AI技術を武器に、データ駆動型のカスタマー・エンゲージメントでサービス・ステーションのエクスペリエンスを再構築する

MOLグループはAIを活用した収益成長と顧客ロイヤルティーを促進するデジタルマーケティング・プラットフォームを構築
燃料補給所で車に乗った男女

大手石油・ガス会社にとって、小売ディビジョン(ガソリン・スタンド)は、複雑な垂直統合化されたオペレーションにおいて常に極めて重要な役割を果たしてきました。ダウンストリーム・ビジネスの最終段階である企業の小売ステーションは、単に中核となる精製燃料製品を販売するだけの場所ではなく、付随商品を販売するチャンスであり、顧客とブランドとの主な交流の場でもあります。だからこそ、小売でのエクスペリエンスの質が非常に重要です。

燃料を販売することが中心的な目標であることに変わりはありません。しかし、多くの企業が、自らのビジネスに対する小売オペレーションが提供できる価値について、拡大したビジョンを受け入れています。

MOLグループは、世界30カ国に25,000人の従業員を擁し、10カ国に2,400以上のサービス・ステーションを所有する総合石油・ガス会社です。現在、同社の変革の焦点は、従来の燃料小売業者からデジタル主導の消費財小売業者および統合モビリティー・サービス・プロバイダーへの変革を加速することにあります。MOLグループは、顧客満足、従業員の能力強化、新たな収益源の獲得を目指しています。これを実現するために、MOLグループは IBM®コンサルティングSalesforceを活用し、AIによるマーケティングのハイパーパーソナライゼーションを加速しています。

MOLグループの顧客は毎月何百万件ものロイヤルティー・ショッピング取引を行っています。MOLグループはこのデータを活用して、セグメンテーションの基準がすべて事前に定義され、コンテンツが事前に記述されている標準的なルールベースのマーケティング・コンセプトから脱却したいと考えました。そこで、顧客のシグナルがペルソナ・プロファイルに自動的に統合され、高度にパーソナライズされたオファーが送信されるような、行動ベースのモデルを目指しました。

パーソナライズされた顧客体験へのデータ主導のアプローチ

計画では、まずクロアチア、スロベニア、ハンガリーにプラットフォームをデプロイし、その後スロバキア、チェコ共和国、および地域の他の国々に拡大する予定でした。

Mag氏と彼のチームは、選択肢を徹底的に検討した結果、Salesforce Marketing Cloudが自分たちのニーズに最も適していると判断しました。したがって、残された大きな選択肢は、すべてのコンポーネントをまとめてくれるシステム統合パートナーを選択することだった、とMag氏は言います。「パートナーは、Salesforceプラットフォームに関する実証可能な専門知識、特に私たちが計画していたような包括的かつ大規模なソリューションを提供してくれることが重要でした」とMag氏は説明します。

IBMは協調的なアプローチで、MOLグループの小規模ながらも成長を続けるチームに必要なサポートを提供しました。この共創の取り組みの成果として、SalesforceコンポーネントとIBM® watsonx.aiAIスタジオの完全なポートフォリオを採用した統合化オムニチャネル・マーケティング・ソリューションが実現しました。このソリューションは、実際の顧客行動データを中心に据え、各顧客の特定の行動に基づいて高度にターゲットを絞ったキャンペーンを実施するなど、MOLと顧客とのやり取りのあらゆる側面を調整します。キャンペーン・マネージャーは、ワンクリックで、必要な現地言語で高度にパーソナライズされたEメールとプッシュ通知を生成できるようになりました。

Salesforce Marketing Cloudは、顧客にメッセージを配信するための統合ハブとして機能します。MOLグループは、お客様ポータルの基盤としてSalesforce Experience Cloudを使用しています。MOLチームは、マーケティングのハイパーパーソナライゼーション・イニシアチブをさらに推進するために、Salesforce Marketing、Experience、Loyalty、Sales Cloudのデータとサード・パーティー・データを接続して調整できるSalesforce Data Cloudを選択しました。MOLソリューションでは、MuleSoftを採用して、複数の国にまたがるこれらすべてのコンポーネントを統合および調整します。MOLは、Salesforce Data Cloudとwatsonx.aiを活用した生成AIを責任ある方法で使用しています。

プログラムの構築にあたり、MOLグループとIBMは、スケール・ベースの効率性とMOLの現地マーケティング・チームの特定のニーズのバランスをとる必要性を認識していましたMag氏によると、彼らの対応は、共通のフレームワークを提供する「グループ・テンプレート」アプローチに従うことであり、同時にローカル・チームに独自のキャンペーンを設計するための柔軟性を与えることでした。「各国には独自のマーケティング部門とロイヤルティ部門があります」と彼は説明します。「テンプレートに柔軟性を組み込んだため、地元チームは独自のキャンペーンやロイヤルティ・プログラムを調整して実行できます。」

こうしたローカル機能の活性化を支援するために、IBMは新しいマーケティングおよびロイヤルティー活動の確立もサポートしてくれたと、Mag氏は語ります。「IBMは、ハイパーケアのサポートを通じて、新しいプラットフォームを自分たちで管理する方法について、これらのチームを教育する上で重要な役割を果たしました。これは、プログラムが成長・発展していく中で、私たちが求めていたサポートの『架け橋』の一例です」。

ガソリ・スタンドでイヤホンを共有し、ホットドッグを食べる2人の十代の若者

収益の増加


デジタル・エンゲージメントの強化により、平均15%–30%の収益増加を実現

CSATの改善


競合他社よりも20%以上高いお客様の満足度を達成

「私たちの目標は、中央東ヨーロッパ地域における真の消費財小売業者、そして統合された複合モビリティサービスプロバイダーになることです」とイノベーターでデジタル顧客サービス責任者のIstván Mag氏は説明します。これを達成するには、すべての事業領域にわたって共通のサービス・セットとカスタマー・エクスペリエンスをロールアウトできる、包括的なデジタル・マーケティング・ケイパビリティーが必要であると認識していました。
István Mag氏 デジタル・ファクトリー責任者 MOL Group社
顧客エンゲージメントによる収益の多様化の促進

Mag氏は、MOLグループは2030年を見据えてデジタル・コマース戦略の拡大を構想しました。しかし、その成果はすでに明らかになりつつあると指摘します。「このアプリを利用するお客様の間では、MOLグループは平均15%~30%の収益アップを経験しています。」とMag氏は言います。「これは、よりスマートで便利なデジタル・エンゲージメントがロイヤリティを高め、消費を促進しているという強力な証拠です。」

ガソリン・スタンドのカフェに座って、ペストリーを持ちコーヒーをかき混ぜている女性
IBMとの提携は極めて重要でした。IBMは戦略的パートナーとして、Salesforceプラットフォームを開発して多くの国に展開するために必要なエンジニアリング機能を提供してくれました。IBMとSalesforceとの連携で最も素晴らしいことは、将来の拡張性への基盤が整い、Salesforceの柔軟性と機能により、あらゆるビジネス・ニーズに対応できるようになり、生成AIの次の進歩にも対応していけることです。
István Mag氏 デジタル・ファクトリー責任者 MOL Group社
MOLグループのロゴ
MOLグループについて

ハンガリーのブダペストに本拠を置くMOLグループは、26,000人の従業員を擁し、30カ国以上で事業を展開する国際的な石油・ガス会社です。中東ヨーロッパの9カ国に1,900ka所のサービス・ステーションを擁するMOLグループの小売事業は、1,000万人のお客様にサービスを提供しており、毎日100万件以上の取引を処理しています。

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示されている例は、説明のみを目的として提供されています。実際の結果はお客様の設定や条件により異なるため、一般的に期待される結果を提供するものではありません。