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BizDevOpsとは

BizDevOpsとは、ビジネス・チーム、開発チーム、オペレーション・チームの緊密な連携を通じてソフトウェア開発ライフサイクルを最適化する方法論です。

DevOps 2.0と呼ばれることも多いBizDevOpsは、DevOpsのプラクティスの成功を土台としています。DevOpsは、開発チームとITオペレーション・チームの取り組みを統合することでソフトウェア・デリバリーのプロセスを加速および改善します。BizDevOpsはこの概念を拡張したものです。ソフトウェア開発ライフサイクルの各段階にビジネス・チームを関与させ、ビジネス目標を取り入れます。

ソフトウェア開発プロセスが可視化されていると、成長目標や収益目標などのビジネス目標の策定や、開発のスプリントやバックログの設定を、すべての利害関係者が行えるようになります。この結果、ソフトウェア開発プロセスのスピードが上がり、開発やITの成果と整合する形でビジネス全体の取り組みを促進できます。

BizDevOpsでは、コミュニケーションの文化と、ソフトウェア開発にフィードバックを迅速に統合する閉ループのフィードバック・プロセスが必要です。BizDevOps戦略を採用した組織はアジャイルのワークフローを導入できるようになります。McKinsey & Companyの調査結果によると、これで業務効率は30–50%向上します1

全般にBizDevOpsでは、デジタル・トランスフォーメーションを遂行するために、ビジネス・チーム、開発チーム、オペレーション・チームの間でフラットな構造を受け入れる文化が必要です。

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BizDevOpsとDevOpsの違い

DevOpsは、新しいプロダクトや機能を導入する際のリスクを最小限に抑えつつ、ソフトウェア開発のプロセスを高速化したいという要望から生まれました。DevOpsの導入前は、開発チームが他のチームからのインプットをほとんど(あるいはまったく)取り入れることなくプロダクトや機能の開発に延々と取り組むことがよくありました。その結果、多数の新機能を大規模にデプロイする"ビッグ・バン"・デプロイメントが失敗して、ロールバックが必要になり、修正にコストがかかっていました。

コラボレーションを強化したことで、開発チームとオペレーション・チームがプロセス全体を通して知識やフィードバックを共有できるようになり、すべての利害関係者の可視性が高まって、監視を強化できました。またDevOpsチームは、パフォーマンス管理の自動化、新しいコードのテスト、新機能のデプロイの自動化を重視しました。この戦略によって開発プロセスのスピードが上がり、プロダクトをローンチする際のエラーや不確定要素が減少しました。

DevOpsのプロセスに欠けていたのはビジネス・チームからのインプットでした。DevOpsチームは、長い開発期間をへた後も、開発中のプロダクトや機能が組織の最新のビジネス目標を満たしているかどうか、依然としてわかりませんでした。BizDevOpsのアプローチはこの問題に取り組んでおり、ビジネス価値を高めるプロダクトの作成をプロダクト開発の中心目標に据えています。その実現のためには、ビジネス・チームが開発プロセスのあらゆる段階に関与する必要があります。新しいプロダクト、機能、デプロイメントがビジネス上のどのような課題を解決するのかを明確にすることで、DevOpsチームはユーザーのニーズをより効率的に満たし、ビジネス目標の達成を支援できます。

BizDevOpsの仕組み

BizDevOpsを導入する組織は、計画段階の早い時点でコラボレーションを開始する必要があります。明確に定義したビジネス戦略と、開発チームからのインプットとを整合させることで、ソフトウェアやアプリケーション開発の詳細なロードマップを確立できます。早期のコラボレーションを通じて、ビジネス価値を優先して扱うことができ、ITチームはユーザーとビジネスのニーズを満たすプロダクト機能を開発するための時間を確保できます。

開発チームは継続的インテグレーション継続的デリバリーを活用してソフトウェアのデリバリーを迅速化します。継続的インテグレーションは、開発プロセス全体を通じて開発者がコードベースにコードを頻繁に統合し、テストを自動化するプロセスです。ソフトウェアのデリバリーを迅速化するうえで継続的インテグレーションは鍵となります。開発チームが自動化を利用して新しいコードを継続的にテストして品質を保証できることから、ソフトウェア開発ライフサイクルの最後の段階で予期しない不確定要素やエラーが生じるのを減らすことができます。継続的デリバリーを通じて、開発チームは変更のデプロイ、バグの修正、新しい機能や設定などの更新を迅速に行うことができます。テストとデプロイメントを自動化することで、プロダクトの更新を迅速化し、ダウンタイムを削減して、ユーザー・エクスペリエンスを最大限に向上させることができます。

プロダクトをローンチした後は、BizDevOpsチームはリアルタイム分析でパフォーマンスを監視し、目標を達成しているかどうかを分析できます。継続的な監視を通じて、データ分析とプロダクトのフィードバックに基づく調整を迅速に行うことができます。

ビジネスKPIとDevOpsメトリクス

チーム間のサイロを解消するためには、総合的なプロダクト戦略と、成功を測定するために用いるメトリクスについて、ビジネス・チーム、開発チーム、オペレーション・チームが明確にしておくことが不可欠です。そのためにBizDevOpsチームは、収益性などのビジネス目標やDevOpsメトリクスを考慮する重要業績評価指標(KPI)を確立し、プロダクトのパフォーマンスやユーザー・エクスペリエンスに加味する必要があります。

ビジネス・チームは、市場投入時間(プロダクトを構想して市場に投入するまでの期間)、利益率、投資収益率(ROI)、成長率などのKPIを用いて成功を測定します。開発チームとオペレーション・チームは、次のようなパフォーマンス・メトリクスを使用します。

  • デプロイメントの頻度(DF):開発チームが実稼働環境にコードを正常にデプロイした頻度

  • 変更のリード・タイム(LT):新しいコードが要求されてからデプロイまでの時間

  • 変更失敗率(CFR):ワークフローやコードのデプロイメントがシステム障害を引き起こした割合

  • 平均復旧時間(MTTR):システムやプロダクトの障害からチームがサービスを復旧または復元するまでに要した時間

これらのKPIはプロダクトの開発戦略の要素となりますが、BizDevOpsの取り組みでは、エンドユーザー側のメトリクスも考慮する必要があります。プロダクトの導入率などのメトリクスからは、プロダクトを使用しているユーザーの数についてインサイトが得られます。また顧客維持率は、所定の期間が経過した後でプロダクトを使用し続けているユーザーの数を示します。

BizDevOpsチームは、IBM Instana Observabilityなどの製品を、アプリケーションのパフォーマンスの監視やボトルネックの特定、根本原因分析に利用できます。パフォーマンス監視ツールは、プロダクトのリアルタイムのデータを分析用に生成するだけでなく、修復プロセスの自動化も可能で、平均復旧時間の短縮につながります。

重要業績評価指標や関連データを可視化することで、チーム・メンバーはプロダクトの機能をエンドツーエンドで把握できます。こうして、ビジネス目標の達成と顧客ニーズへの適合を可能にするプロダクトを効率的に構築できます。

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脚注

1Enterprise agility: Buzz or business impact?” McKinsey & Company、2020年3月20日