日本生命グループのIT戦略会社であるニッセイ情報テクノロジー株式会社(以下、ニッセイ情報テクノロジー)は、顧客と日本生命の長期にわたる保険契約を安全に維持管理するためにIBMメインフレームの運用管理を行ってきました。
同社は、長年にわたり使い続けてきたシステムを塩漬けにするのではなく、計画的に最新化(モダナイゼーション)することにより、日本生命にとって「安定稼働」「コスト」「テクノロジー」「人材育成・技術継承」など多くのメリットが得られると判断。綿密に計画されたロードマップに沿って、基幹システムの中核を担うIBMメインフレームの一部を最新の「IBM z16」に更改しました。ハイブリッドクラウドやAIなど最新の技術を活用してグループのビジネスの発展に貢献し、より効率的な運用とシステム最適化を図るためのシステム基盤を整えました。
日本生命グループの基幹システム開発・運用を担うニッセイ情報テクノロジーは、日本生命が顧客と結ぶ膨大な数の保険契約や個人情報といった機密データと、保険料計算などの膨大なビジネス・ロジックを、長年にわたりIBMメインフレームで管理してきました。IBMメインフレームは高可用性や大量並列処理、強固なセキュリティーを備え、高い後方互換性により機器などの更改後も古いデータとプログラムを使い続けられる点が保険業界の事業特性と適合しています。一方、近年はデータ活用ニーズの高まり、ハイブリッドクラウドへの移行など基幹システムを取り巻く状況が大きく変化しています。そこでニッセイ情報テクノロジーは、それらの変化への対応も踏まえ、日本生命の基幹システムを構成するIBMメインフレームの一部を更改することを決めました。
ニッセイ情報テクノロジーでは、日本生命が保険契約を長期間、安定的に維持管理しながら基幹システムの資産を確実に継承するとともに、顧客により良い価値を提供できるよう、IBMメインフレーム環境の継続的な最新化(モダナイゼーション)を支援してきました。これには「安定稼働」「コスト」「テクノロジー」「人材育成・技術継承」の観点で多くのメリットがあります。同社はこの方針の下、IBMの営業期間が終了した2筐体のIBM z14を、最新のIBM z16に更改することを決定。入念な計画に基づいて実施された更改プロジェクトは、日本生命、ニッセイ情報テクノロジー、IBMの3社の役員も参加して切替方法やトラブル時の対処方法などが綿密にレビューされるなど緊密な連携体制の下に進行。トラブルなく無事に新旧切替を完了しました。
日本生命は2023年1月より、国内初となるIBM z16の本番稼働を開始しました。キャッシュ・アーキテクチャーの刷新によりバッチ処理性能が大幅に向上したほか、System Recovery Boost機能によりシステム障害時には迅速にシステムをシャットダウン・再起動することが可能となりました。Telumプロセッサー搭載のAI推論用アクセラレーターによるリアルタイムなAI処理、耐量子暗号化機能など、将来の高度なデータ活用に向けた環境も整いました。ニッセイ情報テクノロジーは今後、これらの機能も生かして日本生命グループのDX加速に向けた基幹システムのモダナイゼーションを進め、IBMメインフレームによる付加価値をさらに高めていくとともに、継続した安定稼働、より効率的な運用、システムの最適化を図っていく考えです。
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2023年6月
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