IBMチーフ・データ・オフィスがデータ・オブザーバビリティー(可観測性)の力を活用
データは企業にとって戦略的優位性の源となり得ますが、それはデータの潜在能力を最大限に引き出すことができた場合に限られます。ここに明確なパラドックスが存在します。つまり、データの複雑さが増すと可視性が低下し、大規模に価値を引き出すことが困難になるというものです。
IBMチーフ・データ・オフィス(CDO)にとって、データから価値を引き出すことは重要です。データは、より生産性の高い企業になるためのIBMの目標を後押ししています。この目標を達成するための戦略の中核となるのは、さまざまなソースからのデータをパイプラインに統合し、有意義な洞察を生み出すことです。データ・パイプラインは、多様なソースからデータを抽出、変換し、データウェアハウスまたはデータレイクにロードする一連のオペレーションのことで、一貫性を確保し、大規模に分析を可能にします。
約4,000のデータ・パイプラインを管理しなければならないため、CDOチームにとって従来のアプローチは煩雑で時間のかかるものした。たとえばデータ・パイプラインの手作業による監視や、問題のトラブルシューティングにはかなりの時間がかかり、人為的エラーが発生しやすくなっていました。「大規模なパイプラインの健全性を管理することは、特にチームがさまざまな製品を使用している場合には大きな課題でした」と、CDOのシニア・エンジニアリング・マネージャーであるAshley Delportは説明しました。「データの正常な状態を継続的に監視するソリューションが必要でした。特に、データ欠落などの問題を事前に特定して解決し、サービスが影響を受ける可能性がある場合にはチームに通知することが重要でした」。
チームは、ビジネス分析情報とAIユースケースのためのデータ・パイプラインを継続的に拡張していく中で、より効率的で効果的な取り組み方を必要としていました。求めていたのは、パイプラインのパフォーマンスをリアルタイムで可視化し、監視を自動化し、コラボレーションを強化する革新的なソリューションでした。最も重要なのは、毎日の正確でタイムリーな高品質のデータをCDOに依存している何千人ものユーザーの信頼をチームが維持する必要があったことです。
CDOチームは、継続的なデータ・オブザーバビリティーを提供する統一コントロールプレーン、IBM® watsonx.data integrationを選択しました。チームはまず、IBMの合併と買収の活動データに焦点を当てた試験的な取り組みから始めました。目標は、パイプラインの性能をリアルタイムで可視化することでした。
「リアルタイム監視およびアラート機能により、時間と労力が節約されました。具体的には、試験運用においては、手動による監視とトラブルシューティングが推定85%削減されたことがわかりました」と上級技術スタッフのSheeba Prakashは語ります。
このソリューションの直感的なインターフェースにより、チームはパイプラインの健全性を簡単に追跡し、問題を特定して迅速に解決できました。自動化されたワークフローとカスタマイズ可能なダッシュボードにより、パイプライン管理が大幅に合理化されました。このソリューションにより、エンジニアは買収シナリオにおけるデータ統合の加速化に集中できるようになりました。
試験運用が成功した後、CDOチームは会社全体のデータ・パイプライン・パフォーマンスに対する洞察を得る信頼できる唯一の情報源としてデータ・オブザーバビリティー機能の採用を拡大することを決定しました。「データ・オブザーバビリティーは、オペレーショナル・エクセレンスを向上させました。これにより、データ・パイプラインの問題に対して事後対応ではなく、事前対応を行うことができるようになりました」とDelportは語ります。
現在、CDOチームは、データ・オブザーバビリティーを活用して、問題が拡大する前に簡単に検知して解決しています。このソリューションにより、カスタム・アラートの作成、パイプライン実行ステータスの確認、実行履歴の傾向のレビュー、有向非巡回グラフ(DAG)ビューを使用した根本原因の特定が可能になります。
チームはエンジニアリング能力の大幅な節約を実現し、戦略的優位性を得るために新しいデータを統合する時間を増やすことができました。これらの節約額には、以下の推定値が含まれます。
watsonx.data integration内でのこの機能の導入と拡張の成功と大きな影響を振り返り、Delportは次のようにコメントしています。「データ・オブザーバビリティーで当社の業務効率が高まりました。これにより、データ・パイプラインの問題に対して事後対応的ではなく、事前対応を行うことができるようになり、ユーザーと開発チームに優れたエクスペリエンスを提供できるようになります」。
データ・オブザーバビリティー機能は、IBM watsonx.data integrationの一部として利用することも、IBM Databandでスタンドアロンのデプロイメントとしても利用することもできます。
IBM CDOは、戦略、アーキテクチャー、ガバナンス、管理など、IBMのデータ資産全体の管理と統制を担います。例えば、組織全体でデータが効果的、効率的、かつ安全に使用され、さまざまな事業単位や関係者のニーズが満たされるように取り組んでいます。
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