注文管理

2021年6月8日

注文管理

注文管理とは、注文を開始時からフルフィルメントまで追跡し、注文状況がそのライフサイクルを通じて変化する中、それに関連する人々、プロセス、データを管理することです。

注文管理システムとは

注文管理システム(OMS)とは、注文のライフサイクル全体を管理するためのデジタル手段です。¹注文の受付、在庫管理、出荷処理、アフターサービスなど、すべての情報とプロセスを追跡します。OMSは、企業にも購入者にも可視性を提供します。組織は在庫状況をほぼリアルタイムで把握でき、顧客も注文品の到着時期を確認することができます。

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注文管理の仕組み

配置

顧客は自動フォームを通じて注文を行います。営業担当者が内容を確認し、注文を確定します。

フルフィルメント(注文処理・履行)

倉庫作業員が出荷情報を確認し、請求書を発行して、注文を処理します(ピッキング、梱包、出荷を実行)。

インベントリー管理

ビジネスの需要に応じて変動する在庫レベルが常に監視されています。

注文管理が重要な理由

注文管理は、サプライチェーンのほぼすべてのシステムやプロセスに関わっています。現在では、多くの企業が注文管理を社内だけで完結させることはなく、部品・コンポーネントのサプライヤー、組立・梱包サービス、配送センターなど、複数のパートナーが関与することで、注文の可視性や管理が失われやすくなっています。その結果、正確な注文処理と納品を行うために、高コストの手作業プロセスが必要になるケースが少なくありません。

OMSを導入することで、手作業のプロセスを自動化し、エラーを削減することでコストを抑え、収益の創出につなげることが可能です。

また、注文管理は外部に対しても大きな影響を持ち、顧客が企業やブランドをどう評価するかに直結します。オムニチャネル環境では、顧客はシームレスな体験を期待しています。たとえば、オンラインで注文した顧客が問い合わせのためにコールセンターを利用し、そのまま注文を完了する場合があります。注文の処理中には、Eメールなどで進捗状況を確認できることを期待しています。仮に問題が発生した場合は、店舗などのリアルなチャネルを通じて返品したいと考えるかもしれません。

こうした一連の顧客体験の各接点が、優れた顧客体験を提供し、顧客の維持や収益の向上につながるチャンスとなります。さらに、オムニチャネルの購買プロセスでは、アップセルやクロスセルの提案を行う機会も生まれ、収益の拡大にもつながります。

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効果的な注文管理の主な特長

可視性

サプライチェーン全体を可視化し、イベントを切り分けて把握することで、問題を予測し、より効率的なプロセスを構築します。

インテリジェンス

注文管理プロセスを、組織のビジネス・ルールやパフォーマンス目標に合わせて調整します。

柔軟性

注文やイベントを個別の作業単位に分解し、適切なシステムやリソースに振り分けられるようにします。

リアルタイム在庫管理

在庫を統合ビューで把握し、現在の在庫状況、輸送中の商品、そして現在の需要レベルを確認できます。これにより、緊急出荷の必要性や過剰な安全在庫の維持を抑えることができます。

配送とサービスのスケジューリング

在庫、リソース、スキルに応じて配送の約束を調整し、サービス・リクエストへの対応をより効率的に行えるようにします。

顧客エンゲージメント・テクノロジー

顧客対応担当者に、顧客情報、バックエンドの在庫状況、リソースの可視化を提供することで、取引をより効率的に処理できるようにします。

フルフィルメントの最適化

データを分析し、顧客がどのように・どこで商品の受け取りを希望しているか、配送時間、コストなどを考慮した選択肢を提案します。

注文管理に関するよくある質問(FAQ)

注文管理プロセスの基本的なステップは何ですか。

  • 在庫の確認: 顧客または営業チームが、さまざまな製品やサービスを確認する際に在庫の有無を確認します。
  • 注文:顧客は、Web、モバイル、コールセンター、店舗、マーケットプレイスなど、さまざまなチャネルを通じて注文を行います。
  • 確認:営業担当者または自動化されたシステムが、注文が行われたことを顧客に確認し、注文に関する必要な情報(氏名、住所、電話番号、Eメール・アドレス、プロモーション・コードなど)を収集または記録します。
  • 在庫引当:システムまたは担当者が、注文を履行するために製品またはサービスを割り当てます。
  • フルフィルメント(履行): 製品またはサービスが、倉庫や流通センターからの出荷、店舗からの出荷、店舗での受け取り、オンライン・ダウンロード、または営業担当者からの直接手渡しなどの流通チャネルを通じて提供されます。サービス完了に対して顧客のサインオフなど、フルフィルメントが完了したことの確認も行われます。
  • サービス:予約の取得、設置や配送サービスのスケジューリング、製品の交換や返品など。これらは新たなビジネスプロセスの第一歩である場合もありますが、注文管理にも関連する可能性があります。

注文管理をより複雑にする傾向とは

注文管理は、大量の注文や複数の販売・流通チャネルを扱う場合、すぐに複雑化する可能性があります。以下のような傾向がその複雑さをさらに増加させています。

  • マルチチャネル。複数の実店舗や拠点、オンラインやデジタル・チャネル、コールセンターなど、さまざまなチャネルでビジネスを展開・注文を管理すること。取引や顧客とのやり取りは、それぞれのチャネルごとに独立して行われます。
  • オムニチャネル。顧客がチャネル間をシームレスに移動しながら取引を行うことができ、企業側もその期待に応えるためにプロセスを柔軟に調整できる能力を指します。たとえば、顧客がウェブで商品を購入し、コールセンターで注文内容を変更し、実店舗で商品を受け取るようなケースです。

コンピュータ化された注文管理システム(OMS)は、増大する複雑さに対応し、より効率的かつ収益性の高い注文処理を実現するために進化してきました。

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分散型注文管理とは

OMSの中核をなすのが、分散型注文管理(DOM)機能です。DOMは、注文を最適な配送先やリソースへとインテリジェントに振り分けることを可能にするソフトウェアであり、注文に関連するビジネスプロセスを管理するうえで重要な役割を果たします。また、チャネルをまたいだシームレスな顧客体験の提供にも貢献します。

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どのようなオムニチャネル機能が、自社のビジネスに利益をもたらすのでしょうか。

BOPIS、BORIS、店舗からの出荷などのオムニチャネル機能を導入することで見込まれる粗利益の増加分を試算できる、注文管理メリット計算ツールをご利用ください。

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脚注
出典

1What is an OMS and Why Do I Need One?(邦訳:OMSとは何か、そしてなぜ必要なのか)」、George Kokoris氏、Supply Chain 24/7、2018年6月28日