インテリジェント・オートメーションとは
AIと自動化テクノロジーを組み合わせ、業務における低レベルのタスクを自動化するインテリジェント・オートメーション(IA)についてご覧ください。
レーザーのような2つの光線
インテリジェント・オートメーションとは

インテリジェント・オートメーション(IA)は、コグニティブ・オートメーションとも呼ばれ、自動化テクノロジー(人工知能(AI)、ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA))を使用して、組織全体の意思決定を合理化し、スケーリングします。  インテリジェント・オートメーションには、プロセスを簡素化してリソースを解放し、運営効率を向上させるほか、さまざまな用途があります。  例えば、自動車製造メーカーは、IAを使用して製造のスピードを上げたり、人的エラーのリスクを軽減したりしています。また、製薬会社やライフサイエンス企業は、インテリジェント・オートメーションを使用して反復処理を自動化できる業務で、コストを削減しリソースの効率化を図っています。   保険会社は、保険料の支払い計算、保険料率の計算に使用する予測の作成、コンプライアンスのニーズへの対応のためにインテリジェント・オートメーションを使用できます。  

インテリジェント・オートメーションの3つの要素

インテリジェント・オートメーションは、3つのコグニティブ・テクノロジーから構成されます。  これらの要素を統合して、ビジネスとテクノロジーの変革を推進するソリューションを生み出します。

  1. インテリジェント・オートメーションで最も重要な要素は人工知能(AI)です。    機械学習と複雑なアルゴリズムを使用して、構造化データと非構造化データを分析することで、企業は、知識ベースを発展させ、データに基づいた予測を形成できるようになります。      これが、IAの意思決定エンジンです。
  2. インテリジェント・オートメーションの2つ目の要素は、ビジネス・プロセス・マネジメント(BPM)(ビジネス・ワークフロー・オートメーションと呼ばれることもあります)です。  ビジネス・プロセス・マネジメントは、ワークフローを自動化することで、ビジネス・プロセスの俊敏性と一貫性を向上させます。   ビジネス・プロセス・マネジメントは、プロセスを合理化し、相互作用とエンゲージメントを向上させるために、多くの業界で使用されています。
  3. IAの3つ目の要素は、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)です。  ロボティック・プロセス・オートメーションでは、ソフトウェア・ロボット(つまりボット)を使用して、データの抽出やフォームの記入などのバックオフィス・タスクを行います。 RPAがより複雑なタスクとユースケースを処理するために人工知能(AI)による洞察を活用できるのと同様に、これらのボットは人工知能を適切に補完します。

これら3つの要素を統合することで、プロセスを合理化し、ワークフローを簡素化して、最終的に顧客体験を向上させる革新的なソリューションが生まれます。

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インテリジェント・オートメーションのメリット

インテリジェント・オートメーション・プラットフォームは、大量のデータの使用、計算精度、分析、最終的なビジネスへの実装の結果として、複数の業界にわたって多くのメリットを提供します。 主なメリットは以下の通りです。

  • 労働力を増強し、生産性を向上させることでコストを削減:システムとプロセスを自動化し、データと分析を使用して精度を確保することで、生産を加速できます。  IAは、リスクを増大させたり、品質を低下させたり、既存の労働力に負担をかけたりすることなく、迅速にスケーリングする機能も提供します。 ビジネス・リーダーは、生産量の増加とROIの向上を通じて、この機能のメリットを享受しています。
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  • 品質を向上させる一貫したプロセスとアプローチを通じて精度を向上:インテリジェント・オートメーションを支える強みは、意思決定を推進するための人工知能の使用と反復的なタスクに対する一貫性のあるアプローチの提供です。
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  • 顧客体験を向上:より高品質で信頼性の高い製品をより早く市場に提供したり、問い合わせにより早く(または即時に)回答したりすることで、さらに充実したポジティブな顧客体験を提供でき、その結果、企業に競争上の優位性をもたらします。
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  • コンプライアンスと規制に自信を持って対処:多くの業界では、特定の規制ポリシーを順守する必要があります。  インテリジェント・オートメーションは、タスクの自動化機能を活用することで、コンプライアンスに対して一貫したアプローチを証明できます。
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インテリジェント・オートメーションの応用

インテリジェント・オートメーションにより、リソース集約型でコストがかかり、人的エラーが発生しやすい可能性がある、手動のタスクで構成されたプロセスあるいはレガシー・システムに基づくプロセスが合理化されます。 IAはさまざまな業界で応用されており、ビジネスのさまざまな領域で効率性を提供しています。

  • 自動車:自動車業界は、製造業者がインテリジェント・オートメーションを使用することで実現できる向上によって大きな影響を受けています。  IAを使用すると、製造業者は、需要と供給の変化に対応するために、生産をより効果的に予測し調整できます。 また、ワークフローを合理化して効率性を高め、生産、サポート、調達、その他の領域でのエラーのリスクを減らすことができます。 ロボットを使用することで、手作業の必要性を減らし、欠陥の発見を向上させることができるため、企業はより低いコストで、お客様により高品質の製品を提供できます。例えば、ドイツのVolkswagen社のエンジン生産工場では、生産チームと協力してエンジン組み立てプロセスにおける物理的要求の厳しい手順を処理する「協働ロボット」を使用しています。 これは、怪我の防止、プロセスのスピードアップ、正確性の確保、従業員の身体的負担の軽減に役立っています。
  • ライフサイエンス:医薬品の製造は厳しく規制されており、機器の正確な較正と製品の正確な計測が求められます。  また、膨大な量のデータの収集、照合、処理、および分析が必要です。 薬物試験は、信頼できる分析と結果がなければ成功したとは見なされません。 手動のアプローチでは、計算を誤る可能性と、目的を達成するために大量のリソースと相当量の人材が必要になる可能性があります。 対照的に、インテリジェント・オートメーションによって、製造のスピードと品質を向上させる自動化されたプロセスが実現できたことを示す例として、記録的な速さで新型コロナウイルス感染症のワクチンが製造できたことが挙げられます。 人工知能を使用して効率性を高める以前は、「...市場に投入できるたった1つの薬を発見するために、博士号を取得した40人以上の科学者が25年以上もの歳月を費やしていた」ということです。
  • ヘルスケア:ヘルスケア業界では、インテリジェント・オートメーションを自然言語処理(NLP)とともに使用して、データの収集、分析、診断、治療に一貫したアプローチを提供しています。        リモートのヘルスケア・サービスの予約にチャットボットを使用すると、必要になる人の介入が少なくなるため、しばしば診断に要する時間の短縮につながります。
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  • 保険:保険業界では、IAを使用することで、手作業による保険料率の計算や保険料の支払いの必要性を事実上なくし、請求や査定などの事務処理を簡素化できます。  インテリジェント・オートメーションはまた、要件の充足を保証することにより、保険会社がより容易にコンプライアンス規制に準拠できるように支援します。 このような方法で、保険会社は、個人または法人のリスクについて計算し、適切な保険料率を算出することもできます。
IAの未来

今日の世界におけるインテリジェント・オートメーションの価値は、さまざまな業界において、揺るぎないものとなっています。 IAによる反復タスクの自動化により、企業はコストの削減だけではなく、ワークフロー内でより優れた一貫性を確立することができます。 新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、デジタル・トランスフォーメーションへの取り組みをひたすら急がせることになり、自動化をサポートするためのインフラストラクチャーへの投資が刺激されました。 リモートワークも急増する中、仕事の役割は進化し続けます。 低レベルの作業に集中している人たちは、その他の高レベルのタスクへの再配置と同様に、これらのソリューションを実装しスケーリングするためにも再配置されるでしょう。 中間管理職の人は、従業員のモチベーションを維持するために、仕事の中でより人間的な要素に焦点を移す必要があります。 自動化により、従業員内のスキルのギャップが明らかになり、従業員は絶えず変化する作業環境に適応する必要があります。 中間管理職は、不安を軽減できる方法でこれらの移行をサポートし、従業員がこれらの変化の期間を乗り越えられるようにすることもできます。 インテリジェント・オートメーションは間違いなく仕事の未来の姿であり、インテリジェント・オートメーションの採用を控えた企業は、それぞれの市場で競争力を維持することが難しくなってくるでしょう。

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支払いを伴う調達など組織全体にわたる複雑な業務を自動化する場合でも、反復タスクを自動化する場合でも、IBMのAIを活用した自動化は、ビジネス・プロセス・マネジメントやロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)のチャットボットなど、中核をなす自動化ツールを人工知能と組み合わせることにより、手動のビジネス・プロセスを削減し、意思決定の向上をサポートします。 IBM Cloud Paks for Automationには、専門家によって事前にトレーニングされた、単一のエキスパート・システムと専用の自動化のライブラリーが含まれており、14,000人以上の自動化の実践者から得られた広範なIBMの専門知識と深い業界の専門知識を活用しています。

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