8つのデータ品質モニタリング手法と、注目すべきメトリクス

生物学の女性研究者2人が測定データについて議論している

データ品質モニタリングとは

データ品質モニタリングは、組織のデータを正確性、一貫性、信頼性の観点から、アセスメント、測定、管理する作業です。様々な手法を駆使してデータ品質の問題を特定・解決し、ビジネスプロセスや意思決定で高品質なデータを確実に活用できるようにします。

データ品質の重要性はいくら強調してもしすぎることはありません。質の低いデータは不正確な結論、非効率的なオペレーション、企業のシステムから提供される情報に対する信頼の毀損につながるおそれがあるためです。モニタリングによって、データ品質の問題が組織のオペレーションや顧客に影響を与える前に、早期に発見することが可能です。

この記事では、データ品質の主な要素、データ品質を監視するための具体的なメトリクスと手法を解説します。

 

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データ品質の要素

以下は、一般的にデータ品質モニタリングで扱われるデータ品質の主な要素です。

  1. 正確さ:ある値をその真の表現と比較した際の正しさの度合いを測定します。
  2. 完全性:どの程度必要なデータがそろっており、利用可能であるかを評価します。
  3. 一貫性:異なるソースやシステム間でのデータの統一性に関わるものです。
  4. 適時性:情報の使用目的に照らして、情報がどれだけ最新であるかを評価します。
  5. 有効性: データセット内の各属性について事前に定義された形式、ルール、標準への準拠を確認します。
  6. 一意性:データセット内に重複レコードが存在しないことを保証します。
  7. 完全性:データセット間の参照関係を、リンク切れを起こすことなく維持するためのものです。
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監視すべき主要メトリクス

データ品質の要素の他にも、データの品質の問題を示す具体的なメトリクスがあります。これらの主要なメトリクスを追跡することで、ビジネス上の意思決定や顧客体験に影響を与える前に、問題を早期に特定し、解決することができます。

エラー比率

エラー比率は、データセットに含まれるエラーのあるレコードの割合を測定します。エラー比率が高いということは、データ品質が低いということであり、誤ったインサイトや不正確な意思決定につながる可能性があります。エラーのあるレコードの数をエントリーの総数で割って、エラー比率を計算します。

重複レコード率

システムの不具合や人為的ミスにより、1つのエンティティーに対して複数のエントリーが作成されると、重複したレコードが発生する可能性があります。このような重複はストレージを浪費するだけでなく、分析の成果を歪め、効果的な意思決定を妨げます。重複レコード率は、任意のデータセット内の全レコードに対する重複エントリーの割合を計算します。

所在地有効率

正確な所在地情報は、配送やカスタマー・サポートなど、ロケーションベースのサービスに依存するビジネスにとって極めて重要です。所在地有効率は、所在地フィールドを持つすべてのレコードと比較したデータセット内の有効なアドレスの割合を測定します。高いデータ品質を維持するためには、所在地データを定期的にクレンジングし、検証することが不可欠です。

データの価値実現までの時間

データの価値実現までの時間は、データ収集後、データから価値を得るまでの時間を表します。価値実現までの時間が短いほど、組織が意思決定のためのデータ処理と分析を効率的に行っていることを示しています。このメトリクスを監視することで、データ・パイプラインのボトルネックを特定し、ビジネス・ユーザーが適切なタイミングでインサイトを確実に利用できるようになります。

8つのデータ品質モニタリング手法

ここでは、データの品質の監視に使用できる、一般的なデータ品質モニタリング手法をいくつか紹介します。

データプロファイリング

データ・プロファイリングとは、データの内容、構造、関係を調査、分析、理解するプロセスです。この手法では、列や行のレベルでデータをレビューし、パターン、異常、不整合を特定します。データ・プロファイリングは、データの種類、長さ、パターン、一意の値などの貴重な情報を提供することで、データの品質についての洞察を得るのに役立ちます。

データ・プロファイリングには主に、データセット内の個々の属性を調査するカラム・プロファイリング、属性間の関係を特定する依存関係プロファイリング、重複データを検知する冗長性プロファイリングの3つのタイプがあります。データプロファイリングツールを使用することで、データを包括的に理解し、対処すべき潜在的な品質問題を特定することができます。

データ監査

データ監査とは、あらかじめ定義されたルールや基準と比較することで、データの正確性や完全性を評価するプロセスです。この手法は、データの欠落、不正確、不整合などのデータ品質の問題を組織が特定して追跡するのに役立ちます。データ監査は、手作業でレコードをレビューしてエラーを確認するか、データの不一致をスキャンしてフラグを立てる自動化ツールで実施することができます。

効果的なデータ監査を行うには、まず、データが遵守すべきデータ品質ルールと基準を確定する必要があります。次にデータ監査ツールを使用して、データをこれらのルールや標準と比較し、不整合や問題を特定することができます。最後に監査の結果を分析し、発見されたデータ品質の問題に対処するための是正措置を実施する必要があります。

データ品質ルール

データ品質ルールとは、データの正確性、完全性、一貫性、信頼性を保証するために、データが満たさなければならない定義済みの基準です。これらのルールは高品質のデータを維持するために不可欠であり、データ検証、変換、クレンジングのプロセスを使用して適用できます。データ品質ルールの例としては、重複レコードのチェック、参照データに照らし合わせた検証、データが特定の形式やパターンに準拠しているかの確認などがあります。

効果的なデータ品質ルールを実装するには、まず組織のデータ品質要件と標準に基づいてルールを定義する必要があります。次に、データ品質ツールまたはカスタム・スクリプトを使用して、ルールをデータに適用し、不一致や問題にフラグを立てることができます。最後に、データ品質ルールを継続的に監視・更新して、データ品質を維持する上での適切さと効果を確保する必要があります。

データ・クレンジング

データ・クレンジングは、データ・スクラブまたはデータ・クリーニングとも呼ばれ、データ内のエラー、一貫性の欠如、不正確性を特定して修正するプロセスを指します。データ・クレンジングの手法には、データ検証、データ変換、データ重複排除などさまざまなものがあり、正確、完全、かつ信頼性の高いデータを維持します。

通常、データ・クレンジングのプロセスには、データ品質の問題の特定、問題の根本原因の特定、適切なクレンジング手法の選択、クレンジング手法のデータへの適用、問題の解決を確認するための成果の検証、といったステップが含まれています。堅牢なデータ・クレンジングの手順を整備すれば、効果的な意思決定とオペレーションをサポートする高品質なデータを維持することができます。

リアルタイムのデータ監視

リアルタイムのデータ監視は、組織内で生成、処理、保管されるデータを継続的に追跡、分析するプロセスです。この手法により、定期的なデータ監査やレビューを待つのではなく、データ品質の問題が発生した時点で特定し、対処することができます。リアルタイムのデータ監視は、組織が高品質のデータを維持し、正確な最新の情報に基づく意思決定プロセスを確保する上で役立ちます。

データ品質メトリクスの追跡

データ品質メトリクスは、組織がデータの品質を評価するのに役立つ定量的な尺度です。これらのメトリクスを使用すことで、データ品質を長期にわたって追跡・監視し、傾向とパターンを特定して、データ品質モニタリング手法の有効性を判断できます。一般的なデータ品質メトリクスには、完全性、正確性、一貫性、適時性、一意性などがあります。

データ品質メトリクスを追跡するには、まず、組織のデータ品質要件および標準に対して最も関連性の高いメトリクスを定義する必要があります。次に、データ品質ツールまたはカスタム・スクリプトを使用してデータのメトリクスを計算し、品質の定量的な評価を行うことができます。最後に、データ品質メトリクスを定期的にレビューし、分析することで、改善すべき領域を特定し、データ品質モニタリング手法の有効性を維持する必要があります。

データ・パフォーマンス・テスト

データ・パフォーマンス・テストは、データ処理システムとインフラストラクチャーの効率、有効性、拡張性を評価するプロセスです。この手法は、データ処理システムがデータ品質を損なうことなく、データ量、複雑さ、速度の増加に対応できるようにする上で役立ちます。

データ・パフォーマンス・テストを実施するには、まずデータ処理システムのパフォーマンス・ベンチマークとターゲットを設定する必要があります。次に、データ・パフォーマンス・テスト・ツールを使用して、大量のデータや複雑なデータ変換などのさまざまなデータ処理シナリオをシミュレートし、確立されたベンチマークや目標に照らしてシステムの性能を測定します。最後に、データ・パフォーマンス・テストの成果を分析し、データ処理とインフラストラクチャーに必要な改善を実装する必要があります。

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メタデータ管理

メタデータ管理とは、データの品質、一貫性、使いやすさを向上させるために、メタデータを整理、維持、利用するプロセスです。メタデータはいわばデータに関するデータであり、データ定義、データ・リネージュ、データ品質ルールなどの種類があります。組織がデータをより効果的に理解し、データを管理するのに役立つものです。堅牢なメタデータ管理手法を導入することで、データ全体の品質を向上させ、アクセスしやすく、理解しやすく、使いやすいものにすることができます。

効果的なメタデータ管理を実装するには、まず一貫した構造化された方法でメタデータを保管・整理するメタデータ・リポジトリを整備する必要があります。次に、メタデータ管理ツールを使用して、データとデータ処理システムの進化に合わせてメタデータを取得、維持、更新することができます。最後に、データ品質モニタリング、データ統合、データ・ガバナンスのイニシアチブをサポートするために、メタデータの利用に関するプロセスとベスト・プラクティスを導入する必要があります。

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