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レーザー加工による半導体電子デバイス材料の物理特性の変化をAIで推定。H2O Driverless AIを用いた実証実験で開発期間の9割短縮に目処を付けました。

九州大学 大学院システム情報科学研究院 ギガフォトンNext GLP共同研究部門は、九州大学とギガフォトン株式会社の組織対応型連携契約のもと、次世代レーザープロセッシングの研究開発を行っています。レーザーの特色を生かした半導体電子デバイス材料の開発では、加工対象の材料や目的ごとに開発者が経験と勘を頼りに試行錯誤しながらレーザー装置のパラメーター値を設定してきました。その最適値をAIによって早く推定することで開発期間を短縮することを目的に、同研究部門は専門家ではなくても簡単に使える「H2O Driverless AI」の活用を決断。その本格展開に先駆けた実証実験により、これまで2年を要していた開発期間を10分の1に短縮する目処を付けました。

ビジネス上の課題

九州大学 大学院システム情報科学研究院 ギガフォトンNext GLP共同研究部門では、半導体電子デバイス材料を主な対象にレーザー加工技術の研究を進めています。その中で大きな課題の一つが、レーザー加工による材料の変化特性の仕組みの多くが未解明であり、用途に応じた加工を行うためにレーザー装置に設定する各種のパラメーター値を、研究者が経験と勘を頼りに照射実験などを行って決めていたことでした。これには長い期間と多くの手間がかかります。同研究部門では、加工用途に最適なパラメーター値をより早く見つけるためのAI活用の検討を開始します。

概要と経緯

AIの利用経験がなかったギガフォトンNext GLP共同研究部門は、AIソリューションの展示会に参加するなどして調査を進め、活用イメージを固めます。そうした中、「専門家ではなくても簡単に使えるAI」としてH2O Driverless AIを知り、検証を実施。レーザー照射を制御するための各パラメーターの値を変えることで、レーザー照射された半導体がどのようなデバイス特性を持つようになるのかを推定させ、有効性を確認します。この検証の結果から、同研究部門はDriverless AIの採用を決めました。

効果と今後の展望

ギガフォトンNext GLP共同研究部門では、AIの活用により、これまで2年かかっていた研究開発の期間を10分の1に短縮することを目標の一つに設定。Driverless AIの本格展開に先駆けてどこまで短縮できるかを検証し、目標達成に確証を得ました。また、Driverless AIは簡単に使えるため、毎年新しく入る学生が短期間で使い方を学び、自らの研究でもAIを活用してより良い成果を出せるようになると期待されます。AI活用の有効性を確認した同研究部門は、レーザー装置による半導体電子デバイス材料の開発におけるAIの活用を広く促進するために、産学協同の研究プラットフォームとして「綺羅(KILA)コンソーシアム」を設立しています。

当事例で使用されている主な製品・サービスは下記の通りです。

Driverless AIを使うことによって開発期間を10分の1に短縮できれば、より早く新製品を市場に投入できます。今後は研究部門を挙げてAI活用を進め、その結果をレーザー装置の研究開発にフィードバックしていきたいと思います。 池上 浩 教授 ギガフォトンNext GLP共同研究部門 池上研究室 九州大学 大学院システム情報科学研究院

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