カスタマー・ケアとは
今日、企業はカスタマー・ケアをモダナイズし、高度なAIを利用して、最初のインタラクションから、カスタマー・ジャーニー全体を通してポジティブなカスタマー・エクスペリエンスを提供しています。
AIとデータストレージを利用する人
カスタマー・ケアとは

カスタマー・ケアとは、単に、素晴らしいカスタマー・サービスを 提供するだけではありません 。 カスタマー・ケアは、情報やツールやサービスを、お客様がブランドに接する各ポイントで提供していく、 事前対応型の アプローチです。

カスタマー・ケアの価値

優れた カスタマー・ケア は、Webサイト、 ソーシャルメディア 、チャットボット、または カスタマー ・サポート ・エージェントを通じて、一般的な質問に対する回答を提供することで、全体的な カスタマー・エクスペリエンス を向上させます。

企業が カスタマー・ケアに投資することでメリットを得られるのは、以下のような理由からです。

  • お客様が十分な情報を得た上で購入するために必要な洞察が得られるため。

  • お客様の満足度を高めることで、  お客様のロイヤルティーの向上につながるため。

  • カスタマー ・サービス担当者が、ルーチン・ワークやよくある質問への回答に 費やす時間が減り、より有意義な仕事ができるようになるため。

  • AIを活用して カスタマー・ケア を最適化することで、 収益 を向上させ、積極的な投資効果を得られるため。
カスタマー・ケアとカスタマー・サービス

カスタマー・ケア とカスタマー・サービスが一体となって、ポジティブな カスタマー・エクスペリエンス、つまりお客様が企業とやりとりしたときの全体的な印象を作り上げることができるのです。 どちらも必要不可欠なものですが、その取り入れ方には微妙な違いがあります。

高品質 のカスタマー・ケア は 事前対応型です。 カスタマー・ジャーニー全体を通してお客様のニーズを先取りすることで、お客様はサポートされていることを実感できます。 その結果、お客様と企業の間に 感情的なつながり が生まれます。

カスタマー・サービスは 事後対応型です。 カスタマー・サービスでは、お客様の購入前に、問題を解決したり、質問に回答したりすることを、お客様がセルフサービスで行えるよう、あるいは カスタマー・サポート ・チームを通じて行えるようサポートすることに重点を置いています。

企業が カスタマー・ケア をおろそかにすると、 カスタマー・サービス・エクスペリエンスに悪影響を及ぼす可能性があります。 例えば、Webサイトのチャットボットが製品に関する重要な情報を提供できない場合、お客様は不満を感じ、カスタマー・ サービスの担当者 にヘルプを求める可能性が高くなります。 これにより、サポート・チームは問題に迅速に対処し、ネガティブな体験の影響を軽減するために、より大きな負担を強いられることになります。

 最高のカスタマー・サービス を実現するためには、カスタマー・サービス・ チーム が お客様のニーズ に迅速に対応し、 お客様とのやり取りを できるだけ少なくする必要があります。 McKinsey社によると (ibm.com外部へのリンク )、経営者は長い間、特定のタッチポイントの改善に焦点を当てすぎて、お客様全体のニーズを見落としていました。 お客様の期待が進化するにつれ、企業は、お客様による最初のWebサイト訪問時から購入時の トラブルシューティング にいたるまでのカスタマー・エクスペリエンスを考慮する必要があると、McKinsey社は指摘しています。

Forrester社によると (ibm.com外部へのリンク)、カスタマー・サービスは、B2B企業の カスタマー・エクスペリエンス 全体に最も影響を与えるカテゴリーであり、それは製品や価格などのカテゴリーが与える影響を凌駕しています。 ただし、企業は カスタマー・ケア と、スタッフの配置、カスタマー・サービス・トレーニング、および設備などのコストとのバランスを考えなければなりません。 例えば、 Humana社が発見 したケースでは、毎月100万件以上の電話を受けており、そのうち60%以上の回答が、サービス前の定型的な質問に関連しているにもかかわらず、ほとんどのプロバイダーが即座に双方向音声応答(IVR)システムのバイパスを選択していました。 AI 仮想エージェントに切り替えることで、Humana社は従来のシステムの約3分の1のコストで問い合わせに対応できるようになりました。

コール・センターを超えたカスタマー・サービス・スキル

かつては、商品やサービスについて問い合わせをする際にはコール・センターを利用していましたが、現在のお客様は、自分にとって最も便利なチャネルで 優れたカスタマー・サービス を受けることを望んでいます。

コール・センターやサービス・デスクでは、お客様からの質問や苦情に対応するために訓練された カスタマー サポート 担当者 が直接対応します。 それまでの カスタマー・ケア の質が、解決までの時間を大きく左右し、 お客様満足 度にも影響します。 例えば、コール・センターに、製品に関する同じ質問が何度も寄せられる場合、企業はウェブサイトやチャットボットのようなセルフサービスの回答を用意することを選択できます。

 McKinsey社の調査によると(ibm.com外部へのリンク) 、B2B企業エグゼクティブの86%が、営業担当者と話すよりも、 セルフサービス ・ツールを使って再注文することを好むと回答しています。 セルフサービス・ツールの人気の理由の1つは、利便性にあります。 セルフサービス・ツールは24時間いつでも利用可能で、モバイル・デバイスからも簡単にアクセスできるため、お客様はいつでもすぐに質問することができます。 

分析とカスタマー・サービス測定基準

 カスタマー・ケアを適切に管理するためには、企業がどのような点で優れているか、何を改善すべきかを理解する必要があります。 そのためには、 カスタマー・サービスの重要業績評価指標(KPI) を設定し、チャネルをまたいだ 評価指標 を収集する仕組みを作る必要があります。

 Forrester社の「Q2 2020 State Of VoC And CX Measurement Programs Survey」(ibm.com外部へのリンク)によると、お客様の声および顧客体験を測定するプログラムの89%は、Eメールによるアンケート結果からお客様のフィードバックを得ており、コンタクト・センターの記録を活用していたのはわずか30%でした。 これでは、お客様の懸念事項を理解することができず、企業はお客様の満足度を表す CSATスコアの低下を招きかねません 。

機械学習(ML)やSpeech-to-Textなどのツールを使用することで、企業はコール・センターを通じて、お客様に共通する問題や懸念ポイントをより迅速に特定できるようになります。 また、内部の KPI(コンバージョン率、チャネル・エスカレーション、 解約率など) により、 顧客維持率の低下の原因を見極めることができます。

カスタマー・ケアの課題

消費者の期待は非常に高く、企業は お客様との関係 を改善する必要に迫られています。Forrester社の報告によると (ibm.com外部へのリンク)、失望させられたことがあるブランドとの取引を継続すると回答した顧客は、わずか18%でした。

また、 カスタマー・ケア が不十分であると、コストがかかります。 同じForrester社の報告によると、チャネルのエスカレーションによる不必要なサービス・コストで、 eコマース の小売業者は平均して2,200万米ドルの損害を被っていました。 このプレッシャーに加え、今日ではカスタマー・サービスのチャネル数が増えています。 ソーシャル・メディア、Eメール、コール・センター、チャットボット、テキストなど、カスタマー・サービス業務には数多くの タッチポイント があり、複雑さを増しています。

そのため、同じ人が複数チャネルで連絡を取ると、情報が失われてしまうことがあります。 カスタマー ・サービスの担当者 が全体像を把握しておらず、お客様が何度も問題を報告しなければならない場合、カスタマー・サービス担当者もお客様も双方がお互いにフラストレーションが溜まります。

コール・センターやカスタマー・ サービスの担当者 と直接やりとりすることは、カスタマー・サービス部門には欠かせないものですが、その運営にはコストがかかり、従業員の離職率も高くなります。 チャットボット、 ソーシャル・メディア でのメッセージングやその他のセルフサービス・オプションは、その利便性に反して、回答が遅かったり、不正確で無関係な回答が返ってきたりして、お客様が別のチャネルにやりとりをエスカレートしなければならないなどのデメリットがあります。

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