性と寿命:OEEを向上させるには、多くの場合、設備の事前のメンテナンスとケアが必要になります。予防保守プログラムを実施し、問題に迅速に対処することで、組織は設備の信頼性を向上させ、寿命を延ばし、予期せぬ故障のリスクを軽減できます。
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OEE向上の方法

OEEを改善するには、体系的なアプローチが必要です。世界クラスのOEEを達成するための重要な戦略と実践方法をいくつか紹介します。

  1. OEE の測定と追跡:まず、設備と生産工程のOEEを正確に測定し、追跡することから始めます。ベースラインを確立し、改善のための目標を設定します。OEEをパフォーマンス・メトリックとして使用して、進捗状況を監視し、注意が必要な領域を特定します。

  2. 可用性を重視:設備のダウンタイムに対処し、可用性を最大化することを目指します。故障を最小限に抑えるための予防保守プログラムを実施し、計画的な停止中にメンテナンス活動をスケジュールします。切り替えプロセスを最適化してセットアップ時間を短縮し、設備の稼動率を向上させます。

  3. パフォーマンスの向上:設備のパフォーマンスを最適化するための機会を特定します。全体的なパフォーマンスに影響を与える可用性の低下、速度の低下、アイドリング時間などの要因を特定して対処します。オペレーターが設備を効率的に運用するために必要なスキルを身につけるためのトレーニング・プログラムを実施します。

  4. 品質の向上 : 品質の損失はOEEに大きな影響を与える可能性があります。欠陥、やり直し、スクラップの削減を重視します。品質管理対策を実施し、問題点の根本原因分析を行い、コンピューター・ビジョン技術を導入して異常を検知し、製造および生産工程における品質を確保し、製品の品質を向上させ無駄を削減するための是正措置を実施します。

  5. 自律的な保守の実装:自律的な保守の実践を通じて、オペレーターが設備保守を担当できるようにします。IoTセンサーやデバイスから設備をリモートで監視し、エッジにコンピューター・ビジョンを導入することで、メンテナンス・チームへの依存を減らし、ダウンタイムを最小限に抑えます。

  6. OEEに基づいたメンテナンスの実施:OEEデータに基づいて、保守活動の優先順位を決定します。OEEに大きな影響を与える重要な機器や部品を重視します。状況監視技術とリアルタイムのデータを活用して予知保全戦略を実施し、機器の潜在的な故障を事前に検出します。

  7. 継続的改善の文化:組織全体で継続的改善の文化を育みます。カイゼン・イベント、シックス・シグマ・プロジェクト、リーン生産方式などの構造化された改善イニシアチブを導入して、継続的な改善の取り組みを推進します。

  8. データに基づく意思決定:データ分析を活用し、OEEに影響を与える要因を把握します。OEEの傾向を分析し、パターンを特定し、データを使用して機器のアップグレード、プロセスの最適化、リソースの割り当てに関する情報に基づいた意思決定を行います。高度な分析および予測モデルを活用し、改善の可能性がある領域を特定します。

  9. 従業員のエンゲージメントとトレーニング:OEEの改善を推進するために、あらゆるレベルの従業員をエンゲージし、トレーニングします。OEEの重要性を従業員が理解していることを確認し、その役割を効果的に遂行するために必要なトレーニングとリソースを提供し、改善の取り組みに参加してもらいます。チーム間のコラボレーションと知識共有を促進します。

  10. 継続的なモニタリングとレビュー:OEEの改善は継続的なプロセスです。OEEを継続的に監視し、パフォーマンスを追跡し、目標に対する進捗状況をレビューします。実施された改善の有効性を定期的に評価し、必要に応じて調整を行います。新しい改善の機会を積極的に特定します。

OEEスコアの改善は長期的な取り組みであり、コミットメント、コラボレーション、そして継続的な改善における絶え間のない注力を必要とします。オペレーターからマネージャーに至るまで、すべての利害関係者がプロセスに関与し、またモチベーションとエンゲージメントを維持しつづけて成功に導くことが重要です。

OEE改善に向けた課題

OEEを改善することによるメリットは豊富にありますが、その過程で課題もいくつか発生します。こうした、OEEの実装および最適化の際に生じやすい課題には次のようなものがあります。

  • データの可用性とアクセシビリティー:設備からリアルタイムの生産データにアクセスしたり、さまざまなソースからのデータを統合したりすることが困難な場合があります。従来の設備には、リアルタイム・データを提供するために必要なセンサーや接続が不足している場合があります。さらに、異種のデータ・ソースとシステムでは、OEE分析のための情報を統合する作業が必要になる可能性があります。

  • データの収集と精度:OEEの算出には、正確かつタイムリーなデータ収集が重要です。しかし、組織でデータを一貫して確実に収集する際に、課題が生じる可能性があります。手作業によるデータ入力、オペレーターによる入力への依存、不適切なデータ追跡システムといった問題により、データの正確さが損なわれたり、情報が不完全なものとなり、OEEの測定の信頼性に影響を与える可能性があります。

  • OEEメトリックの理解:OEEメトリックを解釈し、その意味を理解することが、組織にとって困難な場合があります。適切にトレーニングされておらず、知識がない場合、OEEが低い根本的な原因を特定し、改善努力に優先順位を付け、効果的な解決策を実行することが困難になる可能性があります。OEEメトリックとその解釈に関する教育とトレーニングは、実装を成功させるために不可欠です。

  • 組織の連携と文化:OEEの改善を実現するには、組織の連携と継続的な改善をサポートする文化が必要です。変化への抵抗、従業員の同意が得られない、または長期的な効率よりも短期的な生産性を優先する文化が、OEEの取り組みを妨げる可能性があります。これらの課題を克服するには、効果的なコミュニケーション、従業員の関与、そして継続的な改善の文化の促進に重点を置くことが必要です。

  • 設備の複雑さと変動性:最新の生産設備は、モードやセットアップ、構成が異なるなど、複雑かつ非常に変動しやすいものです。このような設備のOEEの管理は、動作条件が異なるとOEE値も異なる可能性があるため、困難になる可能性があります。設備の変動性を考慮し、さまざまな設備構成を把握できる標準化されたOEEメトリクスを開発することは、複雑な作業になる場合があります。

  • 根本原因の特定と対処:複数の要因が非効率の一因となっている可能性があるため、OEEが低い根本原因を特定することが困難な場合があります。特定するには、体系的なアプローチ、データ分析、オペレーター、保守担当者、プロセス・エンジニアなどのさまざまな関係者間の協力が必要です。効果的な是正措置を実施するには、根本的な問題を正確に特定することが重要です。

  • トレードオフのバランス:OEEの1つの側面(可用性、パフォーマンス、品質)を改善しようとすると、他の要素が犠牲になる可能性があります。例えば、生産速度(パフォーマンス)を上げると、不良率(品質)が高くなることがあります。組織は、これらのトレードオフのバランスを注意深く取り、OEEと顧客満足度への全体的な影響を考慮する必要があります。

  • OEEの改善の継続:OEEの当初の改善内容を実現することは重要な成果ですが、その成果を維持するのが困難な場合があります。継続的な監視、パフォーマンス管理、改善努力の積み重ねに重点を置かないと、時間の経過とともにOEEが低下する可能性があります。改善を継続するには、継続的な測定と分析への取り組みが必要です。

これらの課題を認識して積極的に対処することで、組織は障害を克服してOEEの導入を成功させることができ、設備の効率性と全体的な生産性の持続的な向上につながります。

OEEのユースケース

OEEは、設備のパフォーマンスを測定および改善するためにさまざまな業界や分野に適用できる多用途のメトリックです。さまざまな業界でのOEEの具体的な使用例をいくつかご紹介します。

食品・飲料

食品・飲料業界において、OEEは生産プロセスの最適化、無駄の削減、一貫した製品品質と規制遵守の確保の上で重要です。設備パフォーマンスの監視やダウンタイムの原因(洗浄、切り替えなど)の特定、包装ライン、充填作業、食品加工などの領域での全体的な効率向上に役立ちます。

製薬業

OEEは医薬品製造において、効率的な生産と規制要件の遵守を確保するために重要な役割を果たします。設備パフォーマンスの監視、洗浄と切り替えプロセスの最適化、シャットダウンの最小限化、高品質基準の維持に役立ちます。

エネルギー・公益事業

OEEは、エネルギー・公益事業分野で、発電、送電、施設設備の有効性と性能を向上させるために適用されます。これは改善すべき領域の特定、停電の削減、保守スケジュールの最適化、全体的な運用効率と送電網の信頼性の向上に役立ちます。

鉱業・採取産業

鉱業・採掘産業においては、掘削機、ローダー、破砕機などの重機の有効性を測定し、改善するためにOEEが用いられています。設備の稼動率の最適化、計画外のダウンタイムの低減、採掘・抽出プロセスの生産性向上に役立ちます。

自動車

OEEは、組立ライン、機械加工作業、その他の製造プロセスの効率とパフォーマンスを最適化するために、自動車業界で広く利用されています。改善機会の特定、ダウンタイムの低減、欠陥の最小化、製造の生産性向上に役立ちます。

航空宇宙および防衛産業

航空宇宙および防衛分野においては、航空機および防衛機器の製造および保守プロセスの効率を向上させるためにOEEが重要です。ダウンタイムの削減、保守スケジュールの最適化、高品質基準の確保に役立ちます。

OEEのトレンド

この分野の最新のトレンドとして、以下の点が挙げられます。

  • 産業用IoT(IIoT)との統合:OEEシステムとIIoTテクノロジーの統合が注目を集めています。IIoTにより、機器のセンサーからのリアルタイムのデータ収集が可能になり、より正確でタイムリーにOEEを測定できます。この統合により、設備パフォーマンスを最適化するための予知保全、リモート監視、データ主導の意思決定も容易になります。

  • 高度な分析とAI:OEE分析における高度な分析とAIの使用が拡大しています。機械学習アルゴリズムによって、膨大な量のデータの分析、パターンの特定のほか、隠れた洞察を明らかにしてOEEを最適化できます。予測分析は、組織が機器の故障を予測し、保守スケジュールを最適化し、全体的な効率を向上させるのに役立ちます。

  • クラウドを活用したOEEソリューション:クラウドを活用したOEEソリューションは、拡張性、アクセシビリティー、実装の容易さを備えています。組織はクラウド・プラットフォームを活用して、大量のOEEデータの保存および処理、リアルタイムのコラボレーション、OEE分析とレポートへの場所を選ばないアクセスを実現し、リモート監視と意思決定を促進することができます。

  • 継続的改善の文化におけるOEE:OEEは、継続的改善の文化を確立するための基礎的なメトリックとしての存在感が高まっています。組織は、説明責任の推進、従業員のエンゲージメント、コラボレーションの促進、および組織全体での継続的な改善努力を推進するための重要業績評価指標(KPI)としてOEEを使用しています。

  • モバイル・アプリケーションと視覚化:モバイル・アプリケーションと視覚化ツールは、モバイル・デバイス上にリアルタイムのOEEデータとパフォーマンス・ダッシュボードを提供します。これにより、オペレーターとマネージャーは、外出先でも機器のパフォーマンス監視、アラート受信、OEEの洞察へのアクセスが可能になり、より迅速な意思決定と素早い応答が促されます。

  • OEEの標準化の重視:標準化によって一貫性が確保され、ベンチマークが可能になり、同業者間で簡単に協力と知識の共有ができるようになります。

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