問屋を究めるためには、人対人ではなく、最新のテクノロジーを活用して、もっと利便性を提供できる仕組みが必要です

トラスコ中山株式会社 取締役 情報システム本部 本部長, 数見 篤氏

Business Challenge

トラスコ中山は「問屋を極める、究める」を経営の指針として、他社が扱わない商品を積極的に扱い、在庫の充実を図り、必要とされる商品を即納することで、顧客の利便性を高めています。同社のビジネスを支える基幹システムを構成するSAPシステムの保守期限が迫り、システムの刷新を検討する時期を迎えるとともに、顧客の利便性をさらに高めるために、全国の物流センターの品揃えを拡大してクイックデリバリーを進化させる、取引先からの直接エンドユーザーに商品を配送してほしいという要望に対応する、という必要性も生じ、物流センターの24時間365日稼働を可能にするシステム面での対応も求められていました。

Transformation

同社は今回の基幹システム刷新を“デジタル・トランスフォーメーションの好機”と捉え、業界をまたいだサプライチェーン全体の業務革新を目指すことにしました。同社はプロジェクトに取り掛かる前に、3カ月間集中して構想策定に取り組み、全社横断で課題を洗い出し、未来志向であるべき姿を追求した結果、自動化、処理の削減、デジタル化をキーワードとした15の業務要件をまとめました。IBMが企画構想段階におけるコンサルティングから、要件定義、システム構築まで一貫して支援するプライムパートナーとして、コンバージョンによるSAP S/4HANAを中核とした基幹システム刷新を支援し、さらにトラスコ中山の業務の高度化・自動化を図る新機能や社外との連携機能を可能にするクラウド・アプリケーションをSAP Cloud Platform上で開発し、デジタル・トランスフォーメーションの実現を支援する役割を担うことになりました。

Benefits

プロジェクトは2020年1月の新システム稼働開始に向けて、予定通り進んでおり、SAP S/4HANAへのコンバージョンと並行して、15の新業務要件テーマに沿った業務の高度化・自動化を実現する新機能や社外との連携機能を可能にするクラウド・アプリケーション開発も行われています。例えば、見積回答の自動化を実現することで、回答が大幅にスピードアップし、受注率が高まることが期待されています。また、仕入れ先との連絡をFAXからポータルサイトでのやりとりに切り替えることで、回答のスピードを速め、業務効率を高めることができます。同社は2020年1月の新システム稼働開始はゴールではなく、次へのスタート地点であり、新システムをしっかりリリースする一方で、次のシステムをどうするかを考えたいとしており、顧客に利便性を届けていくという同社の挑戦は続きます。


    ※ポーター賞
    2001年7月に創設。製品、プロセス、経営手腕においてイノベーションを起こし、独自性がある戦略を実行し、業界において高い収益性を達成・維持している日本企業や事業部を表彰。賞名はハーバード大学のマイケル・E・ポーター教授に由来。ポーター賞は、一橋ビジネススクール国際企業戦略専攻(一橋ICS)が運営する。

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